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ロシアルーブル/円の動向・今後の見通しは?【お金マン】
国土面積1,710万?を誇るロシアは、ブラジル、中国、インドとともにBRICsと称される新興国群の1つにあげられています。
そんなロシアは、2020年から世界的に低金利政策が取られる中で相対的に高い金利を誇る高金利通貨の1つです。
しかし、意外とロシア経済や、ロシアの通貨・ロシアルーブルについてあまり知らない方もいるのではないでしょうか?
今回の記事では、ロシアの経済的特徴やロシアルーブルの2022年の見通しなどについて徹底解説します。
この記事を読むことで、
- ロシアルーブルがなぜ高金利なのか
- 今後の見通しはどうなのか
が理解でき、投資対象としてロシアルーブルの魅力に気づくはずです。
1.ロシア経済の特徴
ロシア経済の特徴は、何といっても豊富なエネルギー資源を有している点にあります。
2020年時点で、ロシアはアメリカ・サウジアラビアに次ぐ世界第3位の原油生産国であり、またサウジアラビアに次いで世界第2位の原油輸出国です。
ロシアのGDPの約40%が、原油や天然資源エネルギーをはじめとした鉱工業で構成されています。
原油以外にも、天然ガスの埋蔵量は世界第1位で、世界全体の約25%を占めています。
2003年以来、世界経済の発展にともない石油・原油への需要が高まり、原油価格が上昇していったことから、ロシア経済は急速に発展していくことになります。
このような産業構造になっていることから、原油価格が上昇している時は恩恵を受けやすい一方、原油価格が下落するとロシア経済にも大きな悪影響がもたらされるという特徴がロシア経済にはあります。
2.ロシアの財政状況
現在のロシアは、税金などの歳入と、中央政府と地方政府の支出額(歳出)はほぼ同額ほど、3%前後の財政赤字である状態です。
ほとんど借金をせずに年間の歳出を賄えている状態です。
また、政府が抱える借金(債務残高)は2021年時点で対GDP比約18%です。
一方日本は、年間の歳出の3分の1は新規国債の発行、つまり借金をして賄っている状態です。
また、日本政府の借金は対GDP比256%です。
ロシアの財政の健全性の高さがうかがえます。
このようにロシア経済の財政が良好なのは、1998年に陥った財政破綻懸念での教訓からです。
財政危機が発生してからは、ロシアの財政は徹底的に管理されるようになり、コロナ禍の今でも、プーチン大統領のもと緊縮財政が継続されています。
3.ロシアルーブルに影響を与えるもの
ロシアルーブルへの投資を考える上で、下記の3つがロシアルーブルを動かす要素となります。
- 原油価格の動向
- 政策金利をはじめとした金融政策動向
- 地政学リスク
それぞれ下記で解説します。
原油価格の動向
ロシアルーブルを動かす1つ目の要素は、原油価格の動向です。
ロシア経済は先ほど解説した通り、産業の約40%を原油・天然エネルギー資源で構成されています。
そのため、原油価格などエネルギー資源価格の動向が、ロシアルーブルを大きく動かします。
下記が2021年のロシアルーブルのチャートです。
一方、下記が2021年の原油価格のチャートです。
5月から7月にかけて原油価格が上昇するに連動する形で、ロシアルーブルも上昇しています。
その後7月から9月にかけては原油価格が下落したことを受けてロシアルーブルも下落しています。
その後、9月から11月にかけて原油価格が高騰したことからロシアルーブルも急上昇しています。
このように、ロシアルーブルと原油価格は連動性が強いため、原油価格の動向は欠かさずチェックするようにしましょう。
政策金利をはじめとした金融政策動向
ロシアルーブルを動かす2つ目の要素は、政策金利をはじめとした金融政策動向です。
ロシアルーブル以外の通貨もそうですが、高金利通貨は比較的買われやすく、低金利通貨は売られやすい傾向にあります。
その点から、金利政策を踏まえた金融政策動向を見ることが大切です。
コロナ禍になる前は7.75%あったロシアの政策金利は、2020年12月には4.25%にまで引き下げられます。
2021年以降は断続的に0.5%程度ずつ政策金利が引き上げられることになり、2021年12月には8.5%にまで引き上げられています。
昨今の原油価格上昇をうけてロシア国内ではインフレ率が高騰していることもあり、政策金利を今後も断続的に引き上げていく可能性があります。
地政学リスク
ロシアルーブルを動かす3つ目の要素は、地政学リスクです。
地政学リスクとは、特定の地域にて発生する政治的・軍事的なトラブルのことを指します。
ロシアは中国やヨーロッパと地理的に距離が近いため、政治的・軍事的な課題や事件に巻き込まれるケースがあります。
現在ですと、カザフスタンをめぐる問題だけでなく、ウクライナ国境付近での大規模軍隊演習を実施したことから欧米との関係が急速に悪化しています。
このように地政学リスクがはっきりし、投資家からリスクと捉えられると、ロシアルーブルは売られやすくなりますので、注意が必要です。
4.2021年のロシアルーブルの動向
ここまでロシアルーブルの特徴やロシアルーブルを動かすファクターについて見ていきました。
それでは、2022年の見通しを見る前に、2021年のロシアルーブルについて振り返りましょう。
1月から3月にかけては原油価格が下落していたことから、ロシアルーブルも下落からスタートします。
その後、5月から7月にかけて、9月から11月にかけて原油価格が急騰していくにともなってロシアルーブルも連動して上昇していきます。
またこの間に政策金利が4.25%から8.5%にまで引き上げられていることもあり、ロシアルーブルには追い風が吹いていた格好となります。
一方、21年の年末年始にかけてウクライナ国境付近での軍事演習が引き金で欧米諸国との関係が冷え込んだことから地政学リスクが意識され、下落に転じて21年を終了します。
5.2022年のロシアルーブルの見通し
2022年のロシアルーブルの見通しとして、基本的にはロシアルーブルには「買い」でエントリーし、値上がり益と金利収入の双方を狙っていくべきと考えます。
- 国内インフレ率の高まりから、今後も政策金利を引き上げる必要性があるから
- 原油の需給ひっ迫は当面続き、原油価格が下落する兆候が見られないから
が理由です。
1つ目の理由について、2つ目にもつながりますが、原油価格の高騰が続き、世界的なインフレが続いています。
そのため、ロシアとしてはインフレ抑制の必要があるため、金利を継続的に引き上げていかざるをえないのです。
そのため、高金利通貨として投資妙味のある通貨となります。
2つ目については、原油の主要生産国は、今後も小規模の増産にとどめる方向性であることを発信しています。
そのため、生産量が今後も伸びないことから原油の需給関係のひっ迫が継続し、原油価格は堅調に推移することが見込まれます。
そのため、ロシアルーブルも堅調に推移していく可能性が高いと筆者は考えます。
ただし、カザフスタンの問題やウクライナ問題などをはじめとした地政学リスクが意識されるようになるとロシアルーブルには向かい風となり、下落の可能性があります。
今後軍事介入などの可能性もゼロではないので、そうしたニュースには細心の注意を払いましょう。
6.まとめ
今回の記事では、世界でも有数のエネルギー大国であるロシアルーブルについて、2021年の振り返りと2022年の見通しについて解説しました。
また、その前提知識として、ロシア経済の特徴やロシアルーブルを動かす要因などを紹介しました。
今後も値上がり益を狙え、高金利通貨ならではの金利収入を狙えますので、投資妙味のある通貨といえます。
是非この機会にロシアルーブルへの投資に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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