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負けたら取り返せばいいって思っていませんか?【鹿子木健】
誰しもFXで毎回勝てるわけではなく、負けてしまうことは多々あります。負けてしまった時に「損失をすぐに取り戻したい」と、リスクが高い無茶なトレードをしてしまうことはないでしょうか。そういったトレードは非常に危険であり、損失を取り戻すことがどれほど難しいのかを説明していきます。
1.損失を取り戻すことは想像よりも難しい
競馬や競艇などのギャンブルにのめり込む人にありがちですが、負けてしまったときに「次は勝って取り戻してやる」と熱くなってしまうのはよく聞く話。そしてFXでも、こういった「取り返したいマインド」に陥ってしまう人は多いと思います。そして、このような損失を取り戻そうとするトレードは、「リベンジトレード」と呼ばれています。
しかし、損失を取り戻すことは想像しているよりもはるかに難しく、大変なことです。
例えば、証拠金10万円でFXを始めて、1万円の損失を出したとします。
この場合、1万円の10%を失ったので、10%の利益を出せば損失分の1万円を取り戻せると考えるかもしれません。
しかし、10万円の損失を出した時点で証拠金は9万円になっているので、10%だと9000円勝ちの合計9万9000円にしかなりません。元の10万円に戻すには損失分の10%ではなく、それよりも多い11%以上を稼ぐ必要があるのです。
さらに、損失のショックでメンタルが不安定になりやすいです。メンタルが不安定のまま、損失分を取り戻そうとトレードを続けてしまうと、よけいに傷口を広げてしまう可能性が高まります。
損失を出してしまったら、リベンジを考えるよりもいったんトレードから離れ、冷静になることが大切です。
2.損失が大きくなるほど取り戻すのが難しくなる
さらにトレード事例を交えて詳しく見ていきます。
証拠金10万円で勝率50%、リスク10%、リワード10%でのトレードをした場合を考えてみます。
勝敗 |
証拠金 |
負け |
90,000円 |
勝ち |
99,000円 |
勝ち |
108,900円 |
勝ち |
119,790円 |
負け |
107,811円 |
負け |
97,030円 |
勝ち |
106,733円 |
負け |
96,060円 |
勝ち |
105,666円 |
負け |
95,099円 |
10回トレードをして5勝5敗と勝ち負けは同じ回数でしたが、証拠金は約9万5099円と、元本割れとなりました。
リスクリワードの比率が1:1で勝率5割でも証拠金が目減りしています。つまり、10%の損失を取り戻すためには、損失分以上の利益を取らないといけないことが分かります。
そして、損失が大きくなるほど、元に戻すには勝率を高めたり、1回のトレードの利益を大きくする必要があり、損失を取り戻すことがより難しくなります。
この状態にならないためには、利食いと損切りのバランスが大切です。
損失をできるだけ小さく、利益はできるだけ大きくしていくことで、仮に連敗したとしても損失を取り戻すことは比較的容易になるでしょう。
3.取り戻すためだけにリスクを大きくしてはいけない
ギャンブルなどでよく使われる、損失を取り戻すための「マーチンゲール法」という手法があります。これは負けるたびに掛け金を2倍、4倍、8倍と2倍ずつ増やしていくというもので、理論上では勝つとそれまでの損失は帳消しとなり、収益はプラスになります。
FXであるなら、負けるたびにロット数を2倍ずつに増やしていきます。しかし、この方法はリスクが高くなります。
先に述べたように、FXは絶対に勝てるわけではなく、資金も無限ではありません。マーチンゲールで負けが続いてしまった場合、加速度的に掛け金、あるいはロットが上がっていき、簡単に証拠金を失ってしまう可能性が高まります。
そもそも「損失を取り戻そう」という思考状態だと、冷静な分析や判断ができなくなります。
普段の状態なら絶対にエントリーしないタイミングでも、「ここで勝てば損失を取り戻せるからとりあえずエントリーしよう」と、根拠のないトレードをして負けてしまい、さらに取り戻そうとロットをより大きくしてしまうというループに陥り、最終的に相場から退場してしまうケースにつながります。
私は何度も述べていますが、FXはギャンブルではありません。FXで生き残るためには、1回のトレードにおけるリスクをできる限り抑える必要があります。そのために資金管理を学び、実践することが重要なのです。
4.直近の相場から勝ちパターンを探る
私はFXで利益を出すために、勝ちパターンという考え方を提唱しています。
勝ちパターンは何かというと、あえて抽象的に書きますが、「相場の方から、おいしい局面なのでぜひエントリーしてください」とお願いされている状態のことです。
「ここでエントリーしたら勝てるかな?」という迷いは一切生じません。儲かって当然と判断できる形になっていることが、すなわち勝ちパターンです。
勝ちパターンを構成するものは、チャート分析やトレード手法だけではありません。資金管理、相場の地合、メンタルやマインドなど、全てが揃った状態こそ、勝ちパターンです。
ですが、現在のFXの業界では、チャート分析やトレード手法のみが追い求められているように感じます。
もちろんチャートや手法は大切なのですが、それらを単体で見るのではなく、それらを含んだ総合的な判断をしていくことが、FXを資産運用としてとらえていくベースになる考え方になります。
私が皆さんにお教えしている勝ちパターンは1〜10まであるのですが、現在注目の通貨ペアと分析の例を紹介します。
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