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2021/08/17
シストレ活用事例

山中康司のループイフダン戦略レポート(2021年8月②)

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ループイフダン「2021年8月の戦略・月中レビュー」

●移動平均で攻めるループイフダン戦略(戦略概要)

長めのポジション保有を前提に「週足終値が20週移動平均線よりも上にあるか、下にあるかでトレンドを判断」します。ダマシを回避するため「実際の売買は、2週連続で終値が上か下というフィルター」をかけます。リスク管理はこれまで同様で最大ポジション数はドル円が10(その他は5)、損切設定はあり、とします。(*下線部分は昨年11月からの変更)

使用チャートは日々の動きを明確にするため、複数時間枠表示という手法で日足チャートに週足移動平均線を重ねています。階段状になっているのはそのためで、1週間(5営業日)単位で移動平均線の値が変化していることがわかります。また、週足終値の位置を間違えないよう、日足を1週間ずつ青い四角で囲ってあります。つまり、青い四角の中の最後の日足終値が週足終値と同じです。また紫の四角で1か月を囲み、各月の値動きもわかりやすくてあります。

ポートフォリオ全体の資金管理としては、以前の戦略と同様「1か月の最大想定損失額25万円以上に到達した通貨ペアに関しては、いったん全てのポジションを仕切った上で月末まで運用見送り」というスタンスです。なお、この状態で「ポジションが無い状態での翌月のエントリーは、2週連続で終値が上か下かというトレンドが確定した週末を待つこと」としています。つまり、再エントリーの場合でもフィルターをかけます。

ポートフォリオ全体としては、証拠金の6%を超える損失(当レポートでは30万円超の損失)で、全ての利益が出ているポジションも含めて成り行き決済とし、その場合は月末まで一切ポジションを持ちません。これは、複数通貨ペアで25万円以上の損失が出ることが無いようにするためのセーフネットです。

ユーロドルは基本的戦略は同じですが、以下のように更にフィルターをかけることでエントリーの回数を減らす代わりに勝率を上げることとしました。

移動平均線の傾きもフィルターとします。つまり、移動平均線の上抜け・下抜けが2週連続で確定した時に、上抜けであれば移動平均線の傾きが上昇している、下抜けであれば移動平均線の傾きが下降しているということを追加条件とします。

つまり移動平均線と終値の位置関係、移動平均線の傾きの双方が一致していれば売買を行い、一致しない場合は売買を見送ります。状況によってはポジションを持たない期間が長期化する可能性がある戦略で、収益機会はかなり減りますが損失の機会も減るため、長い目で見れば効果が出てくると考えます。なお、今後の状況によっては見直す可能性はあります。

●ドル円

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※赤い線が移動平均線です。

8月16日までのレンジ=108.71〜110.79

8月16日時点の戦略=B50を継続

8月前半のドル円は、月初にリスクオフの動きから108円台後半の円高をトライしたものの下がったところでは買いも出て、雇用統計の強い数字を受け一転ドル買いの動きとなり110円台後半の円安を試し、これも失敗。大きくは米国のテーパリング思惑とともに上下する米金利の動きに沿った動きとなっていました。

ドル円は「B50」で継続運用しています。現時点のポジションは5単位、50,110円の含み損(平均約定レート110.267)となっていますが、上昇局面での売り直しを待っている状況です。8月前半の確定損益は20,382円の利益となっています。

●ユーロ円

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8月16日までのレンジ=128.49〜130.41

8月16日時点の戦略=S80を継続

7月のユーロ円は月初はドル円同様にリスクオフの動きによる円高、その後ドル円とユーロドルがドルとして同様の動きをしていたためもみあいを続けましたが、13日の金曜以降あらためて円買いが強まる中で、週明けの米国株下落によるリスクオフの動きからユーロ円の売りが強まる結果となりました。きっかけは中国の経済指標悪化による世界的な景気減速懸念、米国の経済指標も直近では弱めで新型コロナデルタ株、ラムダ株の感染拡大に対する警戒感が強まっています。

ユーロ円はS80で継続運用していますが、現時点のポジションは1単位、196円の含み損(平均約定レート128.677)となっていますが、下降局面での買い戻しを待っている状況です。8月前半の確定損益は15,646円の利益となっています。

●ポンド円

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8月16日までのレンジ=150.91〜153.30

8月16日時点の戦略=S100を継続

8月前半のポンド円は、基本的な動きはユーロ円と同様で月初はリスクオフの円買い、その後買い戻しが見られ、先週末からは改めて売りが強まる流れです。しかし欧州に比べて経済正常化への動きが早い英国は米国の次に引き締めに転じる可能性が高く、金融政策的に欧州とは大きく差があります。このことから買い戻しの動きも強く、売り再開の動きでも大きな下落には繋がっていません。欧州通貨のクロスであるユーロポンドを見ると明らかですが、ユーロポンドでのユーロ売りが7月後半以降目立っています。

ポンド円は「S100」で継続運用しています。現時点のポジションは1単位、2,630円の含み益(平均約定レート151.560)となっていますが、設定値幅での利食いを待っている状況です。8月前半の確定損益は19,722円の利益となっています。

●豪ドル円

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8月16日までのレンジ=79.88〜81.57

8月16日時点の戦略=S80を継続

8月前半の比較的狭い値幅の中で7月下旬からのもみあいを続けていますが、どちらかというと上値が重たい印象で81円台半ばでは売りが出て反落する動きを繰り返しています。直近の先週末から月曜にかけてのリスクオフの動きで安値圏を試し始めたことや、中国の景気減速懸念が資源国である豪州にとって悪材料となることを考えると、もみあいを下抜けするリスクがかなり高まっていると言えるでしょう。

豪ドル円は「S80」で継続運用しています。現時点のポジションは1単位、1,009円の含み益(平均約定レート80.355)となっていますが、設定値幅での利食いを待っている状況です。8月前半の確定損益は15,582円の利益となりました。

●ユーロドル

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8月16日までのレンジ=1.1705〜1.1899

8月16日時点の戦略=ポジションなし

8月前半のユーロドルは月初に前月高値を超えられず、ドル買いの動きとともに反落、先週は年初来安値まで2pipsの距離まで迫りましたがトライできず、短期筋の売りポジションが踏み上げさせられたことから買い戻しが出て、現時点では新たな材料を待って方向性を確認したいという動きです。主要国で考えるとテーパリングが近い米国、英国に対してテーパリングは相当先という欧州という位置にあり、地合いとしてはユーロの上値が重い展開が続きやすいと言えます。

ユーロドルの戦略は冒頭の戦略概要に書いた通りですが、月初のレポートにある通り次に発生するシグナルから新たにエントリーを行うため、今は様子見となっています。

●カナダ円(チャート、ゾーンのみ)

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8月16日時点の戦略=S80を継続

●スイス円(チャート、ゾーンのみ)

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8月16日時点の戦略=B80を継続(今週末の終値次第でS80に転換も)

●ランド円(チャート、ゾーンのみ)

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8月16日時点の戦略=S50を継続

●トルコリラ円(チャート、ゾーンのみ)

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8月16日時点の戦略=S50を継続

●メキシコペソ円(チャートのみ、ゾーンのみ)

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8月16日時点の戦略=B50を継続

(注)メキシコペソ円はデータ配信元の仕様でバーチャート表示となっていますが、移動平均線の計算には影響しません。

●NZドルドル(チャート、ゾーンのみ)

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8月16日時点の戦略=S80を継続

●豪ドルNZドル(チャート、ゾーンのみ)

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8月16日時点の戦略=S80を継続

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著者プロフィール
山中康司
山中康司
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析と独自のサイクル分析を融合させたトレンド分析には定評がある。ループイフダン関連書籍『マンガでわかる FXの新常識ループ・イフダンでらくらく稼ぐ』を監修。