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2018/05/15
シストレ活用事例

山中康司のループイフダン戦略レポート(2018年5月号②)

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ループイフダン「2018年5月の戦略」月中レビュー

5月1日に示した各通貨ペアの戦略と現時点における状況を見ていきます。

説明中に出て来る各レートは、斜線部分の「黄緑のライン」のレートとその上下の「ピンクのライン」のレートです。ピボット「緑点線のライン」(P)を中心に、上側の黄緑のラインを(R1)、上側のピンクのラインを(R2)と示し、下側の黄緑のラインを(S1)、下側のピンクのラインを(S2)と示しています。

また、それぞれの月においてS2以下がゾーン1、S2〜S1がゾーン2、S1〜Pがゾーン3、P〜R1がゾーン4、R1〜R2がゾーン5、R2以上がゾーン6を示しています。

(詳細は『確率を味方につけるループイフダン戦略』をご参照ください。)

●ドル円

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5月15日までのレンジ=108.65〜110.04

5月前半は先月後半以降米金利が高めに推移していることに加え、日経平均株価が水準を切り上げてきたことが重なってリスクオンの動きとなりました。ただ、ここまで米国雇用統計を挟んで2回110円台を試しているものの、国内輸出企業の売りも出て上下ともに限定的な値動きとなっています。

4月の戦略はBタイプを考え「B25」を109.352から1万通貨単位、最大ポジション数10で運用していました。いまのところ、戦略を転換する水準には上下とも到達していません。現時点(5月1日〜15日)でのポジションは2単位、1,284円の含み益となっています。ここまでの確定損益は31,144円の利益です。状況が変化(月初に示した各水準に到達)しない限り、月末までこのまま「B25」を継続します。

●ユーロ円

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5月15日までのレンジ=129.23〜132.14

5月前半はユーロドルが長期的なもみあいを次々と下抜けユーロドルの大幅安とともにユーロ円もまた下げる動きとなりました。直近ではドル円の上昇とイタリアの連立協議前進の話が重なって安値圏からの反発上昇となっています。

5月の戦略は戻り「売り」の逆張り戦略ですが、先月の運用STOPとなっていたポジションに加えてSタイプを「S40」で新たに開始しました。その後、ユーロ安が進行し130.07(S1)に到達しましたので、売りポジションを全て利食い月末まで「B40」に買い転換中です。現時点(5月1日〜15日)でのポジションは1単位(買い)、370円の含み損となっていますが上昇局面での売り直しを待っている状態となっています。また前半の確定損益は87,479円の利益となっています。月末まで、転換した戦略でのポジションを継続します。

●ポンド円

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5月15日までのレンジ=147.06〜150.64

5月前半のポンド円は月初こそ英中銀のMPCを前にしたポジション調整から売りが先行しましたが、MPCでの金融政策が予想通り現状維持となって以降は148円台半ばでのもみあいとなっていて、方向感がはっきりしない展開となっています。

5月の戦略は押し目買いのBタイプを考え「B50」を1万通貨単位最大ポジション数10で運用していましたが、思惑に反して148.16(S1)以下のポンド安となりましたので、月末まで運用STOPとしました。現時点(5月1日〜15日)でのポジションは4単位、37,716円の含み損となっていますが上昇局面での売り直しを待っている状態となっています。また5月前半の確定損益は20,452円の利益となっています。

ポンド円は前月に大きめの実現損を出したこともあり、当戦略とはあまり合わないかもしれないという危惧がありましたが、いまのところ単月での現象となっていますので、しばらくは他の通貨ペアと同じスタイルでの運用を継続したいと思います。なお、単一通貨での取引をされている方も多いとは思いますが、長期的には複数の通貨ペアに分散投資した方がリスクは軽減できます。これはポートフォリオ理論におけるリスクリターンの考え方ですが、ループイフダンにおいても同様の効果は見込めるはずです。

●豪ドル円

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5月15日までのレンジ=81.14〜82.79

5月前半は4日に発表された豪中銀の四半期報告において緩和的な政策を継続すること、これまでの消費拡大に陰りが見える恐れがあることなどから売りが先行しました。しかし他のクロス円と同様にここ1週間ほどは底堅く、81円台前半で安値を切り上げた動きとなったことで自律反転する動きとなりました。

5月の戦略は押し目買いで前月と同戦略となっていることから、1万通貨を「B20」で4月から継続しています。現時点(5月1日〜15日)でのポジションは3単位、1,706円の含み損となっていますが上昇局面での売り直しを待っている状態となっています。また前半の確定損益は62,579円の損失となっています。

値動きから考えるとプラスであってもおかしくないと思われる方が多いでしょうが、万が一の値動きがあった際に損失を限定するため「損切りあり」の設定としていますので、前月の高い水準での買いポジションが損切りにかかったことによる確定損です。この損切りについては賛否あると思いますが、個人的には極端な含み損を持たない方針でいます。

●ユーロドル

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5月15日までのレンジ=1.1823〜1.2084

5月前半のユーロドルは長期的なチャートパターンとなっていたトライアングル(三角もちあい)、そしてさらにはサポート水準の安値を一気に下抜けて大幅安の展開となりました。しかし、1.18台では短期的に変動幅が大きく買いも出てきたこと、また先週末からはイタリアの連立協議前進といったユーロにポジティブな材料も出てきため1.20の大台間近まで戻した後に、やや押している状況です。

5月の戦略はBタイプを考え「B40」を1万通貨単位最大ポジション数10で1.20739から開始していましたが、月初のレポートで示した運用STOPの水準である1.1825(S2)に到達しましたので運用STOPとして月末まで様子を見ることとなりました。現時点(5月1日〜15日)でのポジションは4単位、41,331円の含み損となっていますが上昇局面での売り直しを待っている状態となっています。また前半の確定損益は29,972円の利益となっています。

運用STOPの水準はユーロドルのみ上記の通りS2となっていましたが、これは1日レポートでも書いた通りで、5月始値が1.2077と本来の運用STOP水準であるS1(1.2004)に近いことから、運用STOPを一段下のポイントとなるS2に下げたためです。この判断はループイフダンの戦略を考えた場合、始値と運用STOPの値幅が近すぎる場合にひとつ外側の水準を採用することによるものです。

【参考】

フィボナッチ・ピボットをもっと詳しく

◆山中康司の確率を味方につけるループイフダン戦略とは?

ピボットをもっと詳しく

◆テクニカル解説集 ピボット|アイネット証券

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著者プロフィール
山中康司
山中康司
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析と独自のサイクル分析を融合させたトレンド分析には定評がある。ループイフダン関連書籍『マンガでわかる FXの新常識ループ・イフダンでらくらく稼ぐ』を監修。