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2026/08/11
鹿子木健

FXのレバレッジを「トレードの欲望計」と定義する理由

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少ない資金でも大きな規模の取引ができる仕組みであるレバレッジは、FXのメリットのひとつとされています。

投資の資金効率を高めることができるためメリットではあるのですが、その一方でレバレッジの使い方を間違えると強制ロスカットのリスクを高めてしまい、大損につながる恐れがあります。

私はFXにおいてレバレッジとの正しい向き合い方がとても重要であると考えており、そのことを説明するためにレバレッジのことを「トレードの欲望計」と表現しています。これがどういう意味なのかを交えつつ、レバレッジとの正しい向き合い方について解説します。

1.FXのレバレッジについておさらい

FXのレバレッジとは、取引額の一部を証拠金として用意するだけ大きな金額の取引ができる仕組みのことです。少ない力で重いものを動かすことができる「てこの原理」における「てこ」のことをレバレッジというため、それになぞらえた言葉です。

日本国内のFX会社では、最大25倍までのレバレッジをかけることができます。レバレッジについては国の規制で上限が定められていますが、規制される以前は数百倍ものレバレッジをかけることができた時代もありました。

例えば、ドル円相場が1ドル=155円の時に1万通貨分を買おうと思うと、必要な資金は以下のように求められます。

155円 × 10,000ドル = 155万円

現物を買うためには155万円の資金が必要になりますが、FXでは最大25倍のレバレッジをきかせられます。25倍のレバレッジをきかせると、必要な証拠金は以下のようになります。

155円 × 10,000ドル ÷ 25 = 62,000円

62,000円の証拠金があれば1万通貨分のポジションを保有できます。この仕組みにより、少ない資金であっても本格的な規模の取引ができるようになります。

少額であっても大きな利益を狙うことができるというのはFXのメリットとして語られることが多いわけですが、その一方でレバレッジが高くなるとリスクも高くなります。

先ほどの例では62,000円の証拠金で155万円分の取引ができることが分かりましたが、もしこの62,000円だけでポジションを保有したとすると、わずかな逆行ですぐに証拠金が足りなくなり、逆行が続いて含み損が膨らみ続ければそのまま強制ロスカットとなってしまいます。

仮に7万円の資金を用意して挑んだとしても、資金的な余裕はわずか8,000円です。1万通通貨分のポジションでは1pips逆行すると含み損が100円増えます。80pipsで8,000円となるため、1ドル=155円だったものが154.20円になるとロスカットです(証拠金維持率100%で強制ロスカットになるFX会社の場合)。

このように、レバレッジは便利な仕組みであるものの、使い方を間違えるとかえって大損をしてしまう入口でもあるのです。


 

2.FXのレバレッジは「トレードの欲望計」

FXにおいてレバレッジをかけているということは、少ない資金で大きな利益を狙っている状態と言い換えることができます。つまり、レバレッジが高いほど投資家の欲望は大きいということです。

この関係性を踏まえて、私はレバレッジのことを「トレードの欲望計」と呼んでいます。仮にレバレッジが2倍であれば欲望200%、レバレッジが5倍であれば欲望500%です。

この数字が高ければ高いほど「欲をかいている状態」であるという認識が重要です。そうすることにより、自分自身が過度に欲望を高めていることにも気づきやすくなります。

FXを含む投資の目的は、お金に対する欲望を満たすことです。欲望を持つこと自体が悪いことではありませんが、欲望が高まりすぎると悪い結果になる可能性が極めて高くなります。


 

3.FX以外にもあるレバレッジ

レバレッジの仕組みがあるのは、FXだけではありません。

株式の信用取引や先物取引、CFD(差金決済)取引などでも、FXと同様にレバレッジをかけた取引ができます。

このうち株式の信用取引ではレバレッジをかけた取引が広く行われており、最大倍率は3.3倍程度です。

FXの25倍と比べるとそれほど高くない倍率であるように見えますが、株式市場で時折発生する暴落局面では、信用取引をしている投資家が破産するレベルの大損をする事例がしばしば見られます。

レバレッジ3.3倍を欲望計で見ると、330%です。FXの最大欲望が2,500%であるのと比較すると欲望がそれほど強くないように感じますが、それでも破産レベルの大損をする人が続出してしまうのが現実です。

FX口座の取引画面では、実効レバレッジといって現在保有しているポジションと資金残高から求められる口座全体のレバレッジが表示されています。複数のポジションを保有している場合は、これがあなたの欲望計です。

例えばこちらは、あるFX口座の口座照会画面です。

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実効レバレッジは4.39なので、欲望計に換算すると439%です。

レバレッジにはそれだけ「諸刃の剣」ともいえるリスクがあることを十分理解して、欲望計が高くなりすぎないようにしましょう。
 

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著者プロフィール
鹿子木健(かなこぎ けん)
鹿子木健(かなこぎ けん)

お金を扱う能力を高めるための普遍的な知恵を伝えることをライフワークとして、 2004年から個人投資家として活動。投資分野はFX。不動産、株式、商品CFD、株価指数CFD、保険、暗号資産などの投資も経験した。

代表を務める株式会社メデュは、2020年5月に金融商品取引業(投資助言・代理業)を登録し、現在、「投資助言選択型自動売買ローレバレッジ・フォレックス」や、「鹿子木相場塾」などを展開している。

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