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2018/08/15
シストレ活用事例

山中康司のループイフダン戦略レポート(2018年8月号②)

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ループイフダン「2018年8月の戦略」月中レビュー

8月1日に示した各通貨ペアの戦略と現時点における状況を見ていきます。

?説明中に出て来る各レートは、斜線部分の「黄緑のライン」のレートとその上下の「ピンクのライン」のレートです。ピボット「緑点線のライン」(P)を中心に、上側の黄緑のラインを(R1)、上側のピンクのラインを(R2)と示し、下側の黄緑のラインを(S1)、下側のピンクのラインを(S2)と示しています。

また、それぞれの月においてS2以下がゾーン1、S2〜S1がゾーン2、S1〜Pがゾーン3、P〜R1がゾーン4、R1〜R2がゾーン5、R2以上がゾーン6を示しています。

(詳細は『確率を味方につけるループイフダン戦略』をご参照ください。)



●ドル円

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8月15日までのレンジ=110.11〜112.15

?8月前半は米中間の貿易摩擦が激化する中で日米通商交渉に向けての警戒感からじりじりと円高が進んでいました。そこへ週末を挟んで10日、13日とトルコリラ暴落の動きによってリスクオフの円買い相場となり、一時110円の大台目前まで円高が進みました。しかし、その後は落ち着きを取り戻し底堅い株価とともに下げる前の水準へと戻してきています。

?8月の戦略はSタイプを考え「S25」で1万通貨単位、最大ポジション数10で運用を開始しましたが、ドル安が進み110.34(S1)に到達しましたので、売りポジションを全て利食い、月末まで「B25」に買い転換しています。現時点でのポジションは1単位、620円の含み損となっていますが、上昇局面での売り直しを待っている状況となっています。また月末前に111.76(P)まで戻したら買いポジションは利食い月末までポジションは持ちません。ここまでの確定損益は39,852円の利益です。



●ユーロ円

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8月15日までのレンジ=125.15〜131.11

?7月前半はポンド安の動きがユーロの上値を抑える中で、テクニカルに三角もちあいを下抜ける動きとなったことがユーロ売りを誘う結果となりました。さらにECBがEU内の金融機関が持つトルコの資産に対して懸念を示したことでユーロが売られ、ユーロ売りがトルコリラ売りに発展、さらにトルコリラ暴落がユーロ売りへと戻りとユーロ円もまた急落の月前半となりました。

?8月の戦略は「S40」での運用を開始しましたが、ユーロ安が進行し128.59(S1)に到達したため、売りポジションを全て利食い月末まで「B40」に買い転換したところ、ユーロ安が止まらず126.81(S2)以下のユーロ安となったため、運用STOPとして月末まで既存ポジションのみの運用となります。現時点でのポジションは5単位、71,050円の含み損となっていますが上昇局面での売り直しを待っている状態となっています。

?今回は値動きが大きいので現時点でのポジション5単位の建値も示しておきます。128.251、127.851、127.451、127.051、126.651(到達した直後のポジション)です。それぞれループイフダンの設定で建値の40銭上での利食いと、4円下での損切設定が仕切注文として出ています。なお、ここまでの確定損益は27,817円の利益となっています。



●ポンド円

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8月15日までのレンジ=140.25〜147.15

?8月前半のポンド円は暴落と言ってよいほどの下げを演じ月初から今週月曜まで2週間で7円近い下げを演じています。ユーロ円の項目に書いた売り材料に加え、英国材料としてブレグジットの不透明感が更にポンド売りの動きを加速しました。このことはユーロポンドが下げている(ユーロ買い・ポンド売り)ことでも確認できますが、弱い通貨どうしで一段と下げる競争をしていたようなものです。

?8月の戦略は押し目「買い」の逆張り戦略となっていましたので「B50」での運用を開始しましたが、早々に145.01(S1)以下のポンド安となったために、その時点で運用は停止しています。質問もありましたので繰り返しとなりますが、B50の場合はループイフダンに損切設定をした場合、利食いが50銭、ストップロスが5円(利食い幅の10倍)となります。8月は1単位が利食い、4単位が損切設定で引っかかったことから194,950円の確定損失に終わりました。月末まで新たな取引は行いません。

?このようにポンドの場合、最大ポジション数を10としても、思惑とは逆に動いた場合には一定のポジションで抑えられること、また損切設定により損失額も限定されることから値動きの割には許容範囲内の損失に留まることとなる訳です。



●豪ドル円

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8月15日までのレンジ=79.99〜83.12

?8月前半は9日まで豪ドル円はほとんど動意の無いままに経過しましたが、トルコリラショックによるクロス円全体での円買いが広がったことから豪ドル円もまた下げる動きとなりました。また安値が79.99レベルと80円をわずかに割り込む動きは、これまで数か月にわたって続いたレンジ相場を下抜ける動きでもあり、そのことが下げた後の豪ドル円の戻りを鈍くしています。先週末以降の豪ドル円はこのようなテクニカルな要因によって上値が抑えられている面も強いと思われます。

?8月の戦略は、「売り」の「S20」でスタートしていますが、先週の下げで81.18(S1)に到達しましたので、売りポジションを全て利食い月末まで「B20」に買い転換しています。現時点でのポジションは1単位、430円の含み損となっていますが上昇局面での売り直しを待っている状態となっています。またここまでの確定損益は60,137円の利益となっています。



●ユーロドル

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8月15日までのレンジ=1.1320〜1.1700

?8月前半のユーロドルはテクニカルな観点でサポートラインを下抜いたことから、仕掛け的なストップのユーロ売りも加わって下げが先行しました。その後いったんは買い戻しの動きも見られたものの、ECBが欧州の銀行が持つトルコ資産に対して懸念を示したことからユーロ売りとなり、さらにそれがトルコリラの急落へと発展、さらにユーロに戻ってユーロの一段安というのが8月前半の動きとなっています。

?8月の戦略はもみあいを想定した押し目「買い」の逆張り戦略「B40」での運用を開始しました。しかしながら開始早々に1.1576(S1)以下のユーロ安となったため運用を停止し、月末まで既存ポジションのみの運用とします。現時点でのポジションは3単位(それぞれ建値は1.16944、1.16544、1.16144)で、109,560円の含み損となっていますが上昇局面での売り直しを待っている状態となっています。それぞれ、ループイフダンの設定で利食い40pipsと損切設定400pipsの仕切注文が出ています。また前半の確定損益は、前月からの繰り越しポジションが損切設定で損失となった2単位を含めて75,714円の損失となっています。

?8月前半は久しぶりの大荒れ、かつ一方向のトレンドが出るというループイフダンにとっては苦手とするマーケットですが、現時点での確定損失は想定内の損失額ですし、ユーロ円、ポンド円、ユーロドルの含み損は大きめではあるものの、損切設定で引っかかった場合でも来月以降に十分に取り返せる金額であると考えられます。



【参考】

フィボナッチ・ピボットをもっと詳しく

◆山中康司の確率を味方につけるループイフダン戦略とは?

ピボットをもっと詳しく

◆テクニカル解説集 ピボット|アイネット証券



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著者プロフィール
山中康司
山中康司
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析と独自のサイクル分析を融合させたトレンド分析には定評がある。ループイフダン関連書籍『マンガでわかる FXの新常識ループ・イフダンでらくらく稼ぐ』を監修。