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2018/05/31
シストレ活用事例

なぜ豪ドル円はB80の運用が一番勝てるのか【秋川匡人】

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なぜ豪ドル円はB80の運用が一番勝てるのか

前回の記事(なぜ豪ドル円の買いでループイフダンを運用しているのか【秋川匡人】)では、ループイフダンで豪ドル円の買いを運用している理由を解説していました。この記事では、なぜループイフダンの買いの中でも、値幅80銭(B80)で運用しているかを解説します。

 

■証拠金を揃えないと比較ができない

 

私のトレードに対する根幹的な考え方なのですが、ある2つの運用を比較する際、両者のリスク(=証拠金)が同一でなければ、そもそも比較が成立しないというものがあります。

 

例えば豪ドル円のB20とB80のどちらが有利かを比較する場合、両者のトレード枚数を同じにする必要があります。

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こうして図にすると分かりやすいと思います。B20が1000通貨取引なら、B80は4倍の4000通貨取引をすることで、80銭動いた場合のポジション保有数はおおむね同一になります。

 

このリスクがほぼ同一でなければ、比べることができません。ループイフダンなどの解説記事でたまに見かける、「資金がある人は狭い値幅で積極運用を、資金がない人は広い値幅で安全に運用しましょう」という表現は、リスクを揃えていない典型例です。

 

■図で見ると明らかにB80の方が有利

 

さて、私は豪ドル円の中では二番目に広いB80で運用しているわけですが、これにはちゃんとした理由があります。

 

※運用開始をした2016年時点では、B80は最も値幅が広い運用でしたが、2018年にB100が追加されました

 

まず、実際に検証をする前に値動きをシミュレーションしてみたところ、どう考えてもB80の方が有利なのです。

こちらの図は、最初に出てきた図で80銭下落したところから、切り返すように一気に80銭上昇した場合のイメージ図です。

 

B80は4000通貨×80銭なので+3200円ですよね。

 

それに対して、B20は1000通貨×20銭×4なので+800円です。

 

あくまで、V字型の極端の値動きをした場合ですが、広い値幅に大きな枚数を張った方が圧倒的に収益率は高いのです。逆にいえば、狭い方のB20は4倍の利益差を埋めるために、20pipsの利食いをたくさん繰り返さないといけません。

 

このように実際に検証する前の時点で、どう考えても80銭の方が有利だろうという感覚はありましたが、実際の検証でもそれを裏付ける結果となりました。

 

■フォワードテストの結果もそれを裏付けている

 

アイネット証券のループイフダンでは、デモトレードの機能がありますので、実際のお金を使わなくても時間をかければ、ループイフダンの設定ごとの収益がフォワードテストできます。以下の設定で2016年10月〜2017年9月までテストをしてみました。

 

豪ドル円:B20の1000通貨vs B80の4000通貨

ドル円:B25の1000通貨 vs B100の4000通貨

ユーロ円:S40の1000通貨 vs S120の3000通貨

ポンド円:B50の1000通貨 vs B150の3000通貨

 

もちろん全ての組み合わせで、値動きあたりの取引枚数は同一、つまりリスクは揃えてあります。

 

こちらの条件の一年間の運用結果は以下のようになりました。

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豪ドル円とドル円、ポンド円で値幅が広い方が年間利益率が高かったです。その差は1.5%以上。例えば銀行の普通預金だったり、国債を買う場合において、年間利益率が1.5%違えば、それはもうとてつもない差になるはず。それくらい、狭い値幅より広い値幅の方が収益性が高いという結論になります。

■値幅が広い運用の問題点

 

値幅が広い運用は、強いメンタルが求められます。なぜなら、圧倒的に約定回数が少なく、「トレードをやっている感」が希薄だからです。

 

例えば2017年のようなボラティリティが低い時期なら、1週間に1度もトレードがないことすらありました。こういう状況で、焦って枚数を増やしたり、値幅を狭くしたりしない、安定したメンタルが必須です。

 

確かに、狭い値幅の運用なら毎日の何回も売買通知が来ますから、FXを積極的にやっているという満足感は得られます。

 

ですが、すでに見てきたように、お金の面でいえば狭い値幅は不利です。これまで解説してきた内容に加え、値幅が狭いと売買回数が多くなるためスプレッドを支払う回数も多くなりますし、決済まで早いためオーバーナイトになりにくく、スワップ収益も少し減ります。

 

私が運用してるブログはこちら。ループイフダンの実運用成績を毎週公開しています。また、ドル円、豪ドル円、ポンド円、ユーロ円、ユーロドルのループイフダンの運用比較も毎月行っています。

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なぜ豪ドル円の買いでループイフダンを運用しているのか【秋川匡人】


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