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11月と12月の為替・FXはどうなる?年末年始に活かせる相場の法則とは【お金マン】
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今年も残り2か月となりました。
2021年は昨年から引き続き新型コロナウィルスに左右される1年となりましたね。
昨年末から年明けにかけて感染者数が増加し、9月までのほとんどの期間が緊急事態宣言が発令されていました。
外国為替相場は円安傾向が進行し、比較的堅調に推移してきました。
1月は103円台で推移していたドル円相場は、2021年11月時点では113円台と、約10%程度も円安になりました。
一方、ここまで思うように利益をあげられなかった方もいるかもしれません。
今回の記事では、11月と12月にかけて相場がどのように動いていくのか、年末年始に向けた投資情報をお伝えしていきます。
この記事を読めば、
- 11月と12月の例年の投資環境について
- 11月と12月のアノマリー
- 今年の11月、12月の見通し
について理解できます。
1.過去の11月の相場状況、アノマリーについて
まずは11月の相場状況について、過去20年間を遡ってみていきましょう。
過去23年間の月平均を見ると円高になる傾向にあります。
また、11月はその1年間の最安値や最高値をつけることが多い月です。
過去23年間中、7回円安の最大値を、2回円高の最大値をつけました。
傾向として見ると、11月は米ドル安円高になりやすいといえます。
この理由は下記2点が考えられます。
- ヘッジファンドの決算が12月に集まっているから
- 米国債の利払いのタイミングが11月だから
1つ目については、12月決算のヘッジファンドは下記の理由から保有ポジションを解消する動きが加速します。
- 顧客からの解約申し出
- 決算に向けて1年間の投資成績を確定させていく
ヘッジファンドに投資している投資家はファンドを解約する際に、決算日の45日前までに解約しなくてはならないというルールがあります。
12月決算のヘッジファンドが多く、11月は解約の締め切り期間に該当するため、保有ポジションを解消する取引が集まりやすくなります。
また、決算に向けてヘッジファンド側が1年間の投資成績を確定させるために、一度現在保有しているポジションを解消するファンドが増えてきます。
そのため、円高傾向になりやすいです。
2つ目の米国債の利払いについては、11月に米国債の利払いがあります。
米国債は全体の40%〜50%が海外投資家が保有しています。
そのため、利払いのタイミングで利払いされた米ドルは各地の通貨に交換される、つまり米ドルが売られて各通貨が買われます。
そのため、円高になりやすい傾向といえます。
ただ、近年はこの傾向が少し崩れ、円安にもなりやすくなっていますので、注意しましょう。
2016年〜2020年の5年間において、11月〜12月で円安になったのが3回、円高になったのが2回です。
2.過去の12月の相場状況、アノマリーについて
一方、年末年始にかかる12月はどのような傾向があるのでしょうか?
まず前提として、12月は値動きが激しく、収益を生みやすい投資環境だといえます。
2010年〜19年において、12月の平均値幅は3.734円と、毎年3月に次いで2番目の値幅の大きさです。
なぜ値幅が大きくなりやすいのかというと、12月になるとクリスマス休暇を取る市場関係者や投資家が増え、市場参加者が減るからです。
市場参加者が減り取引量が少なくなると、通常よりも少ない投資額で一方向に相場が動きやすくなります。
そのため、12月は値動きが荒くなりやすいのです。
また、アメリカでは12月決算の企業が多いです。
グローバル展開をしているような米国企業は、決算に向けて各地の通貨を米ドルに戻す取引を行うので、相場が動きやすくなります。
ただ、相場が動きやすいタイミングは限られています。
12月上旬〜中旬にかけて、アメリカ企業の決算によるドル買戻し取引の活性化や、為替相場に大きな影響を与えるFOMC連邦公開市場委員会の年内最後の会合があり、相場を動かす要因が多いです。
また、クリスマス休暇に入る前に保有しているポジションを解消し利益確定の売買が行われるため、相場が大きく動きやすいです。
一方、中旬以降になると欧米の市場関係者が長期間のクリスマス休暇を取る傾向にあり、取引市場が閑散としていきます。
このように12月は値動きが激しい相場になりやすいですが、円安・円高どちらに向きやすいのでしょうか?
値動きが荒いため相場状況を注意深く見る必要がありますが、どちらかというと円安になりやすいです。
直近5年間(2015年〜2019年)は、円安が3回、円高が2回でした。
円安になりやすい理由としては、先ほどもお伝えした
- アメリカには12月決算企業が多く、米ドルに戻す取引が活性化するため
- 欧米投資家は長期のクリスマス休暇を取ることが多く、利益確定のために米ドルを買う
ことがあげられます。
3.2021年の11月の見通し・注目イベント
11月は円高になりやすいというアノマリーがありますが、2021年の11月には当てはまらず、ドル高円安に触れる公算が高いです。
11月3日に開催されたFOMCにて、FRBは量的緩和施策の縮小テーパリングを決定し、毎月の資産購入額を150億ドル減少させるようになりました。
2022年6月には、資産購入を通した量的緩和政策が終了する見立てとなっています。
今後の焦点は、テーパリングの終了後の利上げのタイミングがいつになるかです。
3日のFOMCでは、現時点では明確に利上げのタイミングを決定しておらず、「忍耐強く」状況を見る必要がある、とパウエル議長は述べています。
利上げを実施するためには「最大雇用」に達している必要があるとのことですが、まだ最大雇用への道のりは長いとの見方を示しています。
一方、来年の後半には最大雇用を達成している可能性があるとの見方も示しています。
今後は、毎月の雇用統計の発表により、どれくらい雇用が伸びているのか、経済の復興がどれくらい進んできているのか、が焦点になります。
ちなみに11月5日に10月の雇用統計が発表されましたが、前月比の雇用増加数は53万人と、市場予想の45万人を大きく上回りました。
ワクチン接種が普及してきているため、アメリカの経済復興が進みやすくなっています。
また、2016年〜20年の11月のドル円相場は、5回中3回が円安に触れているということもあり、今年の11月のドル円相場は円安に振れやすいという公算が高いです。
4.2021年の12月の見通し・注目イベント
一方12月については11月の相場の動きによって流動的になるため、11月の状況を見て考えるべきですが、21年の年末においても円安に振れやすいと考えられます。
- 量的緩和政策の縮小
- 雇用状況を踏まえた経済回復期待
により、ドルへの買いが入りやすくドル高円安になりやすい公算が高いと言えます。
12月以降で市場関係者が注目しやすい内容は
- コロナウィルスからの経済復興の兆しが見えるかどうか
- 経済が元に戻っていき、金融政策が平時に戻るかどうか
です。
経済が元通りに復興していくことが確認され、金融政策が量的緩和のペースを落とし、ゆくゆくは金利引き上げへの動きが確認できれば、ドルに対する買いが入りやすくなります。
そのため、当面は経済指標への注目度がより高まります。
12月においては、下記の経済指標に注目しましょう。
12月2日 ISM製造業景気指数
12月3日 雇用統計(非農業部門雇用者数・失業率)
まずはこれらの経済指標を確認し、景気回復の強さがどの程度なのか確認しましょう。
5.まとめ
今回の記事では11月と12月のドル円相場の傾向について詳細に解説しました。
これまでは、11月は円高になりやすく、12月は円安になりやすい傾向でした。
ただ、ここ数年は11月・12月ともに円安で終わることが増えてきているため、アノマリーに縛られず現在の相場を見ながらトレードする必要があります
11月については経済指標が市場予想よりも良い数値が発表され、ドル高円安への期待感は高まっているので、ドル高円安になる公算が高いです。
12月についても、元々円安になりやすい月でもあり、景気指標の改善が見込まれてきている最近の流れもあるので、円安トレンドが継続するのでは、と考えられています。
今年も残り2か月です。
今回の記事を参考に11月・12月と利益を出すトレードをして頂ければと思います。
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