このエリアにHTML要素を追加する
メキシコペソ/円の動向・今後の見通しは?【お金マン】
新興国通貨の中でも、金利の高さと値動きの安定性が比較的高いことから注目を集めているメキシコペソ。
中南米に位置し、アメリカ経済の発展の恩恵を受けやすいため、アメリカ経済の復活を背景に経済復興の状況が続いています。
今回の記事では、メキシコペソのこれまでの値動きについては今後の動向について詳細に解説します。
1.メキシコ経済について
メキシコは北アメリカの南部に位置する中南米を代表する新興国の1つです。
中南米の中ではブラジルに次いで経済規模の大きい国です。
銀などの鉱物資産が豊富で、隣接するメキシコ湾では石油や天然ガスが産出される、いわゆる資源国通貨です。
隣接しているアメリカが最大の貿易相手であり、輸出全体の約8割、輸入全体の約5割がアメリカとの取引です。
このような特徴を持つため、メキシコ経済やメキシコペソの相場は
- 原油価格の動向
- 政策金利の動向
に影響を受けることになります。
メキシコペソと原油価格との関係性
メキシコは隣接するメキシコ湾で石油や天然ガスが産出されている、いわば資源国通貨と言われる国です。
そのため、メキシコペソの為替推移と原油価格の推移は連動性が高いです。
下記はメキシコペソの為替チャートです。
3月から6月頃、9月から10月頃から11月にかけてペソ相場は上昇しています。
一方11月末から12月にかけて大きく下落していることがわかります。
次に、下記の原油価格推移をご覧ください。
3月から7月にかけて、9月から10月にかけてメキシコペソ相場と似たような形で上昇しています。
一方11月から12月にかけて大きく下落していることがわかります。
このように、メキシコペソは原油価格の値動きに影響を受けやすい通貨と言えます。
メキシコペソの政策金利推移
資源国通貨として比較的高い政策金利で推移してきたメキシコペソですが、現在の政策金利は5.5%(2021年12月)です。
2018年12月から2019年7月まで8.25%を誇っていましたが、その後は利下げ方向に動いていました。
2019年12月から新型コロナウィルスによる経済活動の制限にともない、メキシコ中央銀行は利下げにて景気回復対策を実行してきました。
2020年1月は7.25%あった政策金利は、2021年5月には4.0%にまで引き下げられました。
その後、原油価格の高騰からインフレが加速したことを受け、5ヶ月連続で政策金利が引き上げられ、5.5%にまで回復しています。
同じ資源国通貨と呼ばれるグループには、
- オーストラリア
- ニュージーランド
- カナダ
- 南アフリカ
などがあります。
それぞれの政策金利は下記です。 ? ? ? ? ? ? ? ? ?
- メキシコペソ:5.5%
- オーストラリアドル:0.1%
- ニュージーランドドル:0.75%
- カナダドル:0.25%
- 南アフリカランド:3.75%
同じ資源国通貨の中では、メキシコペソは相対的に高金利通貨です。
2.メキシコペソの2021年の為替動向
2021年のメキシコペソは、下記のチャートの通り推移していきました。
2020年は新型コロナウィルスによる経済活動の自粛の影響を受けて、歴史的安値圏内にメキシコペソは下落しました。
その後、2021年においては安定的に上昇トレンドが継続していきました。
1メキシコペソ=5.2円台で始まった2021年は、春先の3月から夏場にかけて上昇していき、1メキシコペソ=5.6円台にまで上昇しました。
その後、11月までは1メキシコペソ=5.4円から5.5円のボックス圏内で推移していました。
11月になると、WTI原油価格が急落したことをうけて、メキシコペソも1メキシコペソ=5.5円台から5.1円台に急落しました。
その後は原油価格が再度上昇したことをうけて、メキシコペソも5.5円台にまで回復しています。
3.2022年のメキシコペソの注目ポイント
2021年の動向について振り返ったところで、2022年の注目ポイントについて見ていきましょう。
- 原油価格の動向
- 政策金利をはじめとした金融政策動向
- 移民問題・追加関税措置問題の動向
それぞれ具体的に見ていきましょう。
原油価格の動向
1つ目の注目ポイントは、原油価格の動向です。
メキシコペソは記載した通り、原油価格の影響を受けやすいです。
原油価格が上昇すればメキシコペソも上昇し、原油価格が下落すればメキシコペソも下落する傾向にあります。
では原油価格の2022年の動向はどうなるでしょうか?
今年の原油価格は、2021年と比較すると急上昇するような展開は見込めないですが、緩やかに上昇基調になることが想定されています。
理由としては、
- 新型コロナウィルス・オミクロン株による経済活動へのマイナス影響が想定よりも少ない
- OPECによる原油の減産が2022年末まで延長した
があげられます。
原油に対する需給関係は当面ひっ迫する可能性があるため、原油価格は引き続き上昇基調になる可能性があります。
政策金利をはじめとした金融政策動向
2つ目の注目ポイントは政策金利をはじめとした金融政策動向です。
新型コロナウィルスの影響を受けて、2020年から21年にかけて世界的に金融緩和政策による低金利が続いていました。
ところが、21年下半期からアメリカではテーパリング(金融緩和の縮小)に舵を切り、今後は利上げの方向性に動くことが想定されます。
一方で、メキシコペソにおいても国内のインフレが加速している影響から、インフレ抑制を目的に2021年5月から断続的に利上げが行われています。
ところが、国内インフレが抑制される兆候が見られないため、当面はメキシコでは利上げが行われる可能性が高いです。
利上げされる通貨には買いが入りやすいという特徴を考えると、メキシコペソは安定的に買いが入る展開が想定されます。
移民問題・追加関税措置問題の動向
3つ目の注目ポイントは移民問題・追加関税措置問題の動向です。
メキシコは、最大の経済取引相手といえるアメリカとの間に、不法移民のトラブルが生じています。
合計約1,200万人とメキシコ全体の人口の10%程度が不法にアメリカに移民していることを受け、その対抗措置としてメキシコ製品に対して追加関税措置を取っています。
追加関税措置はメキシコ経済にとって悪影響となっています。
メキシコからのアメリカへの不法移民問題は、現状では解決の見立てが立っておらず、メキシコ経済の足枷になっています。
不法移民問題についての両国の関係がどのように発展していくか、今後のメキシコペソ動向を占う鍵となります。
4.2022年のメキシコペソの見通し
上記のポイントを受けて、メキシコペソは2022年も上昇トレンドを継続する見立てとなります。
不法移民問題というリスクが残っているものの、
- 原油に対する需給関係が引き続きひっ迫する可能性がある
- 国内インフレの抑制として、金利を今後も引き上げる可能性が高い
という観点から、メキシコペソを下支えする材料があります。
ただ、急激に上昇する展開というよりも、上がり下がりを繰り返しながら緩やかに上昇していく展開が想定されます。
5.まとめ
今回の記事では、メキシコペソの2021年の振り返り・2022年の今後の動向について詳細に解説しました。
解説するにあたって理解すべき前提知識として、メキシコ経済の特徴やメキシコペソに影響を与えるポイントについても見ていきました。
結論として、2022年のメキシコペソは2021年から引き続き緩やかに上昇トレンドが継続する見通しとして考えます。
相場が緩やかに上昇する見通しであることに加え、新興国の中でも相対的に高金利通貨であるため、メキシコペソを買いのポジションを取れば、値上がり益と金利収入の両方を狙えます。
是非この機会にメキシコペソへの投資に挑戦してみてはいかがでしょうか。
参考)ループイフダンとは?
参考)FX自動売買のおすすめランキング
参考)アイネット証券の評判・口コミを紹介
アイネット証券の口座開設はこちらから
《今すぐ始めるFX投資》タイアップキャンペーン
口座開設+10ロット以上取引でAmazonギフト券3,000円分プレゼント!
アイネット証券の口座開設はこちら
著者の他の記事も読んでみよう
【注意事項】
- 本レポートは筆者の主観及び経験に基づき執筆されており、内容の正確性や完全性を保証するものではありません。筆者及び株式会社アイネット証券は、本レポートの利用あるいは取引により生ずるいかなる損害の責任を負うものではありません。
- 本レポートはあくまでも参考情報であり、筆者及び株式会社アイネット証券は、為替やいかなる金融商品の売買を勧めるものではありません。取引を行う際はリスクを熟知した上、完全なる自己責任において行ってください。
- 当コラムにてループイフダンの実績を紹介する際に使われている「年利」は元金に対する年間の利益率を指しており、金利や利息を指すものではありません。
- 筆者及び株式会社アイネット証券の許可無く当レポートの全部もしくは一部の転送、複製、転用、検索可能システムへの保存はご遠慮ください。