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2018/10/01
シストレ活用事例

山中康司のループイフダン戦略レポート(2018年10月号①)

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ループイフダン「2018年10月の戦略」

説明中に出て来る各レートは、斜線部分の「黄緑のライン」のレートとその上下の「ピンクのライン」のレートです。ピボット「緑点線のライン」(P)を中心に、上側の黄緑のラインを(R1)、上側のピンクのラインを(R2)と示し、下側の黄緑のラインを(S1)、下側のピンクのラインを(S2)と示しています。レートが見難い位置もありますが、すべて等間隔となっていますので簡単に計算できると思います。

また、それぞれの月においてS2以下がゾーン1、S2〜S1がゾーン2、S1〜Pがゾーン3、P〜R1がゾーン4、R1〜R2がゾーン5、R2以上がゾーン6を示しています。

(詳細は『確率を味方につけるループイフダン戦略』をご参照ください。)



●ドル円

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9月のレンジ=始値111.09、高値113.71、安値110.38、終値113.68

?9月は月初に若干の押しを挟んだ程度で一貫して円安の動きとなりました。最大の理由は株価上昇によるリスクオンの円売りですが、日経平均株価は年初来高値を超え、1991年以来の水準にまで高値を切り上げました。また予想通りとはいえFOMCにおける利上げで日米金利差が拡大したこと、日米通商会議と日米首脳会談において日本の自動車関税が当面は回避され、米国側から強い要求が出なかったことも月末に向けてドル買いの安心感を拡大したと考えられます。

?9月は売り戦略で「S25」でスタートしたものの、18日にR1まで到達したことで既存のポジションのみで運用停止としました。さらに、その後ドル一段高となりR2をも超えることとなりました。10月の戦略の方向性が異なるため、既存の4単位のポジションは1日始値ですべて決済しました。この4単位の損切も含めた9月の確定損益は161,883円の損失となっています。今月は運用停止時点での7単位のうち、既存のポジション以外の3単位も損切設定(2.5円)での決済となりました。

?ゾーンの組み合わせ(黄色)=9月終値ゾーン6、10月始値ゾーン4

?6で引けて4で始まるパターンは、トレンド継続を考えた押し目「買い」の順張り戦略がメインシナリオです。タイプとしては「Bタイプ」、10月は「B25」がおすすめ戦略となります。

?ドル高が進み115.92(R2)に到達した場合(R1が近いためR2を使用)、いったん買いポジションを全て利食い、月末まで「S25」に売り転換することとします。ただし、その場合は114.25(R1)まで押したら売りポジションを全て利食い月末までポジションは持ちません。思惑に反して112.59(P)以下のドル安となった場合(S1が遠いためPを使用)には運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。また売り転換した後に117.59(R3)以上のドル高となった場合(見えませんが、R1〜R2の値幅と同じ)も、運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。

?当レポートでは1万通貨を113.915から「B25」、最大ポジション数10で開始しています。



●ユーロ円

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9月のレンジ=始値128.79、高値133.13、安値127.87、終値131.90

?ユーロ円もそうですが、今月のクロス円はほぼ株高によるリスクオン相場が円安をリードした値動きとなりました。ユーロに関しては、買い材料として欧州経済が好調なこと、それに沿ってドラギ総裁が強気な発言をしたことがあげられ、売り材料としてはブレグジットに関して不透明感が拭い去れないこと、イタリアの予算案に対する懸念等があげられますが、どれもリスクオンの動きに比べると小さかったと言えます。

?ユーロ円は「S25」でスタートしましたが、18日にR1に到達したことで既存ポジションのみを維持して運用STOPとなりました。10月スタート時点で6単位が残っていますが、10月の戦略も同じくSタイプとなるため、このポジションはそのまま継続保有することとします。現時点でこのポジションの含み損は114,541円となっていますが、下降局面での買戻しを待っている状況です。それ以外の9月の確定損益は69,000円の損失となっています。ユーロ円も一貫した上昇局面で損切設定での決済が影響しました。

?ゾーンの組み合わせ(黄色)=9月終値ゾーン5、10月始値ゾーン4

?5で引けて4で始まるパターンは、もみあいを想定した戻り「売り」の逆張り戦略がメインシナリオです。タイプとしては「Sタイプ」、10月も「S40」がおすすめ戦略となります。スタート時点で6単位のポジションが残っていますので、10月は新規運用の最大ポジション数を5単位として「S40」で運用開始します。

?ユーロ安が進行し128.33(S1)に到達した場合、売りポジションを全て利食い月末まで「B40」に買い転換します。ただし、その場合は130.96(P)まで戻したら買いポジションを全て利食い月末までポジションは持ちません。思惑に反して133.59R1)以上のユーロ高となった場合、また買い転換した後に125.70(S2)以下のユーロ安となった場合には、運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。

?当レポートでは1万通貨を132.026から「S40」、新規の最大ポジション数5で開始しています。



●ポンド円

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9月のレンジ=始値143.40、高値149.72、安値142.60、終値148.11

?9月のポンド円は基本的にユーロ円と同様の値動きを見せました。材料的には英国メイ首相も含めハードブレグジットでも仕方ないとする強硬派の意見がEU側とぶつかり、一段と協議の先行きに不透明感を与える結果となりましたが、ポンドの悪材料以上にリスクオンによる円安効果が大きく、一時150円の大台目前まで水準を切り上げることとなりました。

?9月は「B50」で運用開始しましたが、17日にR1に到達したことで買いポジションをすべて利食い「S50」へと転換しています。10月スタート時点で3単位のポジションが残っていますが、10月の戦略がSタイプとなるため、このまま9月に転換したポジションを継続運用することとします。3単位のポジションは現時点で23,677円の含み損となっていますが、下降局面での買い戻しを待っている状態です。また9月の確定損益は、138,501円の利益となっています。

?ゾーンの組み合わせ(黄色)=9月終値ゾーン5、10月始値ゾーン4

?5で引けて4で始まるパターンは、もみあいを想定した戻り「売り」の逆張り戦略がメインシナリオです。タイプとしては「Sタイプ」、10月は「S50」がおすすめ戦略となります。

?ポンド安が進行し143.25(S1)に到達した場合、売りポジションを全て利食い月末まで「B50」に買い転換します。ただし、その場合は146.81(P)まで戻したら買いポジションを全て利食い月末までポジションは持ちません。思惑に反して150.37(R1)以上のポンド高となった場合、また買い転換した後に139.69(S2)以下のポンド安となった場合には、運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。

?当レポートでは1万通貨を「B50」、最大ポジション数10で9月から継続運用しています。



●豪ドル円

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9月のレンジ=始値79.89、高値82.51、安値78.69、終値82.10

?9月はほかの通貨ペアの繰り返しになりますが、クロス円全般のリスクオンの動きから円安が進行する結果となりました。豪ドル円は月初こそ前月安値を割り込んで売りが強まるかと思われましたが、その後は円安に引っ張られて前月の高値圏に近づいての引けとなっています。

?9月はBタイプを考え「B20」で運用開始しましたが、ポジションを変化させる水準には到達しませんでしたので、月末までそのまま運用を継続しました。10月の戦略がSタイプへと転換しましたので、既存の2単位のポジションは月初の始値水準で仕切りました。この仕切りも含めて9月の確定損益は25,661円の利益となっています。

?ゾーンの組み合わせ(黄色)=9月終値ゾーン4、10月始値ゾーン4

?4で引けて4で始まるパターンは、もみあいを想定した戻り「売り」の逆張り戦略がメインシナリオです。タイプとしては「Sタイプ」、もみあい前提なので10月は「S20」がおすすめ戦略となります。

?豪ドル安が進行し79.19(S1)に到達した場合、売りポジションを全て利食い月末まで「B20」に買い転換します。ただし、その場合は81.10P)まで戻したら買いポジションを全て利食い月末までポジションは持ちません。また、思惑に反して84.91(R2)以上の豪ドル高となった場合、また買い転換した後に77.28(S2)以下の豪ドル安となった場合には、運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用とします。

?当レポートでは1万通貨を82.092から「S20」、最大ポジション数10で運用開始しています。



●ユーロドル

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9月のレンジ=始値1.1595、高値1.1815、安値1.1526、終値1.1603

?8月のユーロは、ユーロを取り囲む材料としてはブレグジットの不透明感やイタリアの財政規律問題と、どちらかと言うと売り材料の方が多かった印象ですが、月末直前まではじり高推移を辿りました。これはユーロやドルの材料よりもリスクオンの円売りの影響が大きく、ユーロドルもユーロ円の動きに追随する動きが目立ったことによるものです。月末にイタリアの予算案に反応してユーロ売りとなりましたが、同局面もドル円もまたドル高であったため、ユーロドル固有の動きというほどではありませんでした。

?9月の戦略は「S40」でしたが、20日にR1に到達したため運用STOPとして、月末まで既存ポジションのみでの運用としました。月初時点で残っていた2単位のポジションは始値近辺で決済、これらも合わせて9月の確定損益は43,328円の利益となっています。

?ゾーンの組み合わせ(黄色)=9月終値ゾーン4、10月始値ゾーン3

?4で引けて3で始まるパターンは、もみあいを想定した押し目「買い」の逆張り戦略がメインシナリオです。タイプとしては「Bタイプ」、10月は「B40」がおすすめ戦略となります。

?ユーロ安が進行し1.1792(R1)に到達した場合、買いポジションを全て利食い月末まで「S40」に売り転換します。ただし、その場合は1.1648(P)まで戻したら売りポジションを全て利食い月末までポジションは持ちません。思惑に反して1.1503(S1)以下のユーロ安となった場合、また売り転換した後に1.1937(R2)以上のユーロ高となった場合には、月末まで既存ポジションのみの運用とします。

?当レポートでは1万通貨を1.15946から「B40」、最大ポジション数10で開始しています。



【参考】

フィボナッチ・ピボットをもっと詳しく

◆山中康司の確率を味方につけるループイフダン戦略とは?

ピボットをもっと詳しく

◆テクニカル解説集 ピボット|アイネット証券



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著者プロフィール
山中康司
山中康司
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析と独自のサイクル分析を融合させたトレンド分析には定評がある。ループイフダン関連書籍『マンガでわかる FXの新常識ループ・イフダンでらくらく稼ぐ』を監修。