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2018/06/28
シストレ活用事例

値幅100のループイフダンでは「キリ番」に注意すべき理由【そうたろう】

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値幅100のループイフダンでは「キリ番」に注意すべき理由

「始めたいときが始めどき」のループイフダンですが…

 いまさらですが、ループイフダンは、通貨ペアと値幅を選んで稼働を開始すると、そのタイミングで成行注文を出して最初のポジションを建て、その後の値動きにより、新規で建てるポジションについても、全て最初のポジションの建値が基準となる「リピート系シストレ」です。

 「値動きは予想しなくていい(予想できない)」「含み損のポジションも利益の源泉(将来の利食い、スワップポイント)」というループイフダンの特徴から、私は「ループイフダンは始めたいときが始めどき」という提唱をしています。

 同じ理由から、ループイフダンは、現在値がいくらの時に始めても良いとは思うのですが、今回は、一部の値幅のループイフダンについては、「キリ番」だけは避けたほうが良い、というお話をさせていただきたいと思います。

「キリ番」とは

 米ドル円であれば110.00円、豪ドル円であれば83.00円など、小数点以下がちょうどになるレートを「キリ番」「ラウンドナンバー」「ダブルオー」などと言い、為替レートが上昇するときにも、下落するときにも、投資家の心理的節目として、値動きに大きな影響を与えます。

 これは、FXだけでなく、株やオプション取引など全ての投資に共通するのですが、この「キリ番」付近では多くの場合、なかなか突破できず、何度か攻めて抜けるか、あるいは、攻めきれずに一旦下落する、というような特徴的な値動きが頻繁に見られます。

 なぜ?と言われても、結果としてそうなっているから、より多くの人が意識するようになり、それを意識した人も意識して…という集団心理であり、相場というのはそもそもそういうもの、としか言いようがないのです。

 キリ番をFX以外に置き換えて考えてみると、例えば「ダイエットの目標体重は」「◯◯周年を祝う」などと考えてみた場合に、「目標体重は61.24kg」とか、「28周年を祝いたい」とか言う人はあまりいないと思います。

 もしそのように言うとしても、説明するときに何か特別な理由を求められるので、面倒ですよね。

 一方で、「目標体重は60kg」「30周年を祝いたい」と言えば、誰でも違和感を持つことなく受け入れられます。

 FXでもやはり同じように、多くの利益確定や損切りはキリ番に置かれる傾向が強く、結果としてキリ番付近では取引量が上がり、大量の売り買い注文が交錯することになります。

 ですから、「私は絶対にキリ番で利益確定(損切り)なんかしない!」という投資家でも、事実として取引量が増えるキリ番は否応なく意識せざるを得ない、ということになり、結果的にキリ番付近の取引量はさらに膨らむ、ということになるのです。

ループイフダンにとってキリ番のメリットは少ない

 裁量トレードであれば、「キリ番付近で取引量が増える」ことを活かしたトレード手法もあります。しかし、ループイフダンの一部の値幅では、デメリットとして作用することが考えられます。

 とくに、今年3月からループイフダンで採用している全ての通貨ペアに追加された「設定値幅100」を選ぶ場合は要注意です。これは、キリ番付近の値動きを考えていただければ納得できると思います。

 キリ番付近に特徴的な値動きとしては、以下の3つのパターンが考えられます。

  1. キリ番に届かずに下落(上昇)する
  2. キリ番を抜けてから反落(反騰)する
  3. キリ番を抜けて続伸(続落)する

 キリ番で利食いする値幅100のループイフダンで考えてみるとわかりますが、BとCのパターンに関しては、特段キリ番であるメリットがなく、Aのパターンについてはデメリットとなることがわかります。

 また、値幅25や50に関しては、Aのパターンで下落(上昇)した場面のレンジ相場で新規・利食いできる可能性を考えると、デメリットばかりとは言えませんが、一般的な為替の値動きを考えた場合に、あえてその可能性に賭ける価値があるかは疑問です。

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ループイフダンの稼働開始は、中途半端な数字から

 もうご理解いただけたと思いますが、ループイフダン、とくに倍数が常にキリ番と重なる値幅の仕掛けについては、キリ番からそれなりに距離があり、なおかつ現在値が中途半端な数字、たとえば◯◯.14とか、◯◯.27とか、◯◯.68などから始めるのがベターだと思います。私なら、軽い心理的節目になる◯◯.50も避けます。

 ループイフダンを稼働させるときに指値が使えると便利なのですが、いまのところは、狙った価格になるタイミングを見計らって注文を入れるしかないので、稼働を開始する日は、ある程度、値動きを監視し続ける必要があります。

 なかなか狙った価格にならなくて焦れてきても、一日を通してキリ番付近で推移するという値動きのほうが逆に珍しいですし、値動きが活発になる欧州勢参入(夏は16時、冬は17時)・NY勢参入(夏は22時、冬は23時)の時間帯を選ぶなどの工夫で、より狙った価格で稼働開始させやすいと思います。

 この「キリ番問題」、中長期的に見ればループイフダンのパフォーマンスに悪影響こそあれ、好影響はちょっと思いつきませんので、気をつけていただきたい点として記事にしておきました。少しでも、皆さんのご参考になれば幸いです。

<著者のバックナンバーをチェック>

ループイフダンでNZドル円を選ぶメリット・デメリットとは?【そうたろう】

ループイフダンで豪ドル米ドルを選ぶメリット・デメリットとは?【そうたろう】

ループイフダンの稼働開始に適した為替レートは?【そうたろう】

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男ひとり、節約生活。

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