山中康司のループイフダン戦略レポート(2019年1月号②)
ループイフダン「2019年1月後半の戦略」
●取引時間帯ダイバージェンス
?1月2日に1月の戦略を立てましたが、翌3日のドル円乱高下によって多くの通貨ペアで運用STOPという異例の経過となりました。その後の値動きと「ドル円における3日の特徴的な現象」を考えて、1月は月中の経過観察ではなく、1月後半の戦略として改めて攻めの姿勢で行きたいと思います。
?まず、ドル円における3日の特徴的な現象についての説明から入ります。
?FX市場は24時間取引ですから前日NY終値=当日始値となり、取引所取引のように閉まっているという時間が存在しません。しかし、日経平均株価でも現物市場が閉まった15時以降には先物市場が存在し、シカゴマーカンタイル取引所の日経平均先物は23時間の取引が行われ、私も現物(東京9時〜15時)と先物(冬時間では東京8時〜NY終値)との2つのチャートを比較検討しています。
?ところがドル円のチャートでも24時間のチャートではない一定の取引時間帯に限定したチャートを使用しているトレーダーが少なからず存在します。それは東京9時を始値としてNY終値までの冬時間であれば22時間、夏時間であれば21時間のチャートです。ここで東京9時の意味ですが、東証が9時から始まるように1980年代半ばまでの東京外国為替市場では、24時間取引ではあったものの東京公式始値というレートが日銀から公表されていました。この公式始値が東京9時であったため、80年代にインターバンクディーラーだった個人投資家はかなりの数、この東京9時始値チャートを使っています。
?すると、今回の場合どうなるかですが、3日安値は24時間チャートでは瞬間104円台となりますが、東京9時始値チャートでは106.75レベルと2円近い差が出ています。そして、この差が重要で、東京9時前に見た安値(あるいは高値)は、日を改めて東京9時以降に見に行く可能性が高いのです。これを私は取引時間ダイバージェンスと呼び重視しています。
?より具体的には、急落前の109円台は売り、そして105円割れを待つというスタンスは最終的に勝つ可能性が高いと考えています。この戦略を1月後半は利用して、基本的にドル円とクロス円は戻り売りの「Sタイプ」で取引を再開することとしました。通常の戦略とは異なり、リスクを抑えるため買い転換が無い点はご留意ください。また、マイナー通貨ペアの月後半はチャートとおすすめ戦略の掲載となります。
●ドル円
1月前半のレンジ=104.90〜109.73
?1月後半のメインゾーン(黄色)としてS2〜Pの間を「S25」で運用します。
?ドル安が進み106.86(S2)に到達した場合、いったん売りポジションを全て利食い、月末までポジションは持ちません。思惑に反して111.05(P*)以上のドル高となった場合には運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。
?当レポートでは1万通貨を「S25」、最大ポジション数10で108.043から運用再開しました。なお、ここまでの確定損益は19,736円の利益です。
●ユーロ円
1月前半のレンジ=119.06〜125.57
?1月後半のメインゾーン(黄色)としてS2〜Pの間を「S40」で運用します。
?ユーロ安が進み122.90(S2)に到達した場合、いったん売りポジションを全て利食い、月末までポジションは持ちません。思惑に反して126.75(P)以上のユーロ高となった場合には運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。
?当レポートでは1万通貨を「S40」、最大ポジション数9で124.020から運用再開しました。これは、運用STOP時点でのポジションが1単位残っているためです。なお、1単位の売りポジションは27,352円の含み損となっていますが、下降局面での買い戻しを待っている状態となっています。またここまでの確定損益は-28,520円の損失です。
●ポンド円
1月前半のレンジ=133.13〜139.58
1月後半のメインゾーン(黄色)としてS2〜Pの間を「S50」で運用します。
ポンド安が進み135.59(S2)に到達した場合、いったん売りポジションを全て利食い、月末までポジションは持ちません。思惑に反して141.59(P)以上のポンド高となった場合には運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。
当レポートでは「S50」を1万通貨単位、最大ポジション数10で138.830から運用再開しました。なお、ここまでの確定損益は-227,193円の損失です。
●豪ドル円
1月前半のレンジ=70.68〜78.35
?1月後半のメインゾーン(黄色)としてS2〜Pの間を「S20」で運用します。
?豪ドル安が進み72.70(S2)に到達した場合、いったん売りポジションを全て利食い、月末までポジションは持ちません。思惑に反して79.43(P)以上の豪ドル高となった場合には運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。
?当レポートでは「S20」を1万通貨単位、最大ポジション数10で77.628から運用開始しました。なお、ここまでの確定損益は12,955円の利益です。
●ユーロドル
1月前半のレンジ=1.1310〜1.1570
?EUR/USDは円が絡んでいなかったことから、買い転換その後の運用STOPと唯一当初のシナリオ通りに進めることが出来ました。執筆時点ではポジションが無い状態でので、新たに1月後半の戦略として、メインゾーン(黄色)としてP〜R2の間を「B40」で運用します。
?ユーロ高が進行し1.1616(R2)に到達した場合、買いポジションを全て利食い月末までポジションは持ちません。思惑に反して1.1400(P)以上のユーロ安となった場合、月末まで既存ポジションのみの運用とします。
?当レポートでは1万通貨を「S40」、最大ポジション数10で1.14641から運用再開しました。なお、ここまでの確定損益は21,469円の利益です。
●スイス円(チャートのみ)
1月後半のおすすめ戦略=S2〜Pの間を「S40」で運用
●ランド円(チャートのみ)
1月後半のおすすめ戦略=当初戦略通り
●トルコリラ円(チャートのみ)
1月後半のおすすめ戦略=運用せず
●メキシコペソ円(チャートのみ)
1月後半のおすすめ戦略=P〜R2の間を「S50」で運用
●NZドル米ドル(チャートのみ)
1月後半のおすすめ戦略=当初戦略通り
●豪ドルNZドル(チャートのみ)
1月後半のおすすめ戦略=当初戦略通り
【参考】
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