山中康司のループイフダン戦略レポート(2022年8月②)
ループイフダン「2022年8月の戦略・月中レビュー」
●お知らせ
- 8月から元の移動平均線のストラテジーのみのポートフォリオ運用に戻しました。リスク管理にも変更がありますので、概要は「2022年のポートフォリオ運用について」をご覧ください。
- 過去に実施したオンラインセミナーは下記URLにてご視聴いただけますので、併せて参考にしていただければ幸いです。
https://inet-sec.co.jp/seminar/onlineseminar/#yamanaka
●2022年のポートフォリオ運用について
移動平均で攻めるループイフダン戦略
*対象通貨ペア=ドル円、ユーロ円、ポンド円
長めのポジション保有を前提に「週足終値が20週移動平均線よりも上にあるか、下にあるかでトレンドを判断」します。ダマシを回避するため「実際の売買は、2週連続で終値が上か下というフィルター」をかけます。リスク管理はこれまで同様で最大ポジション数はドル円が10(その他は5)、損切設定はあり、とします。
使用チャートは日々の動きを明確にするため、複数時間枠表示という手法で日足チャートに週足移動平均線を重ねています。階段状になっているのはそのためで、1週間(5営業日)単位で移動平均線の値が変化していることがわかります。また、週足終値の位置を間違えないよう、日足を1週間ずつ青い四角で囲ってあります。つまり、青い四角の中の最後の日足終値が週足終値と同じです。また紫の四角で1か月を囲み、各月の値動きもわかりやすくてあります。
ポートフォリオ全体の資金管理としては、以前の戦略と同様「1か月の最大想定損失額25万円以上に到達した通貨ペアに関しては、いったん全てのポジションを仕切った上で月末まで運用見送り」というスタンスです。なお、この状態で「ポジションが無い状態での翌月のエントリーは、2週連続で終値が上か下かというトレンドが確定した週末を待つこと」としています。つまり、再エントリーの場合でもフィルターをかけます。
ポートフォリオ全体としては、証拠金の6%を超える損失(当レポートでは30万円超の損失)で、全ての利益が出ているポジションも含めて成り行き決済とし、その場合は月末まで一切ポジションを持ちません。これは、複数通貨ペアで25万円以上の損失が出ることが無いようにするためのセーフネットです。
*ポートフォリオ運用の変更について
7月まで「移動平均で攻めるループイフダン戦略」と「ループイフダンBS戦略」の2つの戦略を通貨ペアによって使い分けていましたが、最近は多くの通貨ペアにおいてトレンドが発生するケースが多く、もみあいを前提にしたBS戦略での運用が難しくなってきました。
そこで当面は以前のように「移動平均で攻めるループイフダン戦略」のみでの運用に戻し、ポジション数についてもドル円の変動幅が大きくなってきたため、リスク管理におけるポジション数を見直し、全通貨ペア最大5ということにしました。
またポートフォリオの運用自体を変えたため、今週は終値と移動平均線の位置が近く、すぐにでも変化が起きそうな通貨ペアについては様子見とすることにしました。
8月第1週の週末時点で2週連続移動平均線と終値の位置関係が継続している通貨ペアについても米国雇用統計で大きく動いた直後ということも考慮して、もう一週間だけ様子を見て、8月15日朝にポジションを取ることとしました。
●米ドル円
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※赤い線が移動平均線です。
8月15日までのレンジ=130.39〜135.56
8月15日時点の戦略=B100を継続
8月前半のドル円は、強い雇用統計をきっかけにドル買いが強まり135円台半ばまで上伸しましたが、翌週のCPIは予想よりも弱く132円目前の水準まで下げ、週をまたいで行って来いの動きとなりました。しかし、CPI発表前から複数の地区連銀総裁がインフレピークアウトによる金利低下を牽制するためタカ派な発言を繰り返すとともに、緩和に動くにはFRBがターゲットとする2%台のインフレを数か月は続ける必要があると、市場参加者の早期緩和思惑に釘を刺す発言を行いました。結果としてドル円はCPI後の安値を目先の底に上昇しやすい流れとなっています。
ドル円は「B100」で継続運用しています。現時点でのポジションは3単位(平均コスト134.190)、23,960円の含み損となっていますが上昇局面での利食いを待っている状態です。 ここまでの確定損益は65,362円の利益となっています。
●ユーロ円
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8月15日までのレンジ=133.39〜138.39
8月15日時点の戦略=「S100」で運用開始
8月前半のユーロ円はユーロドルがもみあいを続ける中でドル円の上下に沿ってユーロ円もまた上昇後に下落する動きになりました。ロシアから欧州への天然ガス供給が絞られるなど欧州の景気後退懸念が強い中でインフレ率が高いことからスタグフレーションが現実のものになるとの見方が一段と強まり、ユーロの上値が重いことからユーロ円も上値が重くなりやすい地合いになってきた印象です。
ポンド円は7月末時点では終値が移動平均線よりも上に位置していましたが、月初時点では下回っていたことから買いは見送っていました。その後8月に入り第1週、第2週と2週連続で終値が移動平均線を下回ったことで8月15日朝に売りポジションを取ることとしました。
現時点でのポジションは1単位(平均コスト162.013)で下降局面での利食いを待っている状態です。ここまでの確定損益はありません。
●ポンド円
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8月15日までのレンジ=159.43〜163.92
8月15日時点の戦略=「S150」で運用開始
8月前半のポンド円は、月初は低く始まったものの英中銀の大幅利上げ思惑もあり買い戻しが入っての4日英中銀MPC待ちとなりました。0.5%の利上げで1.5%としたものの、インフレにより長期の景気後退局面に向かっているとの見通しを示したことでポンド売りで反応。しかし翌5日の米国雇用統計でドル円が大きく上昇したことからポンド円も買い戻され、翌週のCPIで売られと方向感が出にくい地合いとなってきました。
ポンド円は「B150」で運用していましたが、7月1日終値時点でポートフォリオ全体の損失額上限30万円に到達してしまったため週明け4日の前場に全てのポジションを閉じ、確定損益は65,712円の損失となりました。
ポンド円は先週末時点では移動平均線より上で引けていたものの週明けには移動平均線よりも下での取引となり、今週末の終値水準によってはBからSへと転換する可能性がたかいため、B150では運用再開せずに様子見とすることとしました。
●豪ドル円
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8月15日までのレンジ=90.51〜94.24
8月15日時点の戦略=「B100」で運用開始
8月前半の豪ドル円は8月2日の豪中銀会合で0.5%の利上げが行われたものの利上げ後に下げ、翌日に大幅高というトリッキーな動きを見せました。今後も引き締め姿勢を続けることが示され、5日の豪中銀四半期報告でもインフレ見通しを引き上げたことも重なって、豪ドル円は底堅い動きを続けています。
豪ドル円は7月末時点では終値が移動平均線よりも上に位置していましたが、月初時点では下回っていたことから買いは見送っていました。その後8月に入り第1週、第2週と2週連続で終値が移動平均線を上回ったことで8月15日朝に買いポジションを取ることとしました。
現時点でのポジションは1単位(平均コスト95.058)で上昇局面での利食いを待っている状態です。ここまでの確定損益はありません。
●ユーロドル
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8月15日までのレンジ=1.0122〜1.0477
8月15日時点の戦略=S100を継続
8月前半のユーロドルは8月9日まで7月19日から続く狭い値幅での横方向のもみあいを3週間に渡り繰り返していましたが、10日に発表された米国CPIが予想よりも弱かったことによるドル売りの動きから上放れ。しかし、欧州の景気後退懸念が根強く積極的なユーロ買いにも動きにくく、上値もまた重い印象となっています。
主要中銀がインフレを抑えるため景気を犠牲にしても利上げを加速させるという動きが欧州の景気後退リスクが最も大きいという見方につながりユーロ売りが加速してのスタートを切りました。テクニカルにも2017年安値を割り込んでパリティ(1ユーロ1ドル)をターゲットに売り仕掛けが強まり、第2週に入り0.99台半ばまでユーロ安が進むこととなりました。ユーロドルだけでなくユーロは主要通貨に対してほぼ全面安となっています。
ユーロドルは「S100」で継続運用しています。現時点でのポジションは2単位(平均コスト1.02063)、13,932円の含み損となっていますが下降局面での利食いを待っている状態です。ここまでの確定損益は26,904円の利益となっています。
●カナダ円(チャートのみ)
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8月15日時点の戦略=B80を継続
●スイス円(チャートのみ)
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8月15日時点の戦略=B80を継続
●ランド円(チャートのみ)
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8月15日時点の戦略=S50を継続
●トルコリラ円(チャートのみ)
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8月15日時点の戦略=S50を継続
●メキシコペソ円(チャートのみ)
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8月15日時点の戦略=B50を継続
(注)メキシコペソ円はデータ配信元の仕様でバーチャート表示となっていますが、移動平均線の計算には影響しません。
●NZドルドル(チャートのみ)
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8月15日時点の戦略=S80を継続(来週末の終値次第でB80へ転換の可能性)
●豪ドルNZドル(チャートのみ)
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8月15日時点の戦略=B80を継続
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