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2021/09/02
シストレ活用事例

山中康司のループイフダン戦略レポート(2021年9月①)

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ループイフダン「2021年9月の戦略」

●移動平均で攻めるループイフダン戦略(戦略概要)

長めのポジション保有を前提に「週足終値が20週移動平均線よりも上にあるか、下にあるかでトレンドを判断」します。ダマシを回避するため「実際の売買は、2週連続で終値が上か下というフィルター」をかけます。リスク管理はこれまで同様で最大ポジション数はドル円が10(その他は5)、損切設定はあり、とします。(*下線部分は昨年11月からの変更)

使用チャートは日々の動きを明確にするため、複数時間枠表示という手法で日足チャートに週足移動平均線を重ねています。階段状になっているのはそのためで、1週間(5営業日)単位で移動平均線の値が変化していることがわかります。また、週足終値の位置を間違えないよう、日足を1週間ずつ青い四角で囲ってあります。つまり、青い四角の中の最後の日足終値が週足終値と同じです。また紫の四角で1か月を囲み、各月の値動きもわかりやすくてあります。

ポートフォリオ全体の資金管理としては、以前の戦略と同様「1か月の最大想定損失額25万円以上に到達した通貨ペアに関しては、いったん全てのポジションを仕切った上で月末まで運用見送り」というスタンスです。なお、この状態で「ポジションが無い状態での翌月のエントリーは、2週連続で終値が上か下かというトレンドが確定した週末を待つこと」としています。つまり、再エントリーの場合でもフィルターをかけます。

ポートフォリオ全体としては、証拠金の6%を超える損失(当レポートでは30万円超の損失)で、全ての利益が出ているポジションも含めて成り行き決済とし、その場合は月末まで一切ポジションを持ちません。これは、複数通貨ペアで25万円以上の損失が出ることが無いようにするためのセーフネットです。

*ユーロドルにのみ適用するフィルター

ユーロドルは基本的戦略は同じですが、以下のように更にフィルターをかけることでエントリーの回数を減らす代わりに勝率を上げることとしました。

移動平均線の傾きもフィルターとします。つまり、移動平均線の上抜け・下抜けが2週連続で確定した時に、上抜けであれば移動平均線の傾きが上昇している、下抜けであれば移動平均線の傾きが下降しているということを追加条件とします。

つまり移動平均線と終値の位置関係、移動平均線の傾きの双方が一致していれば売買を行い、一致しない場合は売買を見送ります。状況によってはポジションを持たない期間が長期化する可能性がある戦略で、収益機会はかなり減りますが損失の機会も減るため、長い目で見れば効果が出てくると考えます。なお、今後の状況によっては見直す可能性はあります。

●ドル円

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※赤い線が移動平均線です。

8月のレンジ=108.71〜110.79

9月の戦略=B50を継続

8月のドル円は、月前半こそリスクオフ、テーパリンング思惑等を材料に上下に動いていましたが、8月の月中レポート以降はジャクソンホールにおけるパウエルFRB議長の講演に注目が集まり積極的な取引が手控えられる日が続きました。その結果109円台半ばでの買いと110円台前半の売りに挟まれ冴えない値動きの日々が続きました。パウエル議長の講演内容は年内テーパリング開始を支持したものの、それ以外の内容はこれまで同様にハト派スタンスを維持していたことで、大きな動きにはつながりませんでした。

ドル円は「B50」で継続運用しています。現時点のポジションは4単位、13,176円の含み損(平均約定レート110.518)となっていますが、上昇局面での売り直しを待っている状態です。8月の確定損益は25,398円の利益となりました。

●ユーロ円

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8月のレンジ=127.92〜130.41

9月の戦略=S80を継続

8月のユーロ円は、月前半は新型コロナ変異株の世界的な感染拡大を背景に中国や米国で弱めの経済指標も出始めたことが懸念されましたが、米国株よりも日本株への売り圧力となりユーロ円での売り材料とされました。しかし後半はそうした懸念をよそに米国株が改めて史上最高値をトライする動きとなったことでリスクオフの巻き返しの動きが目立ちユーロ円も1か月かけての行って来いとなりました。

ユーロ円は「S80」で継続運用しています。現時点のポジションは2単位、19,378円の含み損(平均約定レート129.093)となっていますが、下降局面での買い戻しを待っている状態です。8月の確定損益は15,646円の利益と月中レポートから変わらずです。

●ポンド円

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8月のレンジ=149.18〜153.30

9月の戦略=S100を継続

ポンド円長期的に見ると底堅い動きから上値の重たい流れへと転じてきてはいますが、それでもユーロ円に比べるとまだ底堅いと言えます。これは欧州通貨同士の比較で英中銀のほうがECBよりも先に緩和縮小に動くであろうことや、ワクチン接種が進んだこともあって多少の感染拡大には目をつぶって経済活動正常化を優先しているといったことによるユーロポンドの動きが影響しています。またポンド円は月後半に大きめの下げが入りましたが、7月安値は維持されたことで月末に向けては買い戻しが入りました。現状はニュートラルな地合いにあると考えられ、9月の動きで次の動きが決まってきそうです。

ポンド円は「S100」で継続運用しています。現時点のポジションは2単位、27,299円の含み損(平均約定レート150.089)となっていますが、下降局面での買い戻しを待っている状況です。8月の確定損益は37,897円の利益となっています。

●豪ドル円

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8月のレンジ=1.1663〜1.1899

9月の戦略=ポジションなし

8月のユーロドルは米国FRBの緩和縮小スタンスに対して、ECBは緩和を縮小する予定が無いという見方からユーロの上値が重たい展開が続きました。ユーロドルは年初来安値を更新したことで短期的には達成感も出て月末に向けてはやや買い戻しが出ての引けとなりました。

ユーロドルの戦略は冒頭の戦略概要に書いた通りですが、次に発生するシグナルから新たにエントリーを行うため、現状は様子見が続いています。

●ユーロドル

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8月16日までのレンジ=1.1705〜1.1899

8月16日時点の戦略=ポジションなし

8月前半のユーロドルは月初に前月高値を超えられず、ドル買いの動きとともに反落、先週は年初来安値まで2pipsの距離まで迫りましたがトライできず、短期筋の売りポジションが踏み上げさせられたことから買い戻しが出て、現時点では新たな材料を待って方向性を確認したいという動きです。主要国で考えるとテーパリングが近い米国、英国に対してテーパリングは相当先という欧州という位置にあり、地合いとしてはユーロの上値が重い展開が続きやすいと言えます。

ユーロドルの戦略は冒頭の戦略概要に書いた通りですが、月初のレポートにある通り次に発生するシグナルから新たにエントリーを行うため、今は様子見となっています。

●カナダ円(チャート、ゾーンのみ)

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9月の戦略=「S80」を継続

●スイス円(チャート、ゾーンのみ)

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8月の戦略=S80に転換(8月20日終値)

●ランド円(チャート、ゾーンのみ)

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8月の戦略=S50を継続

●トルコリラ円(チャート、ゾーンのみ)

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8月の戦略=S50を継続(9月3日終値でB50へ転換の可能性大)

●メキシコペソ円(チャートのみ、ゾーンのみ)

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8月の戦略=S50に転換(8月27日終値)

(注)メキシコペソ円はデータ配信元の仕様でバーチャート表示となっていますが、移動平均線の計算には影響しません。

●NZドルドル(チャート、ゾーンのみ)

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8月の戦略=S80を継続

●豪ドルNZドル(チャート、ゾーンのみ)

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8月の戦略=S80を継続

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著者プロフィール
山中康司
山中康司
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析と独自のサイクル分析を融合させたトレンド分析には定評がある。ループイフダン関連書籍『マンガでわかる FXの新常識ループ・イフダンでらくらく稼ぐ』を監修。