相場はランダムに動いていない?押さえておきたい3つの視点
相場はランダムに動いていない?押さえておきたい3つの視点
FX取引において、最も重要な要素の一つが「値動き」です。チャートを使ったテクニカル分析が得意なトレーダーは、値動きとそこから導き出されるテクニカル値などを見て取引していますし、金利や経済指標、ニュースなどから価格を予測するファンダメンタルズ分析を行うトレーダーにしても、取引タイミングや方向性を知るためにチャートで値動きをチェックしています。
しかし、値動きをチャートで見ることに慣れていない人にとって、あっちへ行ったりこっちへ行ったりと「ランダムに動いているのでは?」と思うような値動きをすることがあります。
実際、FXは世界中からトレーダーが参加するため、あらゆる思惑が入り混じり複雑に動きます。しかし、まずは「3つの視点」を押さえて相場の状態が把握しましょう。
3つの視点で相場を見る
3つの視点とは「上昇トレンド」「下降トレンド」「レンジ」のことです。ひとつずつ説明していきます。
まず上昇トレンドとは、その名のとおり値動きが上向きのに推移している状態のことです。上昇トレンドの場合、高値をその後の値動きで更新していくことによって、チャート上では右肩上がりの形をつくります。
下降トレンドは上昇トレンドと反対に、値動きが下方向に推移している状態のことです。安値を更新し続けるのでチャート上では右肩下がりの形をつくります。
最後にレンジですが、これは「トレンドが出ていない状態」のことを示します。多くの場合、高値と安値が更新せず一定の幅で行ったり来たりする、横ばいの形で推移します。
以上の3つの傾向を当てはめて、「今がどの状態なのか」を把握しておくだけで取引すべきかしないかの判断がしやすくなるため、トレードの役に立ちます。
トレンド相場は売り手と買い手のバランスに偏りがある状態
トレンドとレンジの違いをもう少し詳しく見ていきます。
相場には「売りたい人」と「買いたい人」が混在しています。買いたい人は、できるだけ安く買って高く売りたいですし、売りたい人はできるだけ高く売って、安く買い戻したいと目論んでいます。そのため相場は、そうした人の思惑が交錯して綱引きのような状態にあるといえます。
トレンドができる、ということはつまりこの綱引きのバランスが崩れ、上昇・下降のどちらかに偏ってしまうことです。そのため、価格は一方向に動きますし、一度トレンドが発生するとまるで慣性の法則のように、しばらくトレンド方向の値動きが続くことが多いのです。
こうしたトレンドが発生している場合、上方向に出ていれば買い、下方向に出ていれば売りというように、トレンドが発生している方向と同じ方向にエントリーすることを順張り(トレンド・フォロー)といいます。
順張りでは、仮に買いでエントリーした後に値下がりした場合、高値掴みとなってしまうリスクがあります。その反面、強い上昇トレンドに乗ることができれば大きな利益を期待することができます。
レンジは売り手と買い手が均衡している
一方でレンジは、相場の綱引きでいえば、売りと買いが硬直し均衡が取れている状態です。前回高値と前回安値の付近で折り返し行ったり来たりを繰り返します。
レンジでは基本的に前回高値・安値付近での折り返しを狙った逆張りが主な戦略となります。ただし、一度レンジが突破されると、トレンドが発生し大きな値動きになることがあるので、損切りラインの設定をして損失に備えておく必要があります。
また、レンジはトレンドが発生する準備期間ととらえることができます。そのため、レンジが破られるのを待って、その方向に順張りする「ブレイクアウト」戦略を使うのも一つの手です。
しかし、そうはいってもトレンドの無い相場で取引するのは売買タイミングが掴めず、上級者でも取引しづらいため、いっそ裁量トレードではなく、ループイフダンのようなレンジ相場に強いリピート系の自動売買(システムトレード)を使うのも考え方の一つでしょう。
まとめ
投資をはじめたばかりの初心者にとってみると、チャートはランダムに動いているように見えますが、実は「トレンド」と「レンジ」の視点を入れると格段にわかりやすくなります。
トレンドは売り手と買い手のバランスが1方向に偏っている状態で、上昇した場合は「上昇トレンド」、下降した場合は「下降トレンド」と呼び、それぞれの方向についていく順張りが有効です。
一方、売り手と買い手のバランスがこう着している状態をレンジと呼び、前回高値・安値付近まで価格が動いたあたりで逆張りするのがセオリーです。
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