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国内店頭FX市場ではどれくらい取引されている?出来高と建玉から分かること



※本音声は、記事をもとにAIを活用して制作しています。一部、発音やイントネーション、漢字の読み方が不自然または正確でない場合がありますので、あらかじめご了承ください。
国内の店頭FXでは、1か月にどれくらいの取引が行われているのでしょうか。
2026年7月の国内店頭FX統計をもとに、出来高と建玉の意味、売建玉・買建玉の見方、数字から分かること・分からないことを初心者向けに解説します。
金融先物取引業協会の2026年7月統計によると、国内店頭FXの出来高は約882.1兆円でした。一方、月末時点で決済されずに残っていた建玉は約12.0兆円です。

出来高は一定期間に成立した取引の総額、建玉は特定の時点で決済されずに残っているポジションの総額を示します。出来高は取引の「流れ」、建玉は未決済ポジションの「残高」と考えると、違いをつかみやすくなります。
なお、この記事で扱うのは、金融先物取引業協会が集計する国内の店頭FX取引です。世界の外国為替市場全体や、特定のFX会社だけの取引状況を表す数字ではありません。
この記事では、2026年7月の最新統計を入り口に、国内の店頭FXでどの程度の取引が行われているのか、出来高と建玉を見ることで何が分かるのかを解説します。
1.2026年7月の国内店頭FXの取引規模

金融先物取引業協会が2026年8月17日に公表した月次速報によると、2026年7月の店頭FX取引は、報告会員46社を対象に次の結果となりました。
| 項目 | 2026年7月 | 前月比・前月末比 |
|---|---|---|
| 出来高 | 8,820,768億円 | 32.14%増 |
| うち円取引 | 8,459,550億円 | 34.81%増 |
| 月末建玉合計 | 119,642億円 | 8,376億円増 |
| 売建玉 | 39,191億円 | 23,737億円減 |
| 買建玉 | 80,451億円 | 32,114億円増 |
億円単位への換算や端数処理により、売建玉・買建玉の増減額を合計しても、建玉合計の増減額と一致しない場合があります。
出来高を兆円単位に直すと約882.1兆円、月末建玉は約12.0兆円です。
7月の出来高は、6月の約667.6兆円から32.14%増加しました。金融先物取引業協会によると、土日を除いた営業日ベースの出来高でも増えており、6月と比べて取引が活発になったことが分かります。
出来高のうち円取引は約846.0兆円で、全体の約96%を占めました。国内店頭FXでは、円を含む通貨ペアの取引が大きな割合を占めています。
月末建玉にも大きな変化がありました。
6月末は売建玉が62,929億円、買建玉が48,336億円で、売建玉のほうが多い状態でした。それが7月末には、売建玉が39,191億円へ減少する一方、買建玉は80,451億円まで増えています。
もっとも、この変化だけを見て「投資家が相場上昇を予想するようになった」と考えるのは早計です。なぜそう言えるのかは、出来高と建玉の仕組みを見ると分かります。

2.出来高は「期間中に成立した取引の総額」

出来高とは、一定期間にどれだけの取引が成立したかを表す数字です。
金融先物取引業協会の月次統計では、会員業者と顧客の間で成立した店頭FX取引の金額が集計されています。FX会社が銀行などと行うカバー取引や、FX会社自身の取引は含まれていません。
たとえば、ある顧客が米ドル/円を100万円分新規に買い、後日、そのポジションを100万円分決済したとします。
新規の買いと決済の売りは、それぞれ別の取引として成立します。最終的に保有ポジションがゼロへ戻っても、期間中には取引が行われているため、出来高には反映されます。
つまり、出来高が882兆円あるからといって、同じ金額のポジションが月末まで残っているわけではありません。
短期間に同じ資金で何度も売買した場合も、その都度、取引金額が積み上がります。
FXでは証拠金を使い、預けた資金より大きな金額を取引できます。同じ資金で繰り返し売買すれば、そのたびに取引金額が積み上がるため、出来高は顧客が実際に入金した金額を大きく上回ることがあります。
出来高が増えるのは、相場が大きく動いたときだけではありません。重要な経済指標や中央銀行会合を前に売買が活発になれば、値動きが比較的小さくても出来高が増える場合があります。
反対に、相場が大きく動いていても、市場参加者が新たな取引を控えれば、出来高がそれほど伸びないこともあります。
出来高は、相場が上がったか下がったかではなく、どれだけ取引が行われたかを示しています。

3.建玉は「まだ決済されていないポジション」

建玉とは、新規取引を行った後、反対売買による決済が終わっていないポジションのことです。
日本取引所グループは、建玉を「決済が未了である約定に係る数量」と説明しています。金融先物取引業協会の月次統計では、各月末の時点で顧客が保有している未決済取引が建玉として集計されます。
米ドル/円を新規に買い、そのまま月末まで保有していれば、買建玉として残ります。反対売買を行って決済すれば、その建玉は解消されます。
出来高と建玉の動きを整理すると、次のようになります。
| 取引 | 出来高 | 建玉 |
|---|---|---|
| 新規に買う | 増える | 買建玉が増える |
| 新規に売る | 増える | 売建玉が増える |
| 買建玉を決済する | 増える | 買建玉が減る |
| 売建玉を決済する | 増える | 売建玉が減る |
決済取引でも出来高は増える一方、建玉は減ります。
そのため、出来高が増えているのに建玉が減ることもあれば、出来高が減っているのに建玉が増えることもあります。
出来高は1か月などの期間を通じて積み上がる数字ですが、建玉は月末など特定の時点の状態です。月の途中で大量のポジションが作られても、月末までに決済されれば月末建玉には残りません。
厳密には異なりますが、家計にたとえるなら、出来高は1か月間に動いたお金の累計、建玉は月末時点に残っている残高に近い関係です。
この違いがあるため、7月の出来高が約882.1兆円だったのに対し、月末建玉は約12.0兆円という大きな差が生まれます。

4.売建玉と買建玉から分かること

FXでは、通貨ペアの左側に表示される通貨を「基軸通貨」、右側に表示される通貨を「決済通貨」と呼びます。米ドル/円なら米ドルが基軸通貨、円が決済通貨です。ユーロ/米ドルならユーロが基軸通貨、米ドルが決済通貨になります。
金融先物取引業協会の統計では、顧客が基軸通貨を売った未決済取引を「売建」、基軸通貨を買った未決済取引を「買建」として集計します。
米ドル/円を例にすると、次のようになります。
- 米ドル/円の売建:米ドルを売り、円を買った状態
- 米ドル/円の買建:米ドルを買い、円を売った状態

ここで気をつけたいのは、全通貨ペアの売建玉と買建玉を比べても、そのまま「円売りが多い」「円買いが多い」とは判断できないことです。
たとえば、ユーロ/米ドルの売建は、ユーロ売り・米ドル買いです。円は取引に含まれていません。豪ドル/円の売建とユーロ/米ドルの売建では、売っている通貨も買っている通貨も異なります。
2026年7月末は、全通貨ペア合計で買建玉が80,451億円となり、売建玉39,191億円の2倍を超えました。6月末とは売建玉と買建玉の大小関係も逆転しています。
それでも、この数字だけから「円安を予想する投資家が急増した」「相場はこれから上昇する」と結論づけることはできません。
建玉には直近に作られたポジションだけでなく、以前から保有されているものも含まれます。いつ、どの価格で取引されたのか、どの程度の含み損益があるのか、投資家がどこで決済しようとしているのかまでは、合計額から読み取れないためです。

5.出来高と建玉だけで相場の方向は判断できない

出来高や建玉は、国内店頭FX市場の動きを知るうえで役立つ統計です。しかし、数字だけを見て将来の相場方向や売買のタイミングを決めることはできません。
出来高が増えても上昇相場とは限らない
金融先物取引業協会の出来高には、顧客による買い取引と売り取引のどちらも含まれます。
上昇を期待した新規の買いだけでなく、急落時の損切りや、保有していたポジションの決済が増えた場合も出来高は膨らみます。出来高は取引の方向ではなく、成立した取引の規模を示す数字です。
7月の出来高が前月比32.14%増えたことから「取引が活発になった」とは言えますが、それだけで上昇相場だった、あるいは下落相場だったとは判断できません。
建玉の増減だけでは新規と決済の内訳は分からない
7月末の建玉合計は約12.0兆円で、6月末から8,376億円増加しました。
これは月末時点に未決済ポジションが多く残っていたことを示しますが、月の途中で新規取引と決済がそれぞれどの程度行われたのか、どの価格でポジションが作られたのかまでは分かりません。
業者のカバー取引は含まれていない
金融先物取引業協会の月次統計は、顧客と会員業者の間で成立した取引を集計したものです。
会員業者が銀行などと行うカバー取引や自己取引は出来高に含まれていません。そのため、約882兆円という数字は世界の外国為替市場全体の取引額ではありません。
記事やニュースでFXの取引規模を見るときは、「どの市場の、誰の取引を集計した数字なのか」まで確認することが大切です。
金額だけでは取引の中身までは分からない
出来高や建玉の合計額を見ても、個々の投資家がどの価格で取引し、どの程度の損益を抱えているのかまでは分かりません。
売建玉・買建玉を見る場合も、対象となる通貨ペアや集計方法を確認せずに、相場の方向へ結びつけるのは避けたほうがよいでしょう。
まとめ

2026年7月の国内店頭FXでは、約882.1兆円の取引が成立しました。
6月の約667.6兆円から32.14%増え、営業日ベースでも取引は増加しています。
一方、7月末時点で決済されずに残っていた建玉は約12.0兆円でした。
882兆円と12兆円に大きな差があるのは、出来高が1か月間の取引を積み上げた「流れ」であるのに対し、建玉は月末時点に残ったポジションの「残高」だからです。
また、7月末は買建玉が約8.0兆円、売建玉が約3.9兆円となり、6月末から大小関係が逆転しました。しかし、全通貨ペアを合計した数字である以上、それだけで円高・円安や将来の相場方向を判断することはできません。
出来高と建玉は相場を当てるための答えではなく、国内店頭FX市場でどの程度の取引が行われ、どれだけのポジションが残っていたのかを整理するための材料です。
数字の大きさだけを見るのではなく、「何を集計した数字なのか」を確認することで、FX統計をより正確に読めるようになります。

国内店頭FXの規模に関する質問
Q1. 国内FXでは本当に1か月に800兆円以上も取引されているのですか?
A. 金融先物取引業協会の統計では、2026年7月の国内店頭FXの出来高は約882.1兆円でした。
ただし、これは顧客が882兆円の資金を預けているという意味ではありません。期間中に成立した取引金額を積み上げた数字であり、同じ資金で繰り返し行われた売買も含まれます。
Q2. 建玉が多いほど相場は動きやすくなりますか?
A. 建玉の多さだけでは判断できません。
通貨ペア、保有方向、ポジションが作られた価格、損切り水準、市場の流動性などによって影響は異なります。建玉が多いという数字だけで、その後の値動きの大きさや方向を予測することはできません。
Q3. 買建玉が売建玉より多ければ、その通貨は上昇しますか?
A. 必ずしも上昇しません。
全通貨ペアを合計した数字には、基軸通貨の異なる通貨ペアが含まれます。特定の通貨ペアを見た場合でも、建玉が作られた時期や価格、保有目的は分からないため、買建玉と売建玉の差だけで将来の相場方向を予測することはできません。
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