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2018/07/12
シストレ活用事例

「手動リピート発注」にメリットはあるのか?【そうたろう】

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「手動リピート発注」にメリットはあるのか?

?「リピート系」は最もシンプルなシストレ

ループイフダンなどのシストレは、「リピート(発注)系」などと言われ、ロジックが複雑な従来型のシストレと比較すると、シンプルさが最大の特徴になります。

 

ところで、シストレの一般論として、取引会社にはシストレのシステム開発や維持のためのコストが発生していますから、そのコストは、手数料という形でユーザーに転嫁されます。ループイフダンの場合、「手数料」という名目ではありませんが、手動トレード向けの「アイネットFX」よりもやや広いスプレッドにすることで、実質的にユーザーにコストを転嫁しています。

 

この「実質的な手数料」は、他のリピート系と比較して安価であるという点がループイフダンが人気である理由の一つですが、できれば、そのコストすら負担したくない、というシビアな考え方も、一部にはあろうかと思います。つまり、ループイフダンが自動でやってくれることを手動でやれば、「感情による判断ミスを回避できる」「(指値発注・決済注文をしておけば)24時間取引ができる」というリピート系シストレのメリットは享受しつつ、取引コストは手動トレード向けの狭いスプレッドだけで済むという、一見、理想的な方法論のようにも感じられます。

 

「手動リピート発注」は可能か?

当然ですが、「手動リピート発注」とでも呼ぶべきこのような方法論は、可能か不可能かで言えば、可能です。ただし、ループイフダンの中でも売買の頻度が高い値幅10や値幅15と同じことを手動でやろうとすると、ほとんどパソコンやスマートフォンに張り付いていなければならず現実的ではないので、おのずと値幅50以上、頻度としては週に数回程度の取引があるようなループイフダンの動作を模倣することになります。

 

実は私、手動でリピート発注をやったことがある経験者です。当時、私が選びたかった通貨ペアである「豪ドル米ドル」がループイフダンになかった、というのも理由の一つですが、手間、時間、精神面で、手動リピート発注がどの程度の負担になるのか、生活に影響はないのか実験したかった、というのが本音です。豪ドル米ドルの手動リピート発注は、昨年1月〜10月の約9ヶ月間にわたって取引しており、その詳細は私のブログで公開していますので、ご興味のある方にはそちらをご覧いただくとして、今現在の率直な感想を言えば「手動リピート発注はもうやらない、というかやりたくない」というところです。ここで、その理由をまとめておきたいと思います。

 

手動リピート発注のデメリット①:発注ミス

理由としてはいくつかあるのですが、まず、発注ミスが避けられないということです。もちろん、管理するためにエクセルで表を作り、発注するときには2回以上チェックするなど、それなりに慎重を期したのですが、それでも人間のやることですから、ミスを完全にゼロにすることはできませんでした。私の場合は幸い、ミスしてもすぐに気づくか、あるいはミスが原因で損失が出ても軽微なもので済みましたが、場合によっては大きな損失に繋がることもあり得ることを考えると、手動リピート発注最大のデメリットはこれだと思います。

 

手動リピート発注のデメリット②:感情の介入

次に、どうしても感情が入ってしまうという点があげられます。先述のとおり、シストレの最大のメリットは「感情による判断ミスを回避できる」点にあるわけですが、例えば、もうちょっとで利食いしそうなのに、指値寸前で小さな反落を繰り返しているような値動きの場面では、手動で決済してしまいたくなりますし、大きなドローダウンでポジションが多くなり、含み損も膨らんでくるような場面では、新規の発注を取り消してしまいたくなります。

 

 結果としてそういった操作は、裁量トレード的な性質に近くなってしまうため、そもそもリピート系発注を選ぶという動機と矛盾することにもなります。

 

手動リピート発注のデメリット③:削減できるコストが小さい

さらに言えば、手動リピート発注は、そこまで大きなコスト削減にならない、ということです。例えば、ループイフダン米ドル円B100は、2017年の1年間で40回の利食いをしましたが(動作開始価格により若干の誤差があります)、1,000通貨で取引していたとして、決済利益は4万円。この場合、ループイフダン米ドル円のスプレッドは2銭なので、コストは800円ですが、スプレッドがたとえ0.3銭に抑えられたとしても、それが120円になるにすぎません。その差額=削減できたコストは、年間でわずか680円です。10万通貨で取引するなら、差額も年間6万8000円とそれなりにメリットは出てきそうですが、そうなると個人投資家としてはちょっと考えにくい必要資金になってしまいますので、現実的には、年間でせいぜい数百円から数千円のために、面倒な手動発注をおこない、発注ミスというリスクまで負うのかという判断になってきます。

 

※ループイフダンでは、スプレッドコストの中に、決済時に1,000通貨あたり1円の「助言報酬」が含まれています。

 

結論

手間や時間に対するコスト感覚は個人差が大きく、一概に断ずることはできませんが、多くの場合、手動リピート発注は、コスト削減だけが目的であれば、そこまでメリットがある選択肢とは思えません。「時間だけは全ての人に平等に与えられた資源」とも言いますし、金銭的なコストだけではなく、この貴重な資源も、可能なかぎり有効に使っていきたいものです。

 

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