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2021/09/16
シストレ活用事例

アフガニスタンのテロでFX為替はどうなる?今後の見通しを徹底予想!【お金マン】

 

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今から20年前の9月11日、ワールドトレードセンタービルにアフガニスタンの飛行機が突撃し、数えきれないほどの犠牲者が出ました。

その20年後、今度はアフガニスタンにて、アフガニスタン・カブール国際空港付近で、米国兵を含む多くの方が死傷する悲惨なテロ事件が発生しました。

8月26日の出来事です。

ひとたびこのような紛争やテロ、戦争が発生すると、為替相場が大きく乱れることがあります

このことを「地政学リスク」と呼びます。

地政学リスクが発生した時に、私たち投資家はどのように振る舞えば、貴重な資産を守ることができるのでしょうか?

今回の記事では、過去の戦争や紛争など地政学リスクが発生している時の為替相場を振り返っていきます。

この記事を読むことで、地政学リスクが発生した時のトレードの鉄則を理解することができ、投資の方向性を理解することができます。



1.今回のアフガニスタンテロにおける為替相場の動き

8月16日に、アフガニスタンの反政府武装勢力のタリバンが、首都・カブールを制圧しました。

その少し前から、アフガニスタン情勢の悪化を受けて、為替相場はリスク回避志向に動いています。

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1ドル110円台だった為替は、約1円近く売り込まれ、円高になっています。

アメリカドルは流通量が非常に大きいため、1円の円高は大きな振れ幅になります。

投資家の間では、アフガニスタン情勢の先行き不透明感を嫌い、リスク回避のための円買いを行っています。

同時期に、リスク回避の際の資金流入先となりやすい金相場は下記のような値動きとなっています。

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同時期に金への資金流入が続き、リスク回避志向が鮮明になっています。

ただし、有事の際に必ずしも円高・ドル安になるわけではありません。

実際に2003年のイラク戦争の際は、有事が発生したにも関わらずドル高円安傾向に相場が動いています。

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イラク戦争が勃発した際は、ドルが買われ、円安ドル高傾向に相場が触れました。

2014年の米軍によるイラクへの空爆の際も、似たような相場の動きになりました。

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1ドル102円台であった為替相場は、空爆が開始されると1ドル110円台付近にまで円安が進行しました。

ここでの教訓は、地政学リスクになりうる状況が発生し、リスクとして認識されると、円買い・ドル売りが発生しやすくなります。

一方、実際に軍事行動に発展し「紛争」または「戦争」の状況にまで事態が進むと、円売り・ドル買いが進行し、円安・ドル高になりやすいです。

また、地政学リスクが発生した際は、短期的に円買いによるリスク回避志向に相場が触れますが、短期的な下落にとどまることも多く、その後は下落した分買い戻しが入りやすく、リバウンド相場にもなりやすいです。



2.戦争・紛争などの有事の際に、なぜドル高が進むのか

では、なぜ戦争や紛争などの有事が発生した場合は、ドル高が進行するのでしょうか?

それは、

  • 米ドルは世界の基軸通貨であるから
  • 戦争が起こったとしても、最終的に米国が勝利すると考えられている

からです。

1点目については、投資家心理がリスクオフに傾いた際に投資家がまず考えることは、「資金を安全な場所に非難させること」です。

その点、アメリカは世界最大の経済大国であり、そのアメリカが発行するドルは世界の基軸通貨です。

そのため、国家の破綻リスクが非常に低く、流動性も高いため、アメリカドルに預ける方が安全だと考える投資家が多いです。

また、現状アメリカドルは金融緩和の影響により、金利が低めに据え置かれています。

リスクオンの局面では、この低金利のアメリカドルを売って、新興国通貨のような高金利通貨を購入して利ざやを得るトレードをする市場関係者が多いです。

リスクオフ局面になると、このようなハイリスクな取引を解消させるために、新興国通貨を売り、アメリカドルを買い戻す取引がさかんになります。

このような資金の流れから、リスクオフ時にはドル買いが起こりやすくなります。

2点目については、国家と国家同士で戦争をした場合、圧倒的な経済力と軍事力を誇るアメリカ軍が勝利すると、多くの市場関係者たちが信じています。

戦争や紛争前は、争いの火種は「リスク」として、先行き不透明な「不安材料」として認識されています。

そのリスクが、いざ実際に軍事行動の勃発など「実現化」した場合は、悪材料が出尽くした・不透明感が払拭されたとして、不安要因が1つ消えます。

というのも、市場関係者の多くは、戦争や紛争が勃発したとしても、最終的にアメリカが勝利するだろうと信じているからです。

最終的にアメリカが勝利する可能性が高いのであれば、「戦争」というリスクの高い状況においては、リスクオフの資金流入先として米ドルを購入するのが合理的だと判断されやすくなります。

そのため、戦争・紛争が本格化した場合は、ドル高・円安の局面が生まれやすくなるのでは、と考えられています。

実際に、1980年以降米国が起こした軍事行動は30回ありましたが、30回ものこうした「紛争」において、円安ドル高方向に動いたケースが18回ありました。

このように、本格的な軍事戦争になれば、ドル買いが進行する可能性が高いといえます。

しかし、争いの火種が、本格的な戦争や軍事行動につながらず「リスク」で終わった場合は、ドルよりも円が選好されて買われやすくなります。



3.リスク回避の際に、なぜ円が買われるのか

リスクオフの局面においては、ドルだけでなく円も買われやすくなります。

日本は、アメリカ・中国に次ぐ経済大国で、為替の流通量もアメリカドル・ユーロに次いで3位の取引量を誇るため、リスクオフの際にも、流動性の高く安全性の高い通貨として選好されます。

また、金融緩和により金利がほとんどゼロの状態であるため、キャリートレードにおける低金利通貨の調達先として日本円は活用されることも多いです。

リスクオンのタイミングで日本円を売り高金利通貨を購入することで利ざやを確保する投資家は、リスクオフに相場になるとキャリートレードを解消する取引をするため、円買いの取引がさかんになります。

そのため、リスクオフの際は円高方向に振れやすくなるのです。



4.リスク回避の際に、なぜ金が買われるのか

リスク回避志向が高まる局面では、金相場も高騰しやすくなります。

金には、

  • 埋蔵量に限りがある
  • 物理的に持ち運び可能な実物資産であり、換金性が高い
  • 金自体に価値があり、価値がなくならない

という特徴があります。

そのため、例えば戦争や紛争などが発生したとしても、現金などと違い、金を持って避難することができます。

一方、紙幣などの現金は持ち運びに不向きであり、かつ通貨価値が下落してしまったら目も当てられません。

金は、埋蔵量が有限であるため、無尽蔵に掘り出すことができないため、価値がなくなりません。

そのため、先行きが不透明な局面では、価値が安定している資産対象に資金が向かうため、金は人気となりやすいのです。



5.戦争・紛争におけるトレードの考え方 まとめ

地域情勢の悪化、紛争の激化など、地政学リスクが発生する局面においては、リスクオフのための安全資産買いのトレンドになる可能性が高いです。

また、地域でのテロ勃発や、ミサイル発射など、直接的な軍事行動につながらないケースにおいては、円高ドル安が進行する可能性が高いため、円買い・ドル売りをしかけると良いです。

一方、イラク戦争やイランへの空爆実施など、特に米国軍を巻き込む軍事行動につながった場合においては、ドル高になる傾向にあるので、ドルを買い、トレンドに乗るように心がけましょう。

このように、紛争・戦争時におけるトレード戦略はある程度パターン化することができますので、過去の戦争や紛争の際の為替チャートの動きを覚えておくようにし、適切なトレード戦略を練るようにしましょう。

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著者プロフィール
お金マン
お金マン

2017年の仮想通貨バブルで投資の世界に参入。資産運用のためスワップポイント、自動売買に惹かれFXを開始。現在はスワップポイント等に限らず、レバレッジ取引、自動売買botの自作など、幅広くFXをしています。