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2018/12/17
シストレ活用事例

山中康司のループイフダン戦略レポート(2018年12月号②)

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ループイフダン「2018年12月の戦略」月中レビュー

12月1日に示した各通貨ペアの戦略と現時点における状況を見ていきます。

?説明中に出て来る各レートは、斜線部分の「黄緑のライン」のレートとその上下の「ピンクのライン」のレートです。ピボット「緑点線のライン」(P)を中心に、上側の黄緑のラインを(R1)、上側のピンクのラインを(R2)と示し、下側の黄緑のラインを(S1)、下側のピンクのラインを(S2)と示しています。

また、それぞれの月においてS2以下がゾーン1、S2〜S1がゾーン2、S1〜Pがゾーン3、P〜R1がゾーン4、R1〜R2がゾーン5、R2以上がゾーン6を示しています。

(詳細は『確率を味方につけるループイフダン戦略』をご参照ください。)



●ドル円

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12月15日までのレンジ=112.24〜113.82

?12月前半は株価のリスクオフと欧州の政治的な懸念から来るユーロ売り・ドル買いの動きと双方の材料に挟まれドル円は方向感のはっきりしない展開が続きました。10月高値からは高値を切り下げ、同じく10月安値からは安値を切り上げと、チャート的には三角もちあいを形成中でどちらかに明確に抜けるまでは方向感が出にくい地合いと言えます。

?12月の戦略は逆張りのSタイプを考え「S25」で1万通貨単位、最大ポジション数10で運用を開始しましたが、月初の下げでS1(112.40)に到達したため「B25」に買い転換しました。さらにその後にP(113.35)にも到達したため、すべてのポジションを決済し月前半で今月の取引が終了しています。結果としてここまでの確定損益は20,656円の利益となりました。以下に説明する取引が発生しない場合は、この金額が確定利益となります。

?月前半で取引が終了し、更にもみあいが期待できるケースではS1もしくはR1に到達した場合、当初の半分(最大ポジション数5)で月末まで運用することも収益の積み増しに有効であろうという考え方を、以前豪ドル円で同様のパターンとなった時に説明したことがあります。そこでS1(112.40)かR1(114.30)に到達した場合に、再度取引を再開する予定とします。



●ユーロ円

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12月15日までのレンジ=127.62〜129.25

?12月前半もユーロ円は横方向への動きを継続しまったく方向感が出ていません。この状況は11月中旬以降からずっとですが、ドル円とユーロドルとがドルでの動きとなっている場合に、双方で吸収しあって短期的な動きは見られても長期的には中立もみあいとなってしまうという典型的な例と言えます。ただ、大きなイベントがある以上いつユーロに動きが出てもおかしくありませんので、逆に注意は必要でしょう。

?12月の戦略は逆張りの「S40」で1万通貨単位、最大ポジション数10で運用開始しています。チャートを見ても分かる通りで戦略を見直す各水準には到達しておらず、現時点でのポジションは2単位、6,586円の含み損となっていますが下降局面での買い戻しを待っている状態となっています。またここまでの確定損益は35,372円の利益となっています。



●ポンド円

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12月15日までのレンジ=141.18〜145.52

?12月前半のポンド円は、ブレグジット案採決に対して否決されハードブレグジットとなる可能性が高そうだとの懸念から月初から売りが進行しました。採決を前にメイ首相の不信任案採決が行われ不信任案は否決されたこと、またブレグジット案の採決自体も最長で来年の1月21日まで延期されることとなったため、短期的にポンド売りポジションの調整も入り、やや戻して月後半への折り返しです。

?12月の戦略は逆張りの「B50」で1万通貨単位、最大ポジション数10で運用開始していましたが、思惑に反して143.35(S1)以下のポンド安となったため、運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用としています。現時点でのポジションは4単位、61,043円の含み損となっていますが上昇局面での売り直しを待っている状態となっています。またここまでの確定損益は55,318円の利益です。



●豪ドル円

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12月15日までのレンジ=80.73〜83.90

?11月前半の豪ドルは月初に窓を開けて始まるという過去のスタディに無いパターンで始まってしまいました。そこで窓開けのギャップアップの場合、テクニカルにはトレンドが継続するという教科書的な判断から順張りの買いを想定してみるということは月初のレポートに書いた通りですが、その後の動きは見事に期待を裏切る値動きとなっています。例が少ないためにチャートパターン的な判断をしてみましたが、月間ベースだと例が無いだけに統計的にどのように取引するべきかが言えません。他の時間軸で窓開けパターンについてどうなのかを研究する余地はありそうです。

?12月の戦略は、実験的に順張りと考え「B20」での運用としてみました。しかし上記の通りで思惑に反してP(82.03)まで下落したため、運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用としています。現時点でのポジションは4単位、38,696円の含み損となっていますが上昇局面での売り直しを待っている状態となっています。またここまでの確定損益は66,170円の損失となっています。



●ユーロドル

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12月15日までのレンジ=1.1270〜1.1443

?12月前半のユーロドルは材料が豊富な割には動きが出ませんでした。英国、イタリア、さらにはフランスと政治面での混乱は明らかにユーロにとっては悪材料なのですが、12月は株式市場でのリスクオフや米金利のイールドカーブフラットニングから米国の景気鈍化懸念もあり、ユーロ売りの圧力を吸収していたとも考えられます。しかし、依然としてユーロの悪材料が目立ち油断はできない状態です。

?12月の戦略は逆張りのSタイプを考え「S40」で1万通貨単位、最大ポジション数10で運用を開始しました。材料の割には動きが鈍く戦略を見直す各水準には到達しておらず、現時点でのポジションは2単位、6,586円の含み損となっていますが下降局面での買い戻しを待っている状態となっています。またここまでの確定損益は35,372円の利益となっています。

?始値の水準がS1に近かったことから戦略転換がS2となっていることもあり、現時点では戦略自体に変更はなく、トレンドの継続を考えての「売り」の順張り戦略を継続しています。ポジションは3単位、11,779円の含み損となっていますが上昇局面での売り直しを待っている状態となっています。またここまでの確定損益は24,561円の利益となっています。



【参考】

フィボナッチ・ピボットをもっと詳しく

◆山中康司の確率を味方につけるループイフダン戦略とは?

ピボットをもっと詳しく

◆テクニカル解説集 ピボット|アイネット証券



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著者プロフィール
山中康司
山中康司
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析と独自のサイクル分析を融合させたトレンド分析には定評がある。ループイフダン関連書籍『マンガでわかる FXの新常識ループ・イフダンでらくらく稼ぐ』を監修。