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需要と供給を理解することが、相場の値動きを判断する一番の近道です!【鹿子木健】
投資家はよく、相場が動く要因を追い求めます。相場の動きを読めないと利益を稼げないので当然だと思います。しかし、何らかのイベントが相場を動かすと思っている投資家は多いです。
イベントが相場に直接影響を与えるわけではありません。相場を動かす根本要因は「需要と供給」です。欲しいと思う人が多ければ価格が上がりますし、いらないと思う人が多ければ価格は下がります。
今回は、需要と供給がどのように相場に影響を与えるのかを解説します。
1.相場は買いたい人が多ければ下落し、売る人が多ければ上昇する
相場が動くイメージとして、「多くの人が買うと価格が上昇し、多くの人が売れば価格が下落する」と考えている人は多いでしょう。でも、これは正確ではありません。
実は相場は、「多くの人が買ってしまうと価格は下落し、多くの人が売ってしまうと価格は上昇する」のです。
皆さんのイメージとは正反対なので、疑問に思うでしょう。この理由は、相場が需要と供給で成り立っているからです。
外国為替市場も同じです。通貨の動きを見るには、需要と供給がどのようになっているのかを考えるのが一番大切なのです。
次は需要と供給について見ていきます。
2.価格における需要と供給の影響とは?
需要とは「欲しがっている人」です。FXなら「ドルやユーロなどの通貨を買いたがっている人」になります。
ちなみに、すでに持っている人は需要に入りません。これから買いたい人、もしくはすでに持っているけどもっと買いたい人が需要に入ります。
この需要が大きいほど価格が上昇します。なぜなら、これから買うからです。すでに買いポジションを持っていてもう買わない人は、価格の上昇要因にはなりません。
つまり、買いポジションが多いから価格が上昇するのではなく、これから買う人が多いから価格が上昇するという理屈です。
一方の供給も見ていきましょう。供給とは「市場に提供する」ことです。FXなら「ドルやユーロなどの通貨を売りたがっている人」になります。
供給も需要と同じで、これから売りたい人が供給に入ります。すでに売りポジションを持っていて、これ以上は売らない人やすでにポジションを売った人は価格の下落要因にはなりません。
つまり、何らかの要因で、これから買いたい人が増えれば価格は上昇し、これから売りたい人が増えれば相場は下落します。
何らかの要因は、金利動向、経済指標の良し悪し、地政学リスク、災害などさまざまです。ただし、前回の「ある出来事が相場を動かすのではなく、出来事が及ぼす人間の心理が相場を動かします」でも説明しましたが、イベントが相場を直接動かすわけではありません。
例えば、Aという国で戦争が起きたとします。A国で戦争が起きた→戦争によってA国の経済は悪化するかもしれないし、もしかしたら近隣のB国も影響を受けるかもしれない→市場参加者の不安や恐怖が大きくなる→A国やB国の通貨を売りたいという「供給」が増える→A国やB国の通貨が下落するという図式で相場は動きます。
イベントが起きたことで市場参加者の心理が動き、それによる需要と供給の変化によって、相場が動くことは念頭に置いておきましょう。
3.必ず反対売買が起こる点に注目
FXは「ある通貨を売って、ある通貨を買う」という仕組みです。最初の売買をしたら、反対売買をしないと取引は完結しません。
買いポジションを持っている人はどこかで必ず売りを、売りポジションを持っている人はどこかで必ず買いをしないといけないのです。
つまり、買いポジションが多い相場は将来的に下落する可能性が高く、売りポジションが多い相場は将来的に上昇する可能性が高いと判断できます。
保有中のポジションは需要ではなく、将来の供給要因になるということも覚えておきましょう。
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