FX自動売買で大損？典型的な失敗パターンを徹底解説！

FX自動売買はとても便利なツールですが、極端な利益の実績や一部の利用者の感想などを謳い文句に、あたかもみんながいつでも儲かるような宣伝をしているシステムが少なくありません。

そんな詐欺まがいのシステムの典型的なパターンを5つご紹介します。

このような詐欺に陥らない為にも、ご紹介した5つのパターンに気を付けると共に、システムの提供元が金融庁に登録を受けている国内FX会社であるかは確認してください。

FX自動売買には、単純な売買を繰り返すリピート型のもの、ストラテジー（自動売買にプログラムされた取引ルール）を選ぶだけの選択型のもの、ストラテジーを自分で作成する開発型のものなど、様々なシステムがあります。

この中で初心者に注意してもらいたい失敗パターンが、ストラテジーを選ぶだけの選択型のものを利用した場合です。

選択型のものは一見すると選ぶだけで初心者が始めやすいシステムですが、ストラテジーは様々なものがあります。取引ルールが複雑であったり、取引ルールがわからないブラックボックスのものなどがあります。
「短期でハイリターンを求めるシステム」、「特定の通貨ペアに特化したシステム」、「長期運用を前提にしているシステム」などシステムの性質を理解した上で運用を始めるべきなのですが、多くの人は「過去の実績が良いから」「使っている人が多いから」など、システムの性質についてあまり調べず、利用してしまいます。
そうなると、自分の予定運用期間や投資金額、損失許容度に見合っていないものを利用することになり、気付いたら大損してしまったということになるのです。

単純な例になりますが、100万円での運用を前提としたシステムの過去実績を見たにも関わらず、10万円で運用を始めてしまうと、運用資金が見合っていないため、ハイリスクな取引になってしまい、自動ロスカットになる可能性が高まります。追加で投資金を増やした挙句、最終的には大損してしまうということになるのです。

では、どのようにシステムを選べば良いのでしょうか。

まずはシステムの性質が理解できないものは避けましょう。 システムの性質が理解できていないと、「どのくらいの運用資金が必要なのか」、「ハイリスクハイリターンの手法なのかローリスクでゆっくり時間をかけて運用していくか」など、自分の運用方針にマッチしているかが判断できません。

初心者の場合は、なるべくシンプルなルールのシステムを使うようにして、大損のリスクを回避するようにしてください。

FX自動売買でシステムが勝手に売買してくれるからといって、全てを任せて完全に放置をしてしまうと大損につながります。

常に監視する必要はありませんが、少なくともチェックしてもらいたいことが2つあります。

（1）システムの性質に沿った稼働をしているかチェックする

何をチェックしたらいいかわからない人もいるかと思いますが、投資家目線でシステムを提供している会社では、ホームページなどにそのシステムがどんな状況でメリットを発揮するか、どのようなリスクに気を付けるべきかが書かれているので、チェックしましょう。
逆を言うと利益のことばかり書いていて、良い時、悪い時のことが書かれていないシステムは危険です。

（2）口座状況をチェックする

売買が行われて発生した損益と、保有中のポジションの含み損益をチェックし、損失になっている場合は自分の損失許容範囲内であるかをチェックしましょう。

自分の損失許容範囲を超えたことを理由に運用を終了することは、リスク対策において重要なことです。
しかし、一時的に資金が目減りしたことを理由に不安が募って、感情任せに運用を中断し、損失を確定してしまうケースがあります。この場合、システムのメリットを活かす前に運用を終了してしまうことになりかねません。

極端な例としては、2019年に発生したフラッシュクラッシュ（価格急落）で焦って即決済した人は、大損が確定しましたが、その後価格はすぐに戻りました。ハイリスクハイリターンの運用をしているとこのような状況では正常な判断ができません。 その反面、ローリスクで運用していた人は、状況を冷静に見て、その後、利益を手にした人もたくさんいます。

運用をしていて利益が上がらず、含み損を抱えていると不安になることは当たり前のことですが、自動売買を運用中のときは目の前の相場変動に惑わされないよう、システムの性質を理解し、冷静に運用をしてください。

タイミングを見計らって手動で売買する裁量取引とは違って、24時間システムが自動で売買してくれるので、チャートに張り付く必要がありません。 その為、仕事中や睡眠中でもチャンスを逃さず売買をしてくれるメリットがあります。

裁量取引では、テクニカル分析や世界各国の経済指標、ニュースなどマーケット情報を読み解く知識が必要となります。 しかし、自動売買であれば、ルールに従ってシステムが売買をしてくれるので、様々なマーケット情報を分析しながら売買のタイミングを見計らう必要がありません。

普段は冷静に判断できる人でも、相場が上下に変動し、資金が目の前で増えたり、減ったりすると冷静さを失います。 もっと利益がとれるだろうと根拠のない期待をしてしまったり、損切りするべきタイミングでポジションを持ち続けてしまい損失を膨らませてしまうということはことはよくあります。 自動売買なら設定した売買ルール通りに売買を行うので、感情の入る余地がありません。

国内の金融庁に登録された会社はホームページやパンフレットなどに必ず登録番号が記載されています。

例）登録番号 ：関東財務局長（金商） 第●●号

先述したように詐欺などに合わない為にも、利用する前にチェックしましょう。

いきなり本番ではなく、デモ口座で試すことができれば利用を検討しているFX自動売買システムの性質を理解することができます。 また、売買システムの開始や停止、運用状況の確認方法など操作性も試しておきましょう。

ストラテジーが複雑な売買システムやブラックボックスになっているシステムは利用しないようにしましょう。いくら優れた売買システムであっても仕組みが複雑で理解できないようなものは使わないようにしてください。
プログラムの内容がわかっていないで利用すると、相場の動きによって続けるべきかやめるべきかの判断を裁量取引のように感情で決めてしまうことになりかねません。これでは、自動売買のメリットがなくなってしまいます。