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2018/09/21
シストレ活用事例

「黄金の180日ルール」は、ループイフダントレードで活用できるのか?【そうたろう】

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「黄金の180日ルール」は、ループイフダントレードで活用できるのか?

「黄金の180日ルール」とは

 10月末に買い、翌年4月に売ると利益が得られる確率が高いという「黄金の180日ルール」は、もともとは株の取引において、投資家の間で言われていたアノマリーですが、通貨ペアによっては、為替でもこの法則が通用すると言われています。

 「黄金の180日ルール」は、別名「ハロウィン効果」とも呼ばれていますが、その根拠としては、10月末はヘッジファンドの決算期が近く、ポジション調整のための売りが入りやすいことや、過去の株価暴落が9月・10月に多いことを理由に挙げる説もありますが、実際のところは明確な答えはなく、まさに「アノマリー=科学的原則からは説明できない偏差」といったところです。

 今年は3月に、ループイフダンで選べる通貨ペアにNZドル円・カナダドル円・豪ドル米ドルが新たに加わりました。そこで、この記事では、ループイフダンで選べる全8通貨ペアに「黄金の180日ルール」が該当するか検証してみたいと思います。

過去18年間の勝敗を検証してみます

 以下、ループイフダンの全8通貨ペアについて、2000年〜2017年の18年間、10月末に買って翌年4月に売って利益が出た場合を「勝」、損失になった場合を「敗」として集計したものです。

 尚、集計にあたっては、下記のルールにしたがっています。

  • 為替レートは、ループイフダンのシステムで提供されているチャートを利用しています。
  • 10月末、4月末いずれも「Bid」のレートを取得しています。
  • 米ドル円とクロス円ペアについては小数点以下の下3桁、米ドルストレートペアについては、下5桁を四捨五入しています。

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「黄金の180日ルール」はループイフダンの通貨ペア全てで有効

 集計の結果、ループイフダンの全通貨ペアで60%以上の勝率ということで、「黄金の180日ルール」は有効であるということがわかりました。

 とくに、EUR/USDの14勝4敗(勝率77.8%)と、AUD/JPYの13勝5敗(勝率72.2%)の勝率の高さが際立っており、全体として、相場がリスクオンの方向に動きやすいということがわかります。

 したがって、仮に10月末にループイフダンを稼働させて、場合によっては4月末に手じまいするようなトレードを考える場合、過去の実績に基づくのであれば、ロングを選ぶ方が、この期間での利益が得られやすく、含み損のポジションを持つ確率が低いと言えるでしょう。

ループイフダンの実際のトレードに有効なのか?

 「黄金の180日」の上昇の確率が高いとしても、裁量トレードとは違い、ループイフダンでのトレードには特有の注意点があります。それは、相場が必ずしも一直線には上昇するわけではなく、ドローダウンの局面もあるということです。

 10月末から翌年4月末までに、このように一直線に上昇するのであれば、ループイフダンは利食いだけを繰り返していくことになりますが、

 このように、一旦大きく上昇して下落するような値動きの場合は、下落時に新規で建てたポジションは、4月末の時点で含み損を持っていることになります。

 為替相場が、半年間もの間、一直線に上下どちらかに動くということのほうが稀ですから、資金管理の面では、むしろ後者のパターンに近い値動きを想定しておく方が良いかもしれません。

 しかしながら、4月末の時点で多くの含み損のポジションを持っているということは、その分、利食いの回数も多く、含み損になる前に確定利益が積み上がっているはずなので、この場合でも、レンジ相場で本領を発揮するループイフダンが想定する収益モデルと大きな乖離はないものと思われます。

 結論としては、ループイフダンにおける「黄金の180日ルール」は、4月末に含み損があっても有無を言わさず損切りするような運用には向きませんが、長期運用を前提に、「10月末にループイフダンの運用を始めるのであれば、どの通貨ペアで、買いと売りのどちらを選ぶと早く確定利益を積み上げやすいか」という判断のためには、有益なアノマリーであると言えそうです。

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