山中康司のループイフダン戦略レポート(2021年7月②)
ループイフダン「2021年7月の戦略・月中レビュー」
●移動平均で攻めるループイフダン戦略(戦略概要)
長めのポジション保有を前提に「週足終値が20週移動平均線よりも上にあるか、下にあるかでトレンドを判断」します。ダマシを回避するため「実際の売買は、2週連続で終値が上か下というフィルター」をかけます。リスク管理はこれまで同様で最大ポジション数はドル円が10(その他は5)、損切設定はあり、とします。(*下線部分は昨年11月からの変更)
使用チャートは日々の動きを明確にするため、複数時間枠表示という手法で日足チャートに週足移動平均線を重ねています。階段状になっているのはそのためで、1週間(5営業日)単位で移動平均線の値が変化していることがわかります。また、週足終値の位置を間違えないよう、日足を1週間ずつ青い四角で囲ってあります。つまり、青い四角の中の最後の日足終値が週足終値と同じです。また紫の四角で1か月を囲み、各月の値動きもわかりやすくてあります。
ポートフォリオ全体の資金管理としては、以前の戦略と同様「1か月の最大想定損失額25万円以上に到達した通貨ペアに関しては、いったん全てのポジションを仕切った上で月末まで運用見送り」というスタンスです。なお、この状態で「ポジションが無い状態での翌月のエントリーは、2週連続で終値が上か下かというトレンドが確定した週末を待つこと」としています。つまり、再エントリーの場合でもフィルターをかけます。
ポートフォリオ全体としては、証拠金の6%を超える損失(当レポートでは30万円超の損失)で、全ての利益が出ているポジションも含めて成り行き決済とし、その場合は月末まで一切ポジションを持ちません。これは、複数通貨ペアで25万円以上の損失が出ることが無いようにするためのセーフネットです。
●ドル円
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※赤い線が移動平均線です。
7月15日までのレンジ=109.52〜111.65
7月15日時点の戦略=B50を継続
7月前半のドル円は、7月2日に111.65レベルと年初来高値を更新しましたが、コロナショック後の高値111.71レベルを超えられず、ドル買いで仕掛けていた向きが投げさせられたこと、またその後の日経平均株価下落に伴うリスクオフによる円買いに、米金利低下に引っ張られたドル売りの動きも重なって110円の大台をあっさりと割り込む展開となりました。その後110円台半ばまで買い戻しも見られましたが、パウエルFRB議長の議会証言がハト派だったことから改めて米金利低下とドル売りの動きとなっています。
ドル円は「B50」で継続運用しています。現時点のポジションは4単位、30,644円の含み損(平均約定レート110.518)となっていますが、上昇局面での売り直しを待っている状況です。7月前半の確定損益は10,449円の利益となっています。
●ユーロ円
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7月15日までのレンジ=129.62〜132.42
7月15日時点の戦略=B80を継続(16日終値が移動平均線より下の場合S80に転換)
7月のユーロ円はドル円、ユーロドルともに下げたことから月初から下げが強まる展開となりました。ドル円だけでなくユーロ円も株安の動きによるリスクオフの円買いが入りましたが、ECBによる政策点検でインフレ目標が2%未満から2%へと見直され、一時的な上振れも容認する動きからユーロ売りも重なったことで6月安値を一時的に割り込む動きとなりました。
ユーロ円はB80で継続運用していますが、現時点のポジションは4単位、72,632円の含み損(平均約定レート131.735)となっていますが、上昇局面での利食いを待っている状況です。7月前半の確定損益は損切設定に引っかかった注文もあり27,333円の損失となっています。
●ポンド円
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7月15日までのレンジ=150.66〜154.06
7月15日時点の戦略=B100を継続
7月前半のポンド円は、月初はドル円や他のクロス円と同じく株安によるリスクオフに引っ張られての円高が目立ちましたが、その後はすぐに戻しユーロ円や豪ドル円に比べるとまだ底堅さを維持している感じがします。これは英中銀に関してはECBほど緩和状態が継続すると考える参加者が少なく、米国の次は英国が動くというこれまでの金融政策の転換に対する思惑が改めて浮上しているという面が強かったと言えます。
ポンド円は「B100」で継続運用しています。現時点のポジションは4単位、64,904円の含み損(平均約定レート153.620)となっていますが、上昇局面での利食いを待っている状況です。7月前半の確定損益は20,046円の利益となっています。
●豪ドル円
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7月15日までのレンジ=84.30〜85.19
7月15日時点の戦略=S80に転換(7月12日)
7月前半の豪ドル円は他のクロス円と同様ですが月初から株安によるリスクオフの円買いが強まり6月安値だけでなく3月安値も下回る流れとなりました。オーストラリアではシドニーで新型コロナ感染者の拡大が続き、ロックダウンが延長される方向となっていたこと(その後、ロックダウンの2週間延長が決定)も嫌気されていたようです。
豪ドル円は「B80」で継続運用していましたが、7月9日終値で2週連続で移動平均線を下回ったため、週明け12日にS80に転換しました。現時点のポジションは1単位、6,244円の含み益(平均約定レート82.506)となっていますが、設定値幅での買い直しを待っている状況です。6月前半の確定損益はポジション転換により58,845円の損失となりました。
●ユーロドル
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7月15日までのレンジ=1.1771〜1.2253
7月15日時点の戦略=ポジションなし
7月前半のユーロドルは月初に前月安値を下回ったことから売りが先行しました。その後もECBによる政策点検が行われることから、全般に取引は手控えられる傾向が強かったように思えます。政策点検ではユーロ円の項に書いた通りですが、インフレ目標が変更されたことで、テーパリング時期が後退するという見方が広がりました。フォワードガイダンスの見直しは行われず、来週22日のECB理事会で協議されることとなっています。
ユーロドルは月初のレポートで書いた通り、月間損益のパフォーマンスが悪く8月から運用方針に見直しを加えた上で運用を再開する予定です。そのため7月中はポジションは持たず、損益の円貨もありません。
上記の通りで、月末時点でユーロドルのポジションはありません。全てのポジションを決済したことで、101,305円の損失となりましたが、想定範囲内の損失に収まっています。ただ、他の通貨ペアが順調な運用を続ける中でユーロドルが足を引っ張っていることから、ユーロドルは運用方針を見直す必要があります。7月は運用方針見直しの検証にあて、8月から改めて新方針で運用再開したいと思います。
●カナダ円(チャート、ゾーンのみ)
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7月15日時点の戦略=B80を継続
●スイス円(チャート、ゾーンのみ)
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7月15日時点の戦略=B80を継続
●ランド円(チャート、ゾーンのみ)
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7月15日時点の戦略=B50を継続
●トルコリラ円(チャート、ゾーンのみ)
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7月15日時点の戦略=S50を継続
●メキシコペソ円(チャートのみ、ゾーンのみ)
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7月15日時点の戦略=B50を継続
(注)メキシコペソ円はデータ配信元の仕様でバーチャート表示となっていますが、移動平均線の計算には影響しません。
●NZドルドル(チャート、ゾーンのみ)
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7月15日時点の戦略=S80を継続
●豪ドルNZドル(チャート、ゾーンのみ)
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7月15日時点の戦略=S80を継続
【本レポートに関するご注意】
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