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2022/03/15
シストレ活用事例

山中康司のループイフダン戦略レポート(2022年3月②)

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ループイフダン「2022年3月の戦略・月中レビュー」

●2022年のポートフォリオ運用について

(1)移動平均で攻めるループイフダン戦略
*対象通貨ペア=ドル円、ユーロ円、ポンド円

長めのポジション保有を前提に「週足終値が20週移動平均線よりも上にあるか、下にあるかでトレンドを判断」します。ダマシを回避するため「実際の売買は、2週連続で終値が上か下というフィルター」をかけます。リスク管理はこれまで同様で最大ポジション数はドル円が10(その他は5)、損切設定はあり、とします。

使用チャートは日々の動きを明確にするため、複数時間枠表示という手法で日足チャートに週足移動平均線を重ねています。階段状になっているのはそのためで、1週間(5営業日)単位で移動平均線の値が変化していることがわかります。また、週足終値の位置を間違えないよう、日足を1週間ずつ青い四角で囲ってあります。つまり、青い四角の中の最後の日足終値が週足終値と同じです。また紫の四角で1か月を囲み、各月の値動きもわかりやすくてあります。

ポートフォリオ全体の資金管理としては、以前の戦略と同様「1か月の最大想定損失額25万円以上に到達した通貨ペアに関しては、いったん全てのポジションを仕切った上で月末まで運用見送り」というスタンスです。なお、この状態で「ポジションが無い状態での翌月のエントリーは、2週連続で終値が上か下かというトレンドが確定した週末を待つこと」としています。つまり、再エントリーの場合でもフィルターをかけます。

ポートフォリオ全体としては、証拠金の6%を超える損失(当レポートでは30万円超の損失)で、全ての利益が出ているポジションも含めて成り行き決済とし、その場合は月末まで一切ポジションを持ちません。これは、複数通貨ペアで25万円以上の損失が出ることが無いようにするためのセーフネットです。

(2)ループイフダンBS戦略
*対象通貨ペア=豪ドル円、ユーロドル

ループイフダンBS自体がBタイプとSタイプの組み合わせとなっていることから、方向性を決めるために特段のルールは定めていません。

ループイフダンBS自体についての詳細等はアイネット証券の下記ページの説明をご覧ください。
https://inet-sec.co.jp/systrd/loop_bs/

なお、最大ポジション数と値幅設定については(1)「移動平均で攻めるループイフダン戦略」と同様で、ポートフォリオとしての資金管理も合計金額で判断して管理することとします。また、上記ホームページの説明では豪ドル円、ユーロドルはお勧め通貨ペアに該当していませんので、3か月ほど試験的に運用した上で見直しを行うこととします。

チャートのみ掲載しているその他の通貨ペアについては、引き続き(1)「移動平均で攻めるループイフダン戦略」に沿ったチャートと戦略を掲載しています。

(3)現時点の資金管理について

現時点でポートフォリオ全体の確定損益と未確定損益の合計が30万円をわずかに上回っていて本来であれば運用停止となるのですが、BSタイプの運用状況についてはまだはっきりしない点もあることから、一時的に枠を拡大して確定損益と未確定損益の合計が40万円を超えた段階で運用停止とする予定です。

ウクライナ情勢が流動的でどのような動きになるのか読めないことも多く、月末まで損益状況をチェックしながら4月レポートにおいて結果をお知らせします。

●ドル円

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※赤い線が移動平均線です。

3月15日までのレンジ=114.64〜118.44

現在の設定:B50 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数10 損切あり

3月15日時点の戦略=B50を継続

3月前半のドル円は、ウクライナ情勢を懸念して軍事力を背景とした米ドル買いがドルの底固めをする動きを見せました。近年ではリスクオフというと円高というイメージが強かったのですが、米ソが対立していた冷戦時代のリスクオフは世界最大の軍事力を持つ米国資産(米国債、米ドル)が避難資産として買われる有事のドル買いという言葉が一般的でした。今回のロシアによるウクライナ侵攻によりかつての有事のドル買いが復活した印象です。そして先週金曜には年初来高値を更新、FOMCに向けて日米金利差拡大によるドル買いと118円台前半に乗せる大きな動きを見せました。

ドル円は「B50」で継続運用しています。現時点でのポジションは1単位(平均コスト118.089)、1,952円の含み益となっていますが、設定値幅での利食いを待っている状況です。ここまでの確定損益は33,550円の利益となっています。

●ユーロ円

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3月15日までのレンジ=124.38〜129.85

現在の設定:B80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

3月15日時点の戦略=S80に転換(3月11日終値)

3月前半のユーロ円はロシアによるウクライナ侵攻による地政学リスクが大きいユーロが対ドルだけでなくほぼ全ての通貨に対して売られたことから急落、年初来安値を大きく更新する動きを見せました。その後はECB理事会が緩和規模縮小を決定したこと、停戦協議への期待による買い戻し、先週金曜以降はドル円での円安が進んだことも重なり、ほぼ先月末の水準へと行って来いの動きとなりました。

ユーロ円は「B80」で継続運用していましたが、3月11日の終値で2週連続して移動平均線を下回ったことから週明け14日にS80へと売り転換しました。現在の水準が移動平均線を上回っていることから2週間後にB80へと再転換する可能性もあり、最近のユーロ円は転換が多いことによる確定損が発生しがちな状況です。現時点でのポジションは1単位(平均コスト129.849)、670円の含み損となっていますが、下降局面での利食いを待っている状況です。ここまでの確定損益はポジション転換時の損失を含め96,998円の損失となっています。

ユーロ円は今後の運用状況を観察した上でとなりますが、ポジション転換が多く発生していることもあり、BSタイプのポートフォリオに移行する可能性もあります。

●ポンド円

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3月15日までのレンジ=154.48〜158.06

現在の設定:B100 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

3月15日時点の戦略=S100に転換(3月11日終値)

3月前半のポンド円は、ロシアによるウクライナ侵攻がユーロだけでなく欧州通貨全般に売り材料とされたことで売りが先行しました。その後の買い戻しはユーロ円同様で停戦協議に対する期待とドル円での円安進行が大きいと言えます。また今週の英中銀MPCにおいて3日の英中銀MPCにおいて0.25%の追加利上げが行われることが確実視されていることも買い戻し材料となっています。

ポンド円は「B100」で継続運用していましたが、3月11日の終値で2週連続して移動平均線を下回ったことから週明け14日にS100へと売り転換しました。現在の水準が移動平均線を上回っていることから2週間後にB100へと再転換する可能性もある点もユーロ円と同じですが、ユーロ円ほど転換が多くは無いため想定内の動きと言えます。現時点でのポジションは1単位(平均コスト154.314)、390円の含み損となっていますが、下降局面での利食いを待っている状況です。ここまでの確定損益はポジション転換時の損失を含め72,642円の損失となっています。

●豪ドル円

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3月15日までのレンジ=83.09〜85.88

現在の設定:BS80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

3月15日時点の戦略=BS80で運用継続

3月前半の豪ドル円は西側諸国による対ロシア金融経済制裁により原油、天然ガス、穀物などロシアから輸入しないという動きが急速に広がり、代替産地となりうる豪州が資源国通貨として更に注目を集める結果となりました。こうした動きはランド円にも見られます。対ロシアへの制裁が続く限り資源国通貨が強いという流れは継続すると見られます。

豪ドル円は1月からBSタイプ80で運用を開始しています。現在のポジションは以下の通りです。

Bタイプ1単位(平均コスト85.390) 含み損益-3,588円
Sタイプ 5単位(平均コスト83.675)含み損益-69,760円
                    合計? ?-73,348円

ここまでの確定損益は損切設定にかかった注文もあり41,332円の損失となっています。

●ユーロドル

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3月15日までのレンジ=1.0805〜1.1232

現在の設定:BS60 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

3月15日時点の戦略=BS60で運用継続

3月前半のユーロドルは当初はロシアによるウクライナ侵攻と西側諸国によるロシア制裁の影響をもっとも受ける欧州という悪材料で一気にユーロ売りが進みましたが、ECB理事会において4〜6月期のAPP枠の増額を予定よりも減らすことが発表され、早ければ年後半の利上げもあり得るという思惑でユーロ買い戻しが目立ちました。その後はロシアとウクライナによる停戦協議に対する期待と決まらない失望とで上下する動きとなっています。

ユーロドルは1月からBSタイプ60で運用を開始しています。現在のポジションは以下の通りです。

Bタイプ 3単位(平均コスト1.10432)? ? ? ?含み損益-21,727円
Sタイプ 3単位(平均コスト1.09171)? ? ? 含み損益-23,656円
? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ?合計? -45,383円

ここまでの確定損益は損切設定にかかった注文もあり50,580円の損失となっています。

●カナダ円(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:B80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

3月15日時点の戦略=B80を継続

●スイス円(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:B80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

3月15日時点の戦略=B80を継続

●ランド円(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:S50 10ロット(10万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

3月15日時点の戦略=B50を継続

●トルコリラ円(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:S50 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

3月15日時点の戦略=S50を継続

●メキシコペソ円(チャートのみ、ゾーンのみ)

ペソ円.png

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現在の設定:B50 10ロット(10万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

3月15日時点の戦略=B50を継続

(注)メキシコペソ円はデータ配信元の仕様でバーチャート表示となっていますが、移動平均線の計算には影響しません。

●NZドルドル(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:S80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

3月15日時点の戦略=S80を継続

●豪ドルNZドル(チャート、ゾーンのみ)

豪ドルNZドル.png

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現在の設定:S80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

3月15日時点の戦略=B80を継続

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著者プロフィール
山中康司
山中康司
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析と独自のサイクル分析を融合させたトレンド分析には定評がある。ループイフダン関連書籍『マンガでわかる FXの新常識ループ・イフダンでらくらく稼ぐ』を監修。