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イギリスポンドの今後の価格予想・見通しについて解説【お金マン】
アメリカドルやユーロに次いでFXにおいて人気を博しているのが、イギリスポンド。
ボラティリティが激しく、流動性も高いので、短期で為替差益を狙うトレーダーにとって、アメリカドルやユーロよりも魅力的に感じる人もいるようです。
実は、イギリスポンドは最近好調に推移しているのです。
今回の記事ではイギリスポンドの2021年の値動きと、今後の見通しについて解説していきます。
この記事を読めば、
- 2021年のイギリスポンドの値動きと好調の理由
- 今後のイギリスポンドの動向
- イギリスポンドの相場を見る上で注目すべき指標
を理解することができ、イギリスポンド投資への知見が深まります。
1.2021年のイギリスポンドの動向
まず2021年のイギリスポンド相場の推移を見ていきましょう。
年初は1ポンド=139円台からスタートしましたが、今年1年間は大きく上昇トレンドを描いています。
10月には1ポンド=158円台をつけ2018年以来の高値となっています。
2018年には英国で欧州連合(EU)からの離脱が決定し、それにより相場が急落した際の価格が156円でした。
6月から10月にかけては148円後半〜152円台でのボックス相場を形成していましたが、10月に入り年内最高値であった156円のラインを突破したことにより、158円にまで伸びていきました。
2.イギリスポンドがなぜ好調に推移していたのか?
2021年に入り、イギリスポンドはなぜ好調に推移していたのか、見ていきましょう。
以下3つが、イギリスポンドが好調に推移している理由です。
- 早期にワクチン接種が進捗したから
- 行動制限が緩和され、個人消費が復活したため、GDPが急回復したから
- BOEによる早期利上げへの期待されるから
それぞれ具体的に見ていきましょう。
イギリスポンドが好調な理由① 早期にワクチン接種が進捗したから
まず1点目について見ていきましょう。
イギリスでは2020年の12月からワクチン接種が開始され、2021年2月時点での接種率は世界で3番目に進捗している状態でした。
早期にワクチン接種が進んだことにより、経済活動の復興も早期に進んでいきました。
また、21年11月時点では人口の68.4%が必要回数の接種を完了しています。
ワクチン接種が進んだことにより、イギリスでの重症化数は昨年よりも顕著に下がっています。
10月からイギリスにおいてコロナウィルスの感染が再拡大しているものの、重症者患者数が下がっているため、大きな経済リスクにはなりづらい状況と言えます。
ワクチン接種が進捗していったことにより、新型コロナウィルスの経済へのリスクが下がったことが、イギリスポンドへの追い風となっています。
イギリスポンドが好調な理由② 行動制限が緩和され、個人消費が復活したため、GDPが急回復したから
2点目については、上記でワクチン接種が早期に進捗したことにより、イギリスでは早期にロックダウン解除、行動制限の緩和が実施されました。
その影響により経済活動が早期に復興していきました。
イギリス経済は小売業や観光業をはじめとしたサービス業が産業構造の中心のため、コロナウィルスでの行動制限が緩和され、人の移動が活発になると経済への影響がすぐに出ます。
4〜6月期のイギリスのGDPは前期比(1月〜3月)+4.8%と非常に好調な数字が発表されました。
年率換算すると約20%であり、経済が明確に回復に向かっている状態です。
イギリスポンドが好調な理由③ BOEによる早期利上げへの期待される
3点目については、早期のワクチン接種の進行とそれに伴う経済の早期回復により、イギリスの中央銀行であるBOE(イングランド銀行)が早期に利上げを実施するのではないか、という期待が現在高まっています。
コロナ禍において、BOEは継続的に経済政策の一環として利下げ・金融緩和政策を実施していました。
経済が思うように回復しなければ、現状の0.1%よりも利下げをし、マイナス金利も導入するのではないかという観測も出ていました。
しかし、ワクチン接種が想定以上のスピードで進捗し、早期の段階でコロナ対策の行動制限が緩和されていきました。
その結果、想定よりも早く経済活動の復旧が進み、GDPも成長していったため、マイナス金利導入どころか、現在の低金利政策の解除はいつなのか、という議論に発展しています。
利上げが行われれば、先進国の中で他国に先行する形になるので、イギリスポンドに買いが集まるのではないか、と期待されています。
これら3点の理由から、21年のイギリスポンド相場が好調を維持していました。
3.今後のイギリスポンドの見通しについて
ここまで、イギリスポンドの動向となぜ好調に推移してきたのかを見ていきました。
ここでは、今後のイギリスポンドの見通しについて解説します。
筆者の見通しとしては、短期的には横ばい〜下落、中長期的には上昇トレンドを描くことを想定しています。
短期的なイギリスポンドの見通しについて
まずは短期での相場想定を見ていきましょう。
短期的に横ばい〜下落を想定する理由は、
- 鉱工業生産指数が予想に反して減少
- BOEによる早期利上げの可能性が高まっていない
- 年初から上昇トレンドが継続したため、利益確定売りが入りやすい
からです。
先日発表された9月鉱工業生産指数が市場予想に反して減少に転じたことにより、ポンドの売り圧力が高まりました。
GDPは回復基調にありますが、まだ本格的な経済回復には至っていないことが、数値からわかります。
そのため、BOEは11月4日に、利上げを見送ることを発表しました。
市場関係者の多くが利上げを予想していたため、ネガティブなサプライズとなり、ポンドが売られました。
このようなニュースもあったため、年初から継続して上昇トレンドであったため、利益確定のため、買いポジションを決済する動きも見られました。
当面の間は、このようにイギリスの景気動向を示す指数の動きに左右される展開になりそうです。
年初からのチャートを見ると、149円台が現在のサポートライン(下値支持線)となっているため、下落するとしても149円台までの下落でおさまるでしょう。
短期的には149円〜153円台で推移する見立てです。
中長期的なイギリスポンドの見通しについて
一方、中長期的な見通しとしては上昇トレンドを描いていき、堅調に推移していく見立てです。
根拠は以下3つです。
- 行動制限撤廃による消費や雇用者数が今後増加に転じる
- ワクチン接種が進み重症化リスクが低減されているので、経済リスクが下がっている
- 中長期スパンで、三角持ち合いを上方向にブレイクアウトしている
1つ目については、イギリス政府はこれまでの行動制限について、10月以降は撤廃することを発表しました。
イギリスは産業構造上、小売や観光業などのサービス業が中心です。
そのため、行動制限が撤廃され内需が盛んになることで、消費が活性化し雇用者も増加していきます。
特に今後の失業率の改善やGDPの数値は注目すべきです。
2つ目については、イギリスではワクチン接種が進んでいるため、感染数が増えたとしても重症化リスクが減少しています。
実際に、10月以降イギリスでは感染数が増加しているものの重症化患者数は昨年よりも減少しています。
そのため、今後コロナが経済への重しとなるリスクは減少している状態と言えます。
3つ目については、下記のチャートをご覧ください。

過去5年間のチャートを見ると、2018年から下落トレンドが続いていましたが、現在のトレンドは三角持ち合いを経て上方向へブレイクアウトしています。
三角持ち合いができた後にどちらかの方向に動くと、その方向にトレンドが形成される可能性が高いです。
その傾向を鑑みると、三角持ち合いを上方向に向けて動いているため、短期的な調整局面を突破すれば堅調に推移していく可能性が高いと言えます。
このような理由から、イギリスポンドの中長期的な見立ては堅調であると判断しています。
4.まとめ
今回の記事では、
- 2021年のイギリスポンドの動向と好調の理由について
- 今後の短期的なイギリスポンドの見通しについて
- 今後の中長期的なイギリスポンドの見通しについて
解説しました。
イギリスはワクチン接種が早期に進捗していたため、比較的早期の段階で行動制限の撤廃が政府より発表されました。
今後の見通しとしては、短期的には調整の局面に入るものの、中長期的には堅調に上昇していくだろうと個人的には考えています。
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