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2018/06/12
シストレ活用事例

ループイフダンでNZドル円を選ぶメリット・デメリットとは?【そうたろう】

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ループイフダンでNZドル円を選ぶメリット・デメリットとは?

 

「ループイフダン総選挙」で第1位に輝いた「NZドル円」

 今年1月に開催された、「第一回ループイフダン総選挙〜あなたが選ぶループイフダン対応通貨ペア〜」で堂々の第1位に選ばれ、豪ドル米ドル、カナダドル円とともに、新たにループイフダンで選択可能な通貨ペアとなった、NZドル円。NZランドドルは、豪ドル円同様オセアニア通貨であり、先進国通貨でありながら、スワップポイントが比較的高いため、日本でも個人投資家を中心に人気を集めてきました。

 ループイフダンでのトレードにおいても、ナンピンが前提となるシストレとしての性質上、どうしてもポジションを長期保有することになりますから、多くの方にとって、スワップポイントも通貨ペアを選択する上での重要な要素なのではないでしょうか。

 そこで今回は、ループイフダンでNZドル円を選ぶメリット・デメリットについて見ていきたいと思います。

スワップポイントを豪ドル円と単純比較

 ループイフダンで付与されるNZドル円のスワップポイント(買いポジション)は、1日あたり36円と、豪ドル円の37円とほぼ同水準です。この両国は、経済的な関係性が高く、豪ドルとNZドルに高い相関性があることはよく知られており、対日本円でも似たような値動きをします。

 「だったら、ループイフダンでトレードするのも、豪ドル円でいいじゃないか」ということになってしまいそうですが、多くの方が投票した「ループイフダン総選挙」で第1位となったことには、それなりに理由があるのだろうという仮説のもと、もう少し考察を進めてみたいと思います。

取引証拠金を考慮

 ここで、ループイフダンで取引可能な8通貨ペアについて、6月10日時点で付与されるスワップポイントを365倍したものを「年間スワップポイント」と仮定し、同日時点での取引証拠金で割った数値を比較してみたいと思います。

 スワップトレードを想定して、原則として買いポジションに付与されるスワップポイントで集計していますが、ユーロ米ドル、ユーロ円、豪ドル米ドルについては売りポジションとしています。

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 もはや公然の事実と言ったところですが、取引証拠金あたりのスワップポイントでは、利上げが続く米ドルと低金利のユーロ・円との通貨ペアが上位となっており、かつて「高金利通貨」とされたオセアニア通貨は、それらの後塵を拝する形となっています。

 ただ、NZドル円を豪ドル円と比較すれば、わずかに資金効率の面で優位と言うことはできるので、とくに、ある程度まとまったロット数で取引するような場合には、こういった小さな差でも利益に大きく影響しますから、その意味ではNZドル円のメリットと言えるでしょう。

ボラティリティ

 NZドル円の世界における取引シェアはわずか0.1%と、同じくスワップトレードで人気のトルコリラ円(0.07%)などと比べても、あまり差がありません。また、この両通貨ペアは、9割程度の投資家が買いポジションを保有しているという点でも共通しています。

 つまり、地政学リスクやファンダメンタルズ要因などへの反応も一方向に集中しやすく、なおかつ取引量が少ないため、どうしても値動きが乱暴になりやすく、主要国間の通貨ペアと比べて、流動性リスクが高いという特徴を持っています。

 現在は77円前後のNZドル円ですが、2000年10月には、経済の低迷から41.87円の最安値をつけていますし、2008年リーマンショックの際は、88.08円の最高値から47.76円の最安値まで40.32円(45.8%)と暴落しています。

 ここで、ループイフダンで取引可能な8通貨ペアを、過去15年間のボラティリティで比較してみます(リーマンショック時の変動を取り込むため、集計期間を10年ではなく15年としました)。

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 1通貨あたりの数字がNZドル円の2倍近い英ポンド円が圧倒的首位という結果は、ある意味では当然とも言えますが、取引量の多い米ドル円やユーロ米ドルのボラティリティが、豪ドル円やNZドル円よりも低いという結果には、あらためて驚かされます。

 ボラティリティは、高ければ、あるいは低ければ良いというものではなく、投資家それぞれがトレードスタイルに合わせて選ぶものではありますが、ループイフダンが為替変動を主たる利益の源泉としている以上は、想定したリスクの範囲であれば、大きく値動きしてくれるほうが利益を出しやすいことも事実です。ループイフダンで豪ドル円が人気なのは、こういった理由によるものなのでしょう。

 NZドル円は、ループイフダンの通貨ペアの中では最も取引証拠金が低いことも考えると、少ない資金で大きな為替変動益を狙える通貨ペア、と考えることができますが、それは同時に、想定リスクを大きく取る必要もあることを意味しますから、米ドル円やユーロ米ドルと比べると、やや上級者向けの通貨ペア、ということが言えそうです。

まとめ

 最後に、ループイフダンでNZドル円を選ぶメリット・デメリットをまとめてみます。

 

【メリット】

  • 取引証拠金がループイフダンの通貨ペアの中で最も少ない。
  • 取引証拠金あたりのスワップポイントが、ユーロ米ドル・米ドル円に次いで高い。
  • 単価のわりにボラティリティが高く、高い為替変動益が狙える。

【デメリット】

  • ボラティリティが高く、リスク管理がしづらい。
  • 豪ドル円と比べて、目立ったメリットがない。
  • ニュージーランドの政治や経済に関する情報が少ない。
 

 NZドル円に関しては、メリット・デメリット双方にボラティリティの高さを入れなければならないほど、特徴としては何よりも意識されるべきだと思います。ただ、この点では豪ドル円とそれほど差がないので、同じ程度のリスクを背負うのであれば、1円でもスワップポイントが高いほうがいい、というような価値観を持つ投資家には向いている通貨ペアだと思います。

 あるいは、現在ループイフダンを豪ドル円だけで運用しており、利益が積み上がってきたので、新たなループイフダンを稼働させたい、というようなときに、同じ豪ドル円を追加するのではなく、NZドル円を選ぶことで、高スワップポイント・高ボラティリティという基本的な性質は共通しながらも、多少のリスク分散ができるという点では、活用ができるのではないでしょうか。

 

(この記事は、アイネット証券が6月10日現在で提供するスワップポイント・取引証拠金にもとづいて執筆されています)

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