このエリアにHTML要素を追加する
ドル円が下落、豪ドル円・NZドル円もなぜ下がる?円高との関係を解説



※本音声は、記事をもとにAIを活用して制作しています。一部、発音やイントネーション、漢字の読み方が不自然または正確でない場合がありますので、あらかじめご了承ください。
2026年9月3日の外国為替市場では円高が進み、ドル円だけでなく、豪ドル円やNZドル円も下落しました。
「ドル円が下がるのは分かる。でも、なぜ豪ドル円やNZドル円まで下がるの?」
その理由を理解するカギが、豪ドル円やNZドル円が、どのような為替レートから成り立っているのかという点です。
今回は9月3日の実際の値動きを入口に、ドル円と豪ドル円・NZドル円の関係を初心者向けに解説します。
※相場動向および米雇用統計に関する記述は、2026年9月4日午前時点の情報です。
※本文中の為替レートは、各公表機関・情報提供元のデータをもとに記載しており、当社が取引画面で配信するレートとは異なる場合があります。
1.2026年9月、豪ドル円・NZドル円も下落した理由

2026年9月3日の外国為替市場では円が大きく買われました。
Reutersによると、円は対米ドルで一時2%を超えて上昇し、ドル円は155円台まで下落しました。
背景の一つとなったのが、日本銀行の金融政策をめぐる市場の見方です。
9月2日には高田創審議委員が札幌市金融経済懇談会で講演。翌3日の市場では、日銀の追加利上げをめぐる観測が強まりました。
一方、米国ではFRB(米連邦準備制度理事会)のウォラー理事の発言を受け、米国の利上げをめぐる市場の見方にも変化が生じました。
そして円高の動きは、ドル円だけに表れたわけではありません。
豪州準備銀行(RBA)の日次レートでは、豪ドル円は9月2日の1豪ドル=114.17円から、9月3日には112.74円へ下落しました。
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)の公表値でも、NZドル円は9月2日の1NZドル=94.14010円から、9月3日には92.81555円へ低下しています。
つまり、ドル円だけでなく、豪ドル円やNZドル円でも円高方向の動きが見られたのです。
9月4日夜は米雇用統計にも注目
9月3日の円高を受け、市場が次に確認する主要な経済指標の一つが、9月4日21時30分(日本時間)に発表予定の米国8月分雇用統計です。
米国労働省労働統計局(BLS)によると、前月7月の非農業部門雇用者数は2万3,000人減、失業率は4.1%でした。
米雇用統計は米国の労働市場の状態を確認する代表的な指標です。その内容によってFRBの金融政策をめぐる市場の見方が変化し、ドル円などの為替レートが動くこともあります。
ただし、雇用統計の結果や、その後の為替相場の方向を発表前に決めつけることはできません。
ここでは先の相場を予測するのではなく、9月3日までに実際に起きた値動きをもとに、なぜドル円だけでなく豪ドル円やNZドル円まで下がったのかを見ていきます。

2.「クロス円」と「ドルストレート」の違い

豪ドル円やNZドル円のように、米ドル以外の通貨と円を組み合わせた通貨ペアを「クロス円」と呼びます。
たとえば、
- 豪ドル/円(AUD/JPY)
- NZドル/円(NZD/JPY)
- ユーロ/円(EUR/JPY)
- 英ポンド/円(GBP/JPY)
などです。
一方、
- 米ドル/円(USD/JPY)
- 豪ドル/米ドル(AUD/USD)
- NZドル/米ドル(NZD/USD)
のように米ドルを含む通貨ペアは、一般にドルストレートと呼ばれます。

クロス円を理解するうえでポイントになるのが、外国為替市場で米ドルが主要な媒介通貨として使われてきたことです。
日本銀行も、円と人民元の為替取引について、一般的には米ドルを媒介通貨とし、それぞれの対米ドルレートを組み合わせてクロスレートを考える仕組みを説明しています。
同じ考え方を豪ドル円に当てはめると、
豪ドル/円 = 豪ドル/米ドル × 米ドル/円
となります。
NZドル円なら、
NZドル/円 = NZドル/米ドル × 米ドル/円
です。
つまり豪ドル円やNZドル円は、それぞれの通貨だけで動いているわけではありません。
ドル円の値動きも関係しているのです。

3.ドル円が下がるとクロス円は下がりやすい

簡単な数字で考えてみましょう。
豪ドル/米ドルが、
1豪ドル=0.72米ドル
ドル円が、
1米ドル=160円
だったとします。
0.72 × 160 = 115.20
なので、理論上の豪ドル円は、
1豪ドル=115.20円
です。
ここから豪ドル/米ドルが0.72のままで、ドル円だけが160円から156円へ下落したとします。
0.72 × 156 = 112.32
豪ドルが米ドルに対してまったく動いていなくても、豪ドル円は115.20円から112.32円へ下落します。
NZドル円も同じです。
NZドル/米ドルが0.59、ドル円が160円なら、
0.59 × 160 = 94.40
ドル円が156円へ下がれば、
0.59 × 156 = 92.04
となります。

9月3日は豪ドル円とNZドル円で「下落の中身」が違った
2026年9月3日の実際のデータを見ると、この仕組みがさらに分かりやすくなります。
| 通貨ペア | 9月3日の方向 | 何が起きていた? |
|---|---|---|
| USD/JPY | 大きく下落 | 円が対ドルで上昇 |
| AUD/USD | 上昇 | 豪ドルが対ドルで上昇 |
| AUD/JPY | 下落 | 円高方向の影響が上回った |
| NZD/USD | 下落 | NZドルが対ドルで下落 |
| NZD/JPY | 下落 | NZドル安と円高方向が重なった |
RBAの日次レートでは、豪ドルは9月2日の1豪ドル=0.7143米ドルから、9月3日には0.7164米ドルへ上昇しました。
ところが豪ドル円は、114.17円から112.74円へ下落しています。
つまり、豪ドルは米ドルに対して上昇していたのに、円に対しては下落していたのです。
豪ドルの対米ドルでの上昇よりも、対ドルで円が上昇した影響が大きかったと整理できます。
一方、RBNZの日次レートでは、NZドルは9月2日の1NZドル=0.58700米ドルから、9月3日には0.58555米ドルへ下落しました。
同じ期間にNZドル円も94.14010円から92.81555円へ低下しています。
こちらは、NZドルが米ドルに対して下落する動きと、円高方向の動きが重なったケースです。
豪ドル円もNZドル円も「下落」という結果は同じですが、その中身は異なっていました。
4.ドル円が下がってもクロス円が下がらないケース

では、ドル円が下がれば豪ドル円やNZドル円などのクロス円は必ず下がるのでしょうか。
答えは「必ずではない」です。
豪ドル円は、
AUD/USD × USD/JPY
という2つのレートから考えられます。
そのためドル円が下落していても、AUD/USDがそれ以上に上昇すれば、豪ドル円が上昇することもあります。
たとえば、
AUD/USD=0.72
USD/JPY=160円
なら、豪ドル円は115.20円です。
ここからドル円が156円へ下落する一方、AUD/USDが0.75へ上昇したとします。
0.75 × 156 = 117.00
となり、ドル円は160円から156円へ下落しているのに、豪ドル円は115.20円から117.00円へ上昇します。
反対に、
USD/JPYが下落
かつ
AUD/USDも下落
となれば、豪ドル円には円高方向と豪ドル安方向の両方から下落圧力がかかります。
NZドル円でも考え方は同じです。
つまり、豪ドル円やNZドル円を見るときに、ドル円だけを見ればよいわけではありません。
なお、実際には豪ドル円やNZドル円そのものも外国為替市場で取引されています。
毎回2つのレートを機械的に掛けて価格が決められているわけではありませんが、各通貨ペアの価格には互いに整合する関係があります。
初心者が値動きを理解するときは、「ドル円」と「相手通貨の対米ドルレート」の2つに分けて考えると分かりやすいでしょう。

5.クロス円は「円側」と「相手通貨側」に分けて見る

豪ドル円やNZドル円などクロス円が大きく動いたとき、その通貨ペアだけを見ていると、値動きの原因を取り違えることがあります。
豪ドル円なら、AUD/USDとUSD/JPYの両方を確認します。
NZドル円なら、NZD/USDとUSD/JPYの両方を確認します。
たとえば豪ドル円が下落していても、AUD/USDが上昇しているなら、「豪ドルが全面的に弱くなった」とは言えません。
9月3日は、
AUD/USDは上昇
USD/JPYは大きく下落
という組み合わせでした。
この場合、豪ドル円の下落には円側の動きが強く影響していたと整理できます。
一方、NZドル円では、
NZD/USDは下落
USD/JPYも下落
という組み合わせでした。
こちらは、NZドル側の下落と円高方向の動きが重なっています。
このように、
- 「円側が動いているのか」
- 「相手通貨側が動いているのか」
- 「両方が動いているのか」
に分けて見ると、同じ「クロス円の下落」でも、その背景が異なることが分かります。
為替ニュースで「円全面高」「豪ドル円が下落」「NZドル円が下落」といった言葉を見たときも、円との通貨ペアだけで判断せず、それぞれの対米ドルレートまで確認すると値動きを整理しやすくなります。

ドル円が大きく下落すると、豪ドル円やNZドル円も下がることがあります。
豪ドル円は、
AUD/USD × USD/JPY
NZドル円は、
NZD/USD × USD/JPY
という関係で考えられるためです。
ただし、ドル円が下がれば必ず豪ドル円・NZドル円も下がるわけではありません。
9月3日は、豪ドルは対米ドルで上昇しながら、対円では下落しました。一方、NZドルは対米ドルでも対円でも下落しています。
同じ豪ドル円・NZドル円の「下落」でも、その中身は同じとは限りません。
クロス円を見るときは、「円側」と「相手通貨側」に分けて確認することで、なぜその通貨ペアが動いたのかを整理しやすくなります。

クロス円に関するQ&A
Q1. 豪ドル円やNZドル円はなぜ「クロス円」と呼ばれるのですか?
A. 豪ドル円やNZドル円のように、米ドル以外の通貨と円を組み合わせた通貨ペアをクロス円と呼びます。
豪ドル円ならAUD/USDとUSD/JPY、NZドル円ならNZD/USDとUSD/JPYを組み合わせたクロスレートとして考えることができます。
Q2. ドル円が下がると豪ドル円も必ず下がりますか?
A. 必ずではありません。
豪ドル円はAUD/USDとUSD/JPYの両方から影響を受けます。ドル円が下落していても、AUD/USDがそれ以上に上昇すれば、豪ドル円が上昇する場合もあります。
Q3. 豪ドル円やNZドル円が下がった原因はどう見分ければいいですか?
A. 豪ドル円ならAUD/USDとUSD/JPY、NZドル円ならNZD/USDとUSD/JPYをそれぞれ確認します。
円側と相手通貨側のどちらが大きく動いているのか、同じ方向へ動いているのかを分けて見ることで、値動きの背景を整理しやすくなります。
【注意事項】
- 本記事に掲載する情報については、正確性・完全性の確保に努めておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 本記事は、資産運用やFX取引に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の取引手法やサービスの利用を推奨・勧誘するものではありません。
- 投資に関する最終的な判断は、お客様ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。
なお、本記事の閲覧または利用により生じたいかなる損害についても、著者および株式会社アイネット証券は一切の責任を負いかねます。