お金の勉強サイト 金銭改革 お金の勉強サイト 金銭改革
2018/06/19
資産運用全般

資産運用では「退場しないこと」が最も重要?

4-5_11044024481.jpg

資産運用では「退場しないこと」が最も重要?

一般的に、「投資をするなかで最も重要なことは?」と質問されると「もちろん、どれだけ稼げるかでしょ!」と答える人が多いかと思います。

投資は利殖を目的に行うものですから、当然利益を出すことが前提です。しかし、これから投資をはじめる人がまず念頭に置かなければならないのは、「退場しないこと」です。その理由を説明していきます。

人は「損失を認めたくない」生き物

意外かもしれませんが、株にせよ、FXにせよ、こうした投資商品の売買を専門とする機関投資家でも、100%の勝率をあげられる人はいません。機関投資家の世界は厳しく、月単位での成績がマイナスになってしまうと、最悪解雇されてしまいます。そんななか、利益を出し続けていくには、利益を出すことももちろんですが、損失を出した場合にそれをコントロールしていく技術が重要なのです。

「損失をコントロールする」ということは、すなわち「含み損が発生した場合に、自分の戦略の間違いを認め、損切りを行うことで、損失を最小限にとどめる」ということです。言葉にしてみると簡単に聞こえますが、この「損失を認める」という点が、いざ実行してみると難しいのです。

心理学的に人間は、「今ある利益は早めに確定しようとし、損失の確定は先延ばしにしようとする」傾向があります。また、損失を確定させるということは、自分の失敗を認めることにもつながります。

こうした要因から、ポジションをとった後に反対方向に価格が動いて含み損が発生しても、素直に損切りができないことが多いのです。

損失を認められない人が取る行動は?

「損切りしたくない」と考える人がとる行動は、大きく分けて2つあります。

  1. ナンピン
  2. 塩漬け

一つ目のナンピンは、買いで入って含み損が発生した際に、もともとも購入単価よりも下の価格で再度買い増しを行い、平均購入単価を下げるやり方です。仮にナンピン後、中間地点まで価格が戻ればプラス・マイナスゼロになります。また初回に買った地点まで価格が上昇すれば、それよりも下の価格で買っているため、利益が発生します。

ナンピンはこうした理由から、損失を認めたくない投資家が心理的な負担を下げるためにやりがちですが、ここに罠があります。ナンピン後、そのまま下落した場合、ポジションが重なっていると大きな損失を招いてしまいます。特にナンピンしたくなるような相場では、そのまま反対方向のトレンドができがちです。ただ含み損による心理的負担を減らすためのナンピンは、損失を取り戻せる可能性と同じくらい、資産を大きく減らし退場につながるリスクがあります。

2つめの塩漬けは、含み損が発生した際に何もせずに放置することです。含み損は確定させなければ実際の損にはならないため、「いつか元の価格に戻ってくる」という淡い期待を抱いてポジションを解消せずに置いておくのです。急騰後の高値掴みなどのケースでは、塩漬けしても元の価格に戻るケースは少ないため、含み損が大きくなるばかりで、最終的に大きな金額で損切りし、資金の大半をなくしてしまうケースも少なくありません。

ファンドは3割の損失で解散する

ナンピンや塩漬けを行って、退場に至らないにしても、大きな損失となった場合、今後の運用にも支障がでます。例えば、顧客から資産を集めて運用するファンドの解散要件の一つは、「資産に対して3割の損失」です。投資のプロの世界では損失が資産の3割を超えた時点で「取り戻せない」と考えられているのです。

投資を専門としているプロでも取り戻すことが難しいのに、個人投資家が取り戻すのはなおさらです。3割の損失でとどめておくならまだしも、最悪、それを取り戻そうとして、半丁博打のようなトレードに手を出し資産をなくして退場というような事態も考えられます。

「感情」に振り回されないために損切りを自動化する

退場という最悪のケースを避けるために最もシンプルで効果的なのは「損切り」です。理想はポジションをとったあと、チャートが想定通りの動きをしない(自分の相場観と違う)と感じた瞬間にポジションを閉じるやり方です。その後チャートが想定通りの動きに戻れば、再度ポジションをとればいいですし、そうでない場合はエントリーを控えることで無駄な損失を回避できます。

一方こうしたやり方を機能させるには、個人の相場観やチャートを見る技術に依存するため、慣れないうちは値幅による損切りが最も効果があるでしょう。買いで入る場合、買い付けの注文と同時(約定後でも可能です)に逆指値注文を出しておくことで、強制的に損切りすることができます

逆指値注文では「買い付け価格から1円下がったら損切り」というように、あらかじめ設定した損切り注文をだすポイントを設定しておけますし、手動で損切り注文を出す必要がないので、感情が入り込む隙間がないというメリットがあります。

ただし、損切りの値幅をあらかじめ設定して置く際には2つの注意点を抑えておく必要があります。
まずは、一度設定したラインをずらさない、という点。前述のとおり含み損が増えると損失を認めたくないあまりに、当初設定したラインから1段下、さらに下がったらまた1段と、損切りラインを変更しがちです。これをやってしまうと、逆指値注文を使う意味もありませんし、ズルズルと損失を広げてしまいます。
また、損切りになるのを避けるあまり、10万円の利益を狙うために20万円下に損切りラインを設定する、というように、取るリスクとリターンの比率がマイナスになるような値幅での損切り注文は避けましょう。

こうした値幅による損切り注文を駆使できるようになれば、損失を限定することができ、退場になる事態を避けつつ、戦略が立てやすくなります。

 

まとめ

人は損失を認めづらい生き物です。プロでも損失が3割を超えると取り戻せない世界なので、個人投資家はなおさら損失には厳密に対処できるようにしましょう。特に手動が難しいようであれば、自動的に決済してくれる損切り注文を利用するのも効果的です。

この記事もチェック!

損切り失敗で大損害?!FX初心者が陥りやすいワナ、解決策はシストレ!

FXトレードでの悪い習慣10選