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損切だけじゃない!攻撃的な資金管理の考え方【鹿子木健】
資金管理というと、どうしても損切りのイメージを持たれがちですが、これははっきり違うといえます。資金管理はトレードそのものであり、積極的に利益を狙っていくオフェンシブな考え方も含まれています。
1.資金管理≠損切り
FXを含む資産運用をしていく上で、資産運用は最重要項目であると常々発信してきました。「資金管理とトレード手法は分けて考えてはいけない!」でも書かせていただいた通り、資金管理はトレード全体の流れと一体化した存在です。
ですが、世間一般では、資金管理=負けないための防御術、ディフェンスのノウハウといったニュアンスで理解されているように感じます。でもこれは間違いです。資金管理は収支のコントールですから、防御はもちろん、攻撃の考え方も含まれています。
資金管理の考え方が身についていれば、攻撃的なトレードを仕掛けて、普段以上の大きなリターンを狙うことも可能になります。
2.「ここまでは負けてOK」からスタート
私がトレードを検討する際には、まず「リスク許容」から決めていきます。これはつまり、「いくらまでなら負けて良い」という水準で、金額で考えます。「資金が100万円あるとして、その1%にあたる1万円までなら負けてもOK」というように、最初から設定しているものがリスク許容です。
全資金に対して何%に設定するのかは、考え方次第ですが、一般的に資金が多くなるほど割合は下がります。1000億円の資金がある投資家が、全資産の5%まで1回のトレードで失ってOK、というような発想にはなかなかならないことは、感覚的にご理解いただけると思います。一度のトレードで50億円負ける必要はないですよね。
また、この割合が高すぎると、連敗が続いたときに再起不能になる恐れがあります。私は実体験として20連敗したことがあります。資金の5%を最大リスクにして20回続けて負けると、お金が全部なくなってしまいますよね。
このあたりの考え方は、僭越ながら私が書いた本「勝てない原因はトレード手法ではなかった FXで勝つための資金管理の技術」にて、詳しく解説しています。
3.ロット数で攻める、守るをコントロール
リスク許容が決まっている状態で、どこまで逆行したら損切りするかを決めます。私の勝ちパターン1なら、直近の高値や安値、ボリンジャーバンドの±2σが基準になります。
前回書いた記事「最悪のケースを想定してエントリーを見送れるようになると強い」では、損切りまでの距離が遠すぎる場合には、トレードをしない選択も有効であることを解説しましたが、今回は逆に損切りまでの距離が近いケースを考えてみます。リスク許容は1万円であるとします。
・ケースA
まずはこのケースA、ルール通りに買いエントリーをしたとき、損切りまでの距離が100pipsです。
・ケースB
次のこのケースB。ルール通りの損切りが50pipsです。
このとき同じ1万通貨取引で円絡みの通貨ペアなら、損切りになったときAが1万円、Bが5000円の負けです(手数料などは考慮せず)。
攻撃的に考えると、BはAの2倍の2万通貨取引でエントリーしても負ける金額は同じなので、リスク許容の範囲で積極的に仕掛けるチャンスであるともいえます。
逆に守備的な考え方なら、Bのトレードは最悪の事態になったときでもAより負けが少ない安全なエントリーともいえます。
こういった、リスク許容と損切り価格から、大きなリターンのチャンスを探していくことも、資金管理の考え方に含まれます。
4.直近の相場から勝ちパターンを探る
私はFXで利益を出すために、勝ちパターンという考え方を提唱しています。
勝ちパターンは何かというと、あえて抽象的に書きますが、「相場の方から、美味しい局面なのでぜひエントリーしてください」とお願いされている状態のことです。
「ここでエントリーしたら勝てるかな?」という迷いは一切生じません。儲かって当然と判断できる形になっていることが、すなわち勝ちパターンです。
勝ちパターンを構成するものは、チャート分析やトレード手法だけではありません。資金管理、相場の地合、メンタルやマインドなど、全てが揃った状態こそ、勝ちパターンです。
ですが、現在のFXの業界では、チャート分析やトレード手法のみが追い求められているように感じます。
もちろんチャートや手法は大切なのですが、それらを単体で見るのではなく、それらを含んだ総合的な判断をしていくことが、FXを資産運用としてとらえていくベースになる考え方になります。
私が皆さんにお教えしている勝ちパターンは1〜10まであるのですが、今回は勝ちパターン1で損切りをした例を解説します。
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