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2018/05/29
シストレ活用事例

ループイフダンで豪ドル米ドルを選ぶメリット・デメリットとは?【そうたろう】

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ループイフダンで豪ドル米ドルを選ぶメリット・デメリットとは?【そうたろう】

 

「ループイフダン総選挙」で新たに加わった「豪ドル米ドル」

 今年1月に開催された、「第一回ループイフダン総選挙〜あなたが選ぶループイフダン対応通貨ペア〜」で堂々の第2位に選ばれ、ニュージーランドドル円、カナダドル円とともに、新たにループイフダンで選択可能な通貨ペアとなった、豪ドル米ドル。ループイフダンで扱われる米ドル円以外のストレート通貨ペアとしては、昨年取扱いが開始されたユーロ米ドルに続いて2番目となります。この記事では、ループイフダンで豪ドル米ドルを選ぶメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。

リスク分散のための通貨ペア

 現在、ループイフダンで選べる通貨ペアは、米ドル円、ユーロ円、英ポンド円、豪ドル円、ユーロ米ドル、ニュージランドドル円、豪ドル米ドル、カナダドル円の合計8ペアと、かなり幅広いユーザーのニーズに対応しています。しかしながら、ユーロ米ドルと豪ドル米ドル以外はストレート円(米ドル円)かクロス円なので、基本的に米ドル円の値動きに連れて、似たような値動きをします。ですから、資金を運用する上でのリスク分散を考えた場合には、ストレート円とクロス円、あるいはクロス円とクロス円というような分散をおこなっても、あまり効果的とは言えません。米ドル円かクロス円を軸としてリスク分散を意識するなら、やはり日本円の絡まない通貨ペアでおこないたいものです。その意味では、ループイフダンにユーロ米ドルと豪ドル米ドルが加わったことは、ユーザーにとってメリットが大きいと思います。

 同じくリスクの観点から、流動性の問題を見た場合に、世界の取引量第1位はユーロ米ドル、第2位は米ドル円、第3位は英ポンド米ドル、そして第4位が豪ドル米ドルとなっており、ボラティリティが非常に大きい英ポンド米ドルを除外して考えると、1・2・4位と流動性の問題が生じにくい通貨ペアを抑えている、と言うことができます。

米ドルショートに向く通貨ペア

 ループイフダンは、その性質上どうしても長期にわたりポジションを持つことが多くなるので、スワップポイントがマイナスとなる方向でループイフダンを稼動させてしまうと、せっかく積み上げた確定利益が想定以上に毀損してしまうという懸念があります。ところが、米ドルストレートで考えた場合に、昨年来の米国の金利上昇にともない、今や対新興国通貨以外ほとんどの通貨ペアでは、米ドルショートのポジションにはマイナススワップが発生してしまいます。

 今年3月までは、豪ドル米ドルの買いポジション(米ドルショート)にはプラスのスワップポイント付与されており、米ドルショートでスワップポイントがプラスになる通貨ペアの中では、取引量が世界最大なのが豪ドル米ドルでした。しかし現在は、米国の金利上昇にともない米国とオーストラリアの金利が逆転しており、豪ドル米ドルの買いポジションもマイナススワップとなってしまいました。とはいえ、ループイフダンで選べるストレートドルである米ドル円やユーロ米ドルと比較すれば、米ドルショートポジションの同一通貨量あたりマイナススワップは、米ドル円が69円、ユーロ米ドルが110円、豪ドル米ドルが30円と、豪ドル米ドルが圧倒的に低くなっています(アイネット証券が5月24日より適用するスワップポイントで比較)。つまり、豪ドル米ドルは、米ドルに下落トレンドが生じている場面でも、順張り(米ドルショート)のループイフダンが比較的稼動させやすい通貨ペア、と言うことができます。

ボラティリティ

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 ループイフダンで選べる通貨ペアのボラティリティを比較すると、昨年、今年(年初から5月24日まで)ともに、豪ドル米ドルが最も低い値となっています。ボラティリティの低さをどうとらえるかは投資スタイルの差によるところが大きいのですが、少なくとも、ボラティリティの観点からは、豪ドル米ドルがリスク管理しやすい通貨ペアであると言うことはできると思います。

 逆に言えば、ループイフダンを稼動させていても、「なかなか利食いがなくておもしろくない」と感じる方もいるかもしれません。そういったニーズに応えて、豪ドル米ドルのループイフダンでは、従来から他の通貨ペアでも選択できた利食い幅の20・40・80・100に加えて、値幅10も選べるようになっています。とはいえ、いくら低ボラティリティの豪ドル米ドルであっても、値幅10のループイフダンを中長期で稼働させることはリスク管理の面から現実的ではないので、相場がレンジからトレンドに転じた場面で短期的に稼動させる、というような使い方が良いのではないかと思います。むしろ、せっかく豪ドル米ドルを選ぶなら、低ボラティリティであることを活かして、値幅80や100などでゆったりとトレードする、というスタイルに向くのではないでしょうか。当然、資金効率は低下してしまいますが、英ポンド円やユーロ円などの高ボラティリティ通貨ペアでループイフダンを稼動させている場合に、ポートフォリオの一環として、値幅の広い豪ドル米ドルループイフダンを稼動させる、という方法もあると思います。

 

まとめ

 最後に、ループイフダン豪ドル米ドルのメリット・デメリットをまとめてみます。

 

【メリット】

  • 米ドルストレートなので、日本円が絡まない通貨としてリスク分散に利用できる。
  • 世界の取引量が全通貨ペア中で第4位であり、流動性の懸念が小さい。
  • 買いポジションのマイナススワップが比較的小さく、米ドルショートがしやすい。
  • ボラティリティが低いため、ゆったりとしたトレードができる。

【デメリット】

  • ボラティリティが低く、資金効率が低くなる場合がある。
  • 売りポジションでもスワップポイントが得られない(5月24日現在)。
 

 ループイフダンで通貨ペアを選ぶときに、動機として豪ドルでのトレードに興味がある、ということであれば、資金効率やスワップポイントの面から考えると、基本的には豪ドル円のほうが有利です。しかし、この記事で見てきたとおり、場面や相場環境によっては、豪ドル米ドルを有効に活用することも十分に可能です。いずれにしても、投資家の選択肢が広がったという意味で、ループイフダンの新通貨ペア取扱い開始は大歓迎、ですよね。

 

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