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2021/06/17
FX投資

安全資産とされる円とスイスフランとはどのような通貨なのか?【Invest Naviチャンネル】

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FX市場で不安が高まった際、安全資産に買いを入れてリスクのある通貨を売る動きが活発になります。市場が不安になった時に買われるのが、安全資産として価値が高まる円とスイスフランです。多くの市場参加者は、市場が不安定になり資産を守りたい際に円やスイスフランを買い、自分の資産を守る傾向にあります。安全資産の円とスイスフランの価値が高まった際は、何らかの要因で市場が安定していないということが多いです。
例えばリーマンブラザーズ倒産によるリーマンショックが起こった際の市場は不安定になり、多くの投資家が円に資産を傾けました。実際にドル円の動きは、リーマンショック前の8月は最大110円を超える時もあり、常にドル円は高い数字を出していました。しかしリーマンショック後数ヶ月で80円を下回り大きく投資家たちが円を買ったことがわかります。このように市場では円は市場が不安定になった際に安全資産として扱われています。
今回は安全資産とされる円とスイスフランはどのような通貨なのか経済状況や特徴、中央銀行の政策をみていき、どのような通貨なのか勉強していきましょう。



1.スイスフランの特徴

スイスは、永久中立国として世界から高い信用を得ている国です。もし戦争になった場合、中立国になるという宣言をしています。スイスは立地上EU加盟国に囲まれていて、輸出入をEU諸国に頼っているため低い金利を打ち出すことができ、金利を維持することに成功しています。
スイスといえば、スイス銀行を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?富裕層向けのプライベートバンクとして多くの資産家が資金を預けているので、世界の銀行として高い評価を得ています。スイス銀行はなぜ信頼を得ているかというと、名義人を公表しない匿名口座になっていて、守秘義務が徹底されているからです。秘匿性が高いので、スイス銀行に口座があるのか警察が判別できず、捜査に入りにくくなっていて不正なお金でも守ってくれます。
またスイスは超低金利通貨で、日本と同様スイスフランはマイナス金利を導入しています。またスイスは世界でも有数の金保有国で、金市場の上昇とともにスイスフランも上昇しやすい通貨です。金は現物の安全資産として知られていて価値が高いです。安全資産の金を保有しているということは、それだけ安全だという証明になります。
スイスフランは、永久中立国であり低い金利を打ち出していて金も多く保有しているため安全資産として高い評価を受けています。



2.リスクオンとリスクオフ

スイスフランや日本円といった通貨がなぜ安全資産といわれているかというと、低金利で安定しているからです。安定した資金調達するには、日本円やスイスフランといった低金利通貨が利用されやすい傾向にあります。スイスフランや日本円が買われない時は市場がリスクオンを取っている状態だということがわかるので、クロス円やクロススイスフランのチャートがどのような状態か観察しておくと市場の流れがわかりやすいです。
リスクオフの時は市場が危険な状態のことを指し、金利の高い新興国通貨を持っておくよりも安全資産である日本円やスイスフランを持ちたいと多くの投資家は考えます。新興国通貨が売られ、円やスイスフランが高値でトレードされている時はリスクオフの状態だということです。

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3.スイスフランの今までの動向

スイスフランは2011年に欧州債務危機になり、スイスフランショックが起こりました。スイスフランショックに至るまでの経緯としては、ユーロが暴落しスイスフランを多くの市場参加者の買いが加速し、スイス中央銀行はフランの金利を0%に切り下げて、スイスフラン買いの動きの加速を止めようとしましたが止まりませんでした。困ったスイス中央銀行は、ユーロスイスフランのレートは1.20を下限として無制限介入を行うと宣言しました。結果、市場は1.20から1.25の間を推移し続けました。
しかし2015年に無制限介入を撤廃すると宣言し、市場は大混乱しユーロスイスフランは宣言後たった20分で40%も下落し市場は大混乱に陥りました。この大混乱によって多くの投資家が多大な損失を受けてしまいスイスフランの安全資産としての地位に傷がついてしまいました。スイスフランはスイスフランショックが起こり評価を落としてしまいましたが、今でも円の次に安全な通貨として評価を得ています。



4.スイスフランの中央銀行政策

スイス中央銀行の金利政策は、マイナス0.75に据え置きしていて、中央銀行がスイスフランは最近下落しているが、スイスフランの価値は高いままで経済の安定化に向けて中央銀行は超緩和的な金利政策を維持し続けるという方針を打ち出しています。また拡張的な経済政策は好ましい資金調達を提供していて、スイスフランの上昇圧力に抵抗しています。
インフレ率の見通しは引き上げられるとみられていて、為替介入を弱めていて拡張的な金利政策を終了するのではないかと市場ではみられています。また中央銀行総裁は超緩和的な金利政策を継続する方針で、変更する理由はないとしています。



5.円の安全資産としての特徴

円は安全資産とよくいわれています。なぜ安全資産といわれているのかというと、経済指数など様々な観点から見た時に、アメリカ、イギリス、EU、スイス、日本という主要通貨の中で、アメリカドルに続いて2番目に日本円が安定感のある通貨だと多くの市場参加者が評価したからです。GDPは2018年度、アメリカ、中国に続いて3位が日本と経済力は他国と比べて安定していて強い証拠にもなっています。中国の元は、中国政府によって中国元のレートがほぼ操作されている状態であるとされていて安定している通貨とはいえないとされていて、信用度に欠ける通貨になっています。



6.日銀金融政策

日銀金融政策は、金利の変動幅を上下0.25%に設定し低金利政策をとっています。物価安定は、2%の目標を立てていて物価の安定を図ることを通じて日本国民の物価安定を目指しています。日本円は、経済の安定化と低金利政策を進めていて、市場関係者は安定している低金利が続けている安全資産として、リスクを取りたくない時は円を買います。日本銀行は金融緩和を継続し続けていて、経済、物価、金融情勢の変化に対して状況に応じて必要な際は追加緩和をするようになっています。現在コロナ禍で経済が戻りつつある業種とまだ戻っていない業種に分かれていて、どの業種も回復途上です。日銀短観の数値により政策が大きく変化するので、クロス円をトレードする際は日銀短観がどのような数字なのか詳しく知っておくことが重要です。



7.まとめ

スイスフランと日本円は安全資産として市場では高い評価を受けていて、市場が不安定になった時、投資家たちは自分の持っているポジションを円やスイスフランに移すことが多いです。世界の安全資産として名高い2つの通貨は、資金を守るために重要な通貨として市場参加者は高い評価をしています。世界情勢が不安定になった時はクロス円やクロススイスフランをトレードして、円やスイスフランを買いながらトレードしてみてはいかがでしょうか。

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