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2022/04/04
シストレ活用事例

山中康司のループイフダン戦略レポート(2022年4月①)

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ループイフダン「2022年4月の戦略」

●2022年のポートフォリオ運用について

(1)移動平均で攻めるループイフダン戦略
*対象通貨ペア=ドル円、ユーロ円、ポンド円

長めのポジション保有を前提に「週足終値が20週移動平均線よりも上にあるか、下にあるかでトレンドを判断」します。ダマシを回避するため「実際の売買は、2週連続で終値が上か下というフィルター」をかけます。リスク管理はこれまで同様で最大ポジション数はドル円が10(その他は5)、損切設定はあり、とします。

使用チャートは日々の動きを明確にするため、複数時間枠表示という手法で日足チャートに週足移動平均線を重ねています。階段状になっているのはそのためで、1週間(5営業日)単位で移動平均線の値が変化していることがわかります。また、週足終値の位置を間違えないよう、日足を1週間ずつ青い四角で囲ってあります。つまり、青い四角の中の最後の日足終値が週足終値と同じです。また紫の四角で1か月を囲み、各月の値動きもわかりやすくてあります。

ポートフォリオ全体の資金管理としては、以前の戦略と同様「1か月の最大想定損失額25万円以上に到達した通貨ペアに関しては、いったん全てのポジションを仕切った上で月末まで運用見送り」というスタンスです。なお、この状態で「ポジションが無い状態での翌月のエントリーは、2週連続で終値が上か下かというトレンドが確定した週末を待つこと」としています。つまり、再エントリーの場合でもフィルターをかけます。

ポートフォリオ全体としては、証拠金の6%を超える損失(当レポートでは30万円超の損失)で、全ての利益が出ているポジションも含めて成り行き決済とし、その場合は月末まで一切ポジションを持ちません。これは、複数通貨ペアで25万円以上の損失が出ることが無いようにするためのセーフネットです。

(2)ループイフダンBS戦略
*対象通貨ペア=豪ドル円、ユーロドル

ループイフダンBS自体がBタイプとSタイプの組み合わせとなっていることから、方向性を決めるために特段のルールは定めていません。

ループイフダンBS自体についての詳細等はアイネット証券の下記ページの説明をご覧ください。
https://inet-sec.co.jp/systrd/loop_bs/

なお、最大ポジション数と値幅設定については(1)「移動平均で攻めるループイフダン戦略」と同様で、ポートフォリオとしての資金管理も合計金額で判断して管理することとします。また、上記ホームページの説明では豪ドル円、ユーロドルはお勧め通貨ペアに該当していませんので、3か月ほど試験的に運用した上で見直しを行うこととします。

チャートのみ掲載しているその他の通貨ペアについては、引き続き(1)「移動平均で攻めるループイフダン戦略」に沿ったチャートと戦略を掲載しています。

(3)3月の資金管理について

3月の中間レポートで15日時点では確定損益と未確定損益の合計が運用停止基準となる30万円をわずかに上回っていましたが、BSタイプの運用状況がわかりにくいこともあるため、40万円を超えた段階で運用停止にすることを決めました。

しかし中間レポート執筆以降もウクライナ情勢が不透明なこと、状況が改善する様子も見られなかったこと(嫌な予感がしたという方が正しいかもしれません)から、翌16日にいったん全てのポジションを決済し、月末までポジションを持たないこと、4月1日からはボラティリティが上昇してきたことを考慮して設定値幅を拡大して再開することを決めました。

以下、すべての損益は3月16日に全決済した結果となります。総損失は345,181円となりましたが、その後は損失が広がりすぐに想定していた40万円に到達したであろうことを考えると、結果としては正しい判断であったと言えます。

●ドル円

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※赤い線が移動平均線です。

3月のレンジ=114.64〜125.08

現在の設定:B50 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数10 損切あり

4月の戦略=B100で最大ポジション数を5で再開(現在1単位のコストは122.471)

3月のドル円は久しぶりの大相場となり、有事のドル買いに加え米国が利上げ開始サイクルに入ったことで日米金利差拡大、特に日銀が連続指値オペを行ったことから主要国が揃って緩和からの出口戦略を考える中で日本だけが大規模緩和継続ということから、投機筋にも円売りを仕掛けられることとなりました。月間レンジが10円を超えたのはコロナショック(2020年3月)やトランプラリー(2016年11月)などかなり大きな要因が伴いますが、今回は日本円が弱い通貨という認識が広がったことが最大の要因でしょう。弱い通貨は売りが売りを呼ぶ流れとなりやすいため更なる円安に注意が必要ですが、明らかに悪い円安でもあり財務相が強いけん制発言をしてくる可能性もあります。

ドル円は「B50」で継続運用していましたが、3月16日に全決済したため、月初時点のポジションはなし。3月の確定損益は41,360円の利益となりました。

●ユーロ円

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3月のレンジ=124.38〜137.52

現在の設定:B80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

4月の戦略=B100で再開(現在1単位のコストは135.535)

3月のユーロ円は、ロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクと対ロシア経済制裁の影響も欧州が最も大きいことを嫌気して売りが先行しましたが、ECB理事会では最近のインフレ率上昇を懸念して緩和を縮小することを決定、ユーロ買いへと反転しました。その後は円安の動きがクロス円全般に波及したことでユーロ円も137円台半ばへと安値から13円以上もの上昇を見ることとなりました。

ユーロ円は「B80」で継続運用していましたが、3月11日の終値で2週連続して移動平均線を下回ったことから週明け14日にS80へと売り転換しました。現在の水準が移動平均線を上回っていることから2週間後にB80へと再転換する可能性もあり、最近のユーロ円は転換が多いことによる確定損が発生しがちな状況です。現時点でのポジションは1単位(平均コスト129.849)、670円の含み損となっていますが、下降局面での利食いを待っている状況です。ここまでの確定損益はポジション転換時の損失を含め96,998円の損失となっています。

ユーロ円は「S80」に転換して運用していましたが、3月16日に全決済したため、月初時点のポジションはなし。3月の確定損益は96,808円の損失となりました。

●ポンド円

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3月のレンジ=150.97〜164.62

現在の設定:B100 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

4月の戦略=B150で再開(現在1単位のコストは160.750)

3月のポンド円は、月初はウクライナ危機によるユーロ安に連動しポンドにも売りが見られましたが、月後半は円独歩安の動きからポンド円も急上昇、月間のレンジは13円以上とユーロ円と同じような動きを辿りました。ドルやその通貨の材料でなく、円安が全てのクロス円の動きに影響を与えたという点で、珍しい値動きの1か月になったと思います。ドル円の項にも書きましたが、典型的な弱い通貨の動きをし始めているため、特に動きが大きくなりがちなポンド円はしばらくは荒れ相場になる可能性があります。

ポンド円は「B100」から「S100」に転換して運用していましたが、3月16日に全決済したため、月初時点のポジションはなし。3月の確定損益は74,702円の損失となりました。

●豪ドル円

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3月のレンジ=83.25〜94.31

現在の設定:BS80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

4月の戦略=BS100で再開(現在1単位のコストは買いが91.819、売りが91.777)

豪ドル円は西側諸国によるロシアへの経済制裁からエネルギーや穀物価格が上昇、資源国として豪州が代替国となりうることから資源国通貨買いの動きが加速、さらに円独歩安の動きも手伝って月間レンジは11円にも達しました。ロシアへの制裁前から商品価格は総じて上昇していましたが、ロシアへの制裁をきっかけに今後も上昇する流れが続くでしょう。豪ドル、カナダドル、南アランドなど資源国通貨は対円でどこまで上がるのか、日本の通貨当局が注視している程度では簡単には止まらない流れにあるかと思います。

豪ドル円は「BS80」で運用していましたが、3月16日に全決済したため、月初時点のポジションはなし。3月の確定損益は119,482円の損失となりました。

●ユーロドル

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3月のレンジ=1.0805〜1.1184

現在の設定:BS60 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

4月の戦略=BS100で再開(現在1単位のコストは買いが1.10644、売りが1.10626)

3月のユーロドルはウクライナ危機で続落し月残半には1.0805レベルまで売られましたが、ECB理事会で緩和縮小に動くことが決まり、またロシアへの制裁よりもロシアとウクライナの停戦協議への期待もあってほぼ月初の水準へと行って来いの1か月となりました。ロシアへの経済制裁の影響やロシアからの天然ガスをルーブルで決済することを拒否している欧州にとって積極的にはユーロ買いにくい流れはしばらく続くでしょう。

ユーロドルは「BS60」で運用していましたが、3月16日に全決済したため、月初時点のポジションはなし。3月の確定損益は95,549円の損失となりました。

●カナダ円(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:B80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

4月の戦略=B80を継続

●スイス円(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:B80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

4月の戦略=B80を継続

●ランド円(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:S50 10ロット(10万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

4月の戦略=B50を継続

●トルコリラ円(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:S50 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

4月の戦略=S50を継続

●メキシコペソ円(チャートのみ、ゾーンのみ)

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現在の設定:B50 10ロット(10万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

4月の戦略=B50を継続

(注)メキシコペソ円はデータ配信元の仕様でバーチャート表示となっていますが、移動平均線の計算には影響しません。

●NZドルドル(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:S80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

4月の戦略=B80に転換(3月25日終値)

●豪ドルNZドル(チャート、ゾーンのみ)

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現在の設定:S80 10ロット(1万通貨) 最大ポジション数5 損切あり

4月の戦略=B80を継続

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著者プロフィール
山中康司
山中康司
1982年アメリカ銀行入行、1989年バイスプレジデント、1993年プロプライエタリー・マネージャー。1997年日興証券入社、1999年日興シティ信託銀行為替資金部次長。2002年アセンダント社設立・取締役。テクニカル分析と独自のサイクル分析を融合させたトレンド分析には定評がある。ループイフダン関連書籍『マンガでわかる FXの新常識ループ・イフダンでらくらく稼ぐ』を監修。