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2021/01/22
シストレ活用事例

コロナウィルスとドル円為替の影響について【お金マン】

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2020年の初頭からコロナウィルスの感染が拡大しはじめ、今や世界中を脅かす話題になっていますね。

一方で、アメリカではコロナウィルスのワクチンの開発が進んできており、少しずつコロナウィルス克服への光が見え始めている状況でもあります。

今回の記事では、コロナウィルスがドル円相場をはじめ為替相場にどのように影響を与えてきたのか、そして2021年はどのように為替相場が動いていくのか、解説していきます。

この記事を読めば、

  • 2020年の為替相場の振り返り
  • 過去に疫病が流行した時の為替相場について
  • 2021年の為替動向の見通し

について理解することができます。



2020年の為替相場の振り返り

まず2020年の為替相場の振り返りをしていきたいと思います。

下記のチャートをご覧ください。

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2020年初頭からの週足チャートになります。

2020年1月は107円から為替がスタートしました。

中国・武漢で新型コロナウィルスの感染が観測され始めたタイミングです。

一時期は112円台まで円安・ドル高が進みましたが、2月後半〜3月にかけて、全世界に新型コロナウィルスが飛び火していきました。

WHOがパンデミック認定をしたのもこのタイミングです。

また同時期に、アメリカで金融緩和・利下げが決定し、市場にドルの供給が大幅に増えました。

それらの影響もあり、世界中が混乱していく中ドル円為替も急速に円高・ドル安が進行していき、一時は101円台まで円高が進みました。

その後、急速な円高・ドル安の反動を受けて、ドル円相場は揺り戻し、一時110円台まで円安・ドル高が進行しました。

しかし、リスク選好により円安・ドル高になったのは、110円台までです。

リスク選好のスタンスは失速していき、リスク回避相場になっていき、じりじりと円高・ドル安相場になっていきます。

そして10月、ここ2-3年の強力な支持線になっていた105円台を割り込んでいきます。

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コロナウィルスのワクチン開発についての明るい報道を受けて一時期リスク選好の気運が高まり、円安・ドル高が進行し、11月初頭には再び105円台を突破しましたが、その後も失速し、現在は103円台にまで円高が進行しています。

支持線であった105円台は、今や抵抗線となって上値の重しになっている状況です。

また、11月に大統領選挙があり、バイデン氏が当選、下院ではバイデン氏の民主党が過半数の議席を確保する一方、上院では共和党が過半数の議席を確保しているため、いわゆるねじれ国会になりました。

政策遂行の停滞が懸念されている点も、ドル円相場の上値を抑制する要因の1つとなっています。



SARSの時のドル円相場について

2020年の為替相場を振り返った上で、2021年の為替相場の見通しがどうなるのか考えていきたいと思います。

現在の相場において、見通しを考える上で大切になるのが、過去の類似の状況において為替相場がどうなったのか、という点です。

まずは、2002年11月から2003年7月頃まで続いたSARSについて見ていきましょう。

下記のチャートは、2002年11月〜2003年のドル円相場のチャートです。

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2002年11月に中国にて初めてSARSの感染が確認されました。

その後、パンデミックに認定されました。

2003年7月にはWTOによるSARS終息宣言がなされましたが、その後も感染者数が完全には収まっておらず、リスク回避により円高・ドル安の傾向が続きました。

当時のSARSの影響でアジア経済を中心に世界経済は大きな停滞を迎えました。

300億ドル(約3兆6,000万円)もの経済的な損失が発生し、為替相場にも多大な影響がもたらされました。

当時はSARS以外にもアメリカとイラクとの情勢が緊迫化した影響もあり、景気の先行き不透明感が強く、ドル円相場もリスクオフの環境でした。

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新型インフルエンザ時のドル円相場について

2009年にも、新型インフルエンザという大きな疫病が、世界を揺るがしました。

2009年5月に初めて国内で感染が観測され、その後2010年8月の終息宣言まで感染拡大が続いてきました。

この当時のドル円チャートが下記になります。

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2009年の5月に国内での感染が初めて観測されてから、ドル円相場は円高・ドル安のトレンドが続いていました。

また2009年は前年にリーマンブラザーズの破綻に伴う金融危機が発生した影響もあり、ドル円相場全体としてリスクオフの円買い・ドル売りが行われていました。

景気を刺激するために、大規模な量的緩和(QE1)などが実施されたことも、円高ドル安のトレンドの後押しになりました。

サブプライムローンの焦げ付きからリーマンブラザーズが破綻したことで金融危機になったのに加えて新型インフルエンザの流行により、景気の先行きの不透明感が増大しました。

新型インフルエンザの初観測時にはドル円相場が100円台だったのが、終息宣言時には85円台まで円高が進むほど、リスクオフの相場になりました。



2021年のドル円相場の展望

過去の疫病の際には、経済の先行き不透明感と相まって円高・ドル安の傾向が続きました。

今回の新型コロナウィルスの状況では、ドル円相場はどのようになるでしょうか?

筆者は2通りのシナリオを想定していますが、結論として、「1ドル=100円のラインを割り込むかいなか」が分かれ目だと考えています。

  1. 1ドル=100円を割り込み、90円台に突入するリスクオフ相場・円高ドル安トレンドへ
  2. 100円を割り込まず、三角持ち合いを突破し、緩やかな円安・ドル高のトレンドへ

2つのシナリオのうち、前者をメインシナリオと据えています。

下記のチャートをご覧ください。

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直近10年間の月足チャートになります。

アベノミクスがスタートしてから円安トレンドが継続し、2015年に高値をつけた後、緩やかな円高トレンドになっているのがわかります。

ただ、2016年を除いて、支持線となっている1ドル=100円のラインは割り込んでいない状況になります。

このラインが、心理的な節目となる可能性が高いです。

もし、このラインを割り込むほど円高が進むようであれば、一気にリスクオフ相場が加速する可能性があります。

先ほど紹介した過去の2回の疫病の事例を見ても、疫病と経済失速・金融危機などがあわさることで、リスクオフが進んできました。

過去の歴史と照らし合わせると、今回も似たような状況になる可能性は十分あるかと考えています。

今回の新型コロナウィルスについては、全世界でまだまだ終息の兆しは出ていない状況です。

SARS時の300億ドルの損失(約4兆円)や新型インフルエンザ時の1兆4,000億ドル(約140兆円)と比べても、今回の新型コロナウィルスでは、今後2年間で世界全体で1,000兆円もの経済的損失が出ると試算されています。

昨年11月に新型コロナウィルスに対するワクチンが開発されたという明るいニュースがありながらも、一時的に円安に触れたのみでその後はドルが売られ、円が買われる展開になっています。

また、景気刺激策として、アメリカにおいても利下げの実行など、市場にマネーを供給する動きを取っており、これもドル売り・円買いの材料になります。

そのため、90円台に突入するほどの円高になる可能性を視野に入れて、中長期的な視点でドル円相場においてはショートポジションを取ることが、基本的な戦略になると考えます。



まとめ

今回の記事では、2020年のドル円相場について振り返り、過去の疫病時のドル円相場を振り返り、そのうえで2021年のドル円相場の展望について考えてきました。

歴史から学ぶとするならば、今回の新型コロナウィルスにおいても、過去の疫病時のように感染拡大+経済先行き不透明感+金融政策の観点から、円高・ドル安になる可能性が高いと考えています。

ただ、必ずしもこのようになるわけではないので、当面は1ドル=100円の心理的な節目のラインの攻防を注視する必要があります。

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著者プロフィール
お金マン
お金マン

2017年の仮想通貨バブルで投資の世界に参入。資産運用のためスワップポイント、自動売買に惹かれFXを開始。現在はスワップポイント等に限らず、レバレッジ取引、自動売買botの自作など、幅広くFXをしています。