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米ドル円の注目トピック・為替動向の見通しを徹底解説【お金マン】
新型コロナウィルスの感染拡大が発覚してから早1年以上が経過しました。
2021年も、残すところ約3ヶ月となります。
このタイミングで、2021年の米ドル相場について振り返るとともに、年末にかけてどのように米ドル為替相場が推移していく見通しなのか、戦略を考えることは有意義です。
今回の記事では、2021年1月〜7月までの米ドル相場の動向と、年末までの相場見通しを解説していきます。
1.2021年7月までの米ドル為替動向について
2021年の年明けから7月にかけて、下記のチャートのように推移してきました。
2021年の年明けは1ドル=103円台の水準からスタートしました米ドル為替ですが、その後は2021年の7月時点で1ドル=110円台後半にまで進むほどの円安ドル高基調で推移しています。
8月に入ってから少し横ばい相場になっていますが、円安方向への上昇トレンドラインは崩れておらず、2021年は上昇トレンドで推移しています。
2020年の秋から冬にかけて、新型コロナウィルス対策のワクチン接種が世界中で実施されたことから新型コロナウィルスの終息への期待感が高まり、リスクオン相場になっている状況と言えます。
市場心理としては、新型コロナウィルスの拡大によりダメージを受けた経済活動が、ワクチン接種の広がりと共に復興していき、経済が拡大していくであろう、と前向きに受け止める投資家が増えてきています。
2.米ドル相場を見るにあたっての今後の注目トピック
2021年末にかけて米ドル円相場を予測するにあたって、注目すべきトピックはどのようなものになるでしょうか?
以下のトピックは、ドル円相場の動向を見ていく中で非常に大切になりますので、関連ニュースには注目するようにしましょう。
- 金融政策正常化に向けた動向
- バイデン政権の経済政策
- ドイツの政局、ユーロ圏の結束
それぞれ具体的に見ていきます。
金融政策正常化に向けた動向
注目すべき1つ目のポイントは、金融政策の正常化です。
金融政策は為替相場にダイレクトに影響をもたらすため、市場関係者から最も注目されています。
そのため、金融政策の動向については必ずチェックするようにしましょう。
特にアメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)とFRBでの議題は相場を大きく動かす要因になりますので、必ず抑えるようにしましょう。
金融政策において最近注目されている話題が、「テーパリング」です。
テーパリングとは、金融緩和からの出口戦略のことを指します。
金融緩和において、中央銀行は市中に大量のマネーを供給するために、国債や株式などの資産を大量に購入しますが、テーパリングにおいては、このような資産買い入れをする量・資金供給量を徐々に先細りさせるように減少させていくことを指します。
そして、「テーパリングの開始時期がいつになるのか」という観点が、市場関係者にとって注目の話題になっています。
前回のテーパリングは2014年1月〜10月にかけて行われました。
その際の米ドル円の値動きが下記のチャートです。
テーパリングをすることによって、これまで金融緩和によるリスクオン相場であったのが、金融緩和を縮小させるためリスク回避の姿勢が強まる傾向にあります。
1月においてテーパリングが開始されて以降は、横ばい気味ながらも円高方向にシフトしており、リスク回避の傾向が見られておりました。
今後のテーパリングにおいても、2014年の際の値動きを頭に入れておくようにしましょう。
2021年6月のFOMCにおいて、利上げのタイミングを当初予定であった2024年から2023年することを発表しており、テーパリングに関する議論も開始しつつある、というコメントを残しています。
早ければ9月以降にテーパリングが開始する可能性がありますので、FOMCの会合結果についてのニュースは注目するようにしましょう。
バイデン政権の経済政策
注目すべき2つ目のポイントは、バイデン政権下における経済政策です。
バイデン氏は総額4兆ドル規模の経済政策を2022年度の予算案に盛り込んで実現に動いていきたいと考えています。
2020年に当選したバイデン氏は、経済政策において主に下記の3つの公約を掲げております。
- 大規模な財政出動により、特にコロナ禍により失業した方や給与が下がった方への経済支援
- インフラ投資により国内雇用の創出
- 富裕層や企業への増税、中間層への還元を図る
インフラ投資については、21年8月10日にアメリカ議会上院にて5年間で総額1兆ドル(日本円換算約110兆円)規模を拠出するインフラ投資計画法案が可決されました。
これにより、アメリカ国内での雇用創出、経済復興への期待感が高まり、アメリカ経済およびドル高方向への期待感は高まっています。
一方で、これから審議される下院においては、上院で通過した法案だけでは不十分だ、という意見も出ており、下院での法案可決への見通しは立っていない状況です。
これから年末にかけて、バイデン氏が掲げる経済政策についての方針が話し合われるため、経済政策のニュースには注目するようにしましょう。
ドイツの政局、ユーロ圏の結束
注目すべき3つ目のポイントは、ドイツの政局について、およびユーロ圏の結束についてです。
9月26日にドイツにおいて総選挙が予定されていますが、メルケル首相率いる現政権のCDUキリスト教民主同盟/CSU(キリスト教社会同盟)の支持率が低迷しており、第2位につける緑の党や他の政党に政権を奪われるのではないか、という懸念が生まれています。
ユーロ圏においてはドイツの求心力が非常に高く、ドイツの政情の乱れはユーロ圏の結束の乱れに直結するのでは、という懸念があります。
2020年の7月に合意された欧州復興基金は、今年の7月にようやくEU内12か国への資金拠出を認めたばかりです。
政局不安によりユーロ圏の結束に乱れが生じれば、資金拠出にも乱れが生じる可能性があり、経済的に悪影響をもたらす可能性があります。
その結果、市場全体がリスクオフに転じれば、円高ドル安にトレンドが切り替わり、為替相場にも大きな影響がもたらされます。
このように、ドイツの政局も今後の焦点になりうるため、関連ニュースは注目するようにしましょう。
3.2021年末に向けたシナリオ
テーパリング、バイデン氏の経済政策の動き、ドイツの政局動向が今後の着目すべきニュースです。
それらを踏まえた上で今後の米ドル円の相場見通しをお伝えすると、2021年末までにおいて105円〜115円のレンジの中で推移すると筆者は予想します。
今後も、中長期的に見た米ドル円相場は上昇トレンドになる可能性が高いです。
今後テーパリングによって金融緩和の縮小が行われ、後に利上げも控えているため、日米金利差の拡大により、ドル高・円安要因が強いと言えます。
それを下支えするように、アメリカの経済回復への期待感が高まっています。
20年にコロナウィルスの拡大により経済に多大な損失が生まれましたが、そのダメージも今年中にはある程度カバーできる、という見通しとなっております。
その状況に加えてバイデン氏が進行させようとしている経済政策により、新たな雇用が創出されていくと、より経済効果が見込まれます。 ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ??
一方で、高値を追う展開になるのかと言うと、年末までにそれは考えにくいです。
というのも、
- 今年中のテーパリングの開始
- ドイツの政局不安
が上値を抑える可能性があるからです。
テーパリングが今年中に開始される可能性があることは前章でお伝えしましたが、テーパリングが実際に行われると、円高・ドル安要因となります。
また、ドイツの政局が不安定となり、ユーロ圏内の方向性が不透明になると、市場心理がリスク回避に傾く可能性があります。
これらの理由から、急速な円安や、上値を試していく展開になる可能性は低く、一定の価格帯の中でレンジ相場が形成される見込みが高いです。
4.まとめ
今回の記事では、2021年1月〜7月の相場動向について振り返り、2021年12月末までの相場の見通しについて解説していきました。
中でも、
- 金融政策の方向性 テーパリングについて
- バイデン氏の経済政策
- ドイツの政局
については注視が必要です。
これらの動向に応じて、今後の米ドル円相場の見通しが変わる可能性があります。
今回の記事を読んで、今後の米ドル円相場の方向性を適切に理解し、是非トレードに活かしてみてください。
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