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2018/07/24
シストレ活用事例

ループイフダンで値幅論争勃発!?その真偽を検証してみた

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ループイフダン値幅論争勃発!?

近年、FX自動売買のなかでも確かな立ち位置を確立しつつあるリピート系注文。そのなかでも際立ってシンプルな仕組みなのが「ループイフダン」です。取引する間隔や保有するポジション等を決めるだけで、細かな値動きに合わせて取引を自動で繰り返してくれます。この「細かな値動きに合わせて」というのがポイントで、相場全体からすれば小さな値動きも、逃さず繰り返し取引してくれることで利益を伸ばしていくことが可能になるのです。

ところが先日、あるウワサを耳にしました。それによると、ループイフダンは狭い値幅よりも広い値幅のほうが利益が出るとのこと。私のなかでは、ループイフダンは狭い値幅のほうが揉み合い相場で売買回数を稼ぎやすく、利益も伸びやすいという認識だったため、「ウソでしょ?」というのが最初の感想でした。しかし、実際に確認してみないと真偽は分からないということで、過去のランキングデータを使って検証してみることにしました。



1.比較方法について

まずは比較方法について整理します。私が聞いた情報では、比較するループイフダンの値幅の差に対してロット数を合わせる(=値幅あたりの証拠金を同じにする)というのがポイントのようです。それを含めて、以下のような条件にしました。

・比較するのは豪ドル円のループイフダンとする。

・比較する値幅はB20、B40、B80とする。

・値幅あたりの証拠金を同じにするため、B20は1ロット、B40は2ロット、B80は4ロットとする。

・対象期間は2016年10月1日〜2018年6月末日までとする。

・検証期間中、最大ポジション数は超過しないものとする。



2.比較結果

上記のような条件で、いざ検証開始。せっせとデータを集めていきました。

その結果がこちら。

累積売買損益推移(ループイフダンAUDJPY).png

(※1Lot=1,000通貨です。また、スワップポイントは含みません。)

売買損益累積推移グラフ.png

始めた直後から値幅の広いループイフダンを多ロットで運用するほうが利益額が大きくなっていることが分かります。売買損益金額とその差を見ると、B80はB20に対して20%もパフォーマンスが良かったということになります。

売買損益金額の差.png

なぜこのような結果になったのか、考えてみました。どうやらポジションの取得価格とロットがカギになっているようです。

まずB20を1ロットで運用時、揉み合いなく上下80銭幅の値動きがあった場合。

B20利益.png

次に、B80を4ロットで運用時、揉み合いなく上下80銭幅の値動きがあった場合。

B80利益.png

このように、ストレートに80銭上下した場合、1ポジションあたりのロットと取得価格の違いから利益にかなりの差が生まれます。単純に計算すると、B20がB80と同じだけの利益を手にするためには、80銭の上昇分以外に12回の利益確定の機会(=揉み合い)が必要ということになります。逆に言えば、それ以上の利益確定機会があればB20のほうが利益額で上回るということになりますが、そうはならなかったため、今回のような結果が出たと考えられます。



3.リスクについて

以上のような結果から、値幅の広いループイフダンに興味を持たれる方も多いのではないでしょうか。私もとても興味深かったです。

ただ、ひとつ気をつけなければいけない点もあることに気づきました。それは相場下落時のリスクについてです。今回の比較では、値幅に対してロット数を合わせるという方法をとっています。これは確かに取引証拠金という観点では、各値幅で金額が釣り合います。しかし、相場下落時に発生する評価損について言えば、そうではないのです。

まずB20(1ロット)の場合。

B20下落.png

次にB80(4ロット)の場合。

B80下落.png

B20の場合は1ロットずつ段階的にポジションを取得するのに対し、B80の場合はまとめてポジションを取得するため、相場下落時に発生する評価損に違いが生まれます。これは利益獲得時の動きと裏返しになっていると考えれば分かりやすいです。

つまり、B20を1ロットで運用する場合とB80を4ロットで運用する場合では、利益額ではB80が上回る一方で、下落時のリスクも同様に大きくなるということが分かります。この点には注意しておきましょう。



4.おわりに

最後に、この検証期間内で各値幅のループイフダンを運用するためには、実際にどのくらいの資金が必要だったのかを見てみましょう。

以下は、対象期間である2016年10月1日〜2018年6月のチャートです。

AUDJPY.png

B(買い)のループイフダンの場合は、高値からの下落幅が最も大きいところが最も含み損の膨らむときです。つまり、そこでロスカットとならない資金があれば、全期間で運用ができたということになります。チャートを見ると、2017/9/21に検証期間内の最高値90.287をつけており、その後の下落で2018/3/23に安値80.481をつけています。その差は約10円となります。この変動幅が分かれば、アイネット証券のHPに掲載されている目安資金表を見ることで運用に必要な資金を確認することができます。

AUDJPY目安必要資金.png

こちらが目安資金表を元に、今回の検証内容に合わせて計算した目安必要資金です。ざっくりですが、今回の検証において必要だった運用資金は50万円ほどだったと分かります。そう考えると、ループイフダンの運用効率は素晴らしいですね。

いかがでしたでしょうか。以上が今回の検証結果となります。

調べていくうちに私もいろいろと発見がありました。ループイフダンはシンプルながらも奥が深いところが魅力です。これからも気になったところは検証していきたいと思います!



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