コロナウイルス禍におけるスワップポイント狙いの投資戦略【お金マン】
FXで利益をあげるには、
- 価格変動による差益
- スワップポイントによる金利収入?
の2パターンがあります。
価格変動による差益を狙うのはトレードスキルが必要になるため、スワップポイントを狙ってトレードをする方もいるのではないでしょうか?
ところが、2020年から新型コロナウィルスによる金利引き下げが行われており、スワップポイント狙いの投資には逆風が吹いている状況です。
今回の記事では、コロナウィルス禍におけるスワップポイント狙いの投資について解説していきます。
この記事を読めば、?
- そもそもスワップポイントとは何か
- 世界全体の金利情勢について
- スワップポイント狙いの投資にオススメの通貨
- スワップポイントを狙うための投資スタンス
について理解することができ、スワップポイント狙いの投資をスムーズに行うことができるようになるでしょう。
1.そもそもスワップポイントとは何か?
そもそもスワップポイントとは、各国通貨同士の金利差のことを指します。
日本円や米国ドルのように金利の低い通貨を売り、高金利の通貨を買うことで、金利の差分をスワップポイントとして受け取ることができます。
例えば、日本円を売ってメキシコペソを購入すると想定します。
日本円が年率-0.10%(2021年6月時点)、メキシコペソが年率4.0%(2021年6月時点)です。
日本円の金利とメキシコペソの金利の差分の年率4.1%分がスワップポイントとして受け取ることができます。
このように、通貨同士の金利差を受け取る利子のことをスワップポイントと言います。
スワップポイントは、売買をしていなくても、そのポジションを持っているだけで自動的に収入として入ります。
そのため、その通貨の金利が高い水準でいる間は、継続して利益を積み上げることができます。
2.先進国の金利状況について
スワップポイント狙いの投資を行っていくには、通貨同士の金利が離れていることが前提条件になります。
それでは、現在の世界全体の金利状況はどのような状況なのか見ていきましょう。
アメリカ
アメリカは2020年3月に新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、それまで1.75%あった金利が0.25%にまで引き下げられました。
それ以降、2021年6月時点まで0.25%の金利が継続しています。
アメリカ株式市場は市場最高値を更新し続けるほど好調な市場ではありますが、金利については経済状況の本格的な回復がまだ来ていないため、低い水準で据え置きとなっています。
ワクチン接種が普及してきていますが、まだ当面の間は低金利が続く可能性が高いと筆者は考えます。
ユーロ
EUの主要通貨であるユーロは、2016年2月を最後に金利が0.00%と文字通りゼロ金利が現在まで継続しています。
ユーロにはドイツやフランスなど経済大国もありながら、イギリスやギリシャ、ポルトガルなど財政面の不安が大きい国も含まれています。
そのため、「経済的に弱い」国にある程度金融政策の方針を合わせており、金利が低く据え置かれています。
新型コロナウィルスの感染による経済復興の見通しがまだ立たない現状においては、当面は利上げの方向に動く可能性はきわめて低いと言えます。
イギリスポンド
イギリスポンドについても、2020年3月のコロナウィルスの感染拡大に伴い2020年3月からそれまでの0.5%から0.1%に引き下げられました。
イギリスについても、変異株の登場など感染拡大が収まる様子がまだ見られず、経済復興は先になりそうです。
経済復興が顕著にあらわれない限り、現在の低金利水準は続く可能性が高いです。
オーストラリア
これまでは資源国通貨として投資家から人気を集めていたオーストラリアも、コロナウィルスの影響により金利が低水準に抑えられています。
2019年12月には0.75%だった金利も、2020年3月には0.25%へ、11月には0.1%にまで引き下げられました。
2011年前後には4.5%前後で推移していた金利も、今では先進国と変わらない低金利水準となっています。
これまでスワップポイント狙いで投資をしてきた方にとっては、投資妙味が少なくなっています。
3.コロナウィルス禍でのスワップポイント狙い投資におすすめの通貨
先進国通貨は軒並みコロナウィルスの感染拡大の影響を大きく受け、現在でも低金利水準に抑えられています。
そのため、先進国通貨を活用してスワップポイントを狙っても貰える金利収入は非常に少なく、旨味がないです。
ここでは、コロナウィルスの環境下でも比較的金利が高くスワップポイント狙いにおすすめの通貨を紹介していきます。
メキシコペソ
現在の環境の中でスワップポイント狙いの投資におすすめの通貨の1つ目はメキシコペソです。
メキシコペソは、コロナウィルス禍の中でも、2021年6月時点で4.0%と比較的高い水準の金利を有しています。
また、下記のチャートのように、2020年3月以降は継続して上昇トレンドが続いており、スワップポイント+為替差益を狙うことができる通貨です。
メキシコペソは中米に位置する国で、アメリカ経済の恩恵を受けやすい通貨です。
2021年に入ってからの米ドルの為替動向は好調なため、その恩恵を受ける形で上昇を続けています。
南アフリカランド
現在の環境の中でスワップポイント狙いの投資におすすめの通貨の2つ目は、南アフリカランドです。
南アフリカランドも、コロナウィルス禍において2021年6月時点で3.0%と比較的高水準の金利を提示しています。
南アフリカは、金をはじめ銀やプラチナなど、豊富な鉱物資源を有しており、資源国通貨として認識されています。
そのため、金相場の影響を受けやすい通貨なのですが、現状金相場も好調に推移している影響もあり、南アフリカランドも恩恵を受けている状況です。
下記チャートのように、2020年3月の下落以降は継続して上昇トレンドを描いています。
ロシアルーブル
現在の環境の中でスワップポイント狙いの投資におすすめの通貨の3つ目は、ロシアルーブルです。
ロシアルーブルも2021年6月時点で5.0%と、相対的に高水準の政策金利を有しています。
世界屈指の資源大国であるロシアは、エネルギー資源が非常に多いため、原油価格などの動向に影響を受けやすい特徴があります。
また、直近ロシア国内においてインフレ率が加速しており、今後も利上げの可能性が十分に残されている点も魅力です。
足元のチャートは下記です。
2021年に入ってからは安定して上昇基調にあるため、スワップポイント狙いの投資をするのであれば、選択肢の1つとして検討してください。
4.スワップポイント狙いの投資におけるスタンス
スワップポイント狙いの投資をする際は、短期売買や頻繁な売買はできるだけ控え、中長期的に買い増し続けていくことをおすすめします。
というのも、
- 高金利通貨は、スプレッドが広い
- スワップポイント狙いの投資の本質は、中長期的に継続して利益を積み上げる
という理由があるからです。
スプレッドが広いため、短期間、あるいは頻繁に売買をするとその分コストがかかり、せっかくのスワップポイントもコスト負けする可能性が高くなってしまいます。
また、そもそもスワップポイント狙いの投資は、短期売買ではなく中長期的にポジションを得ることで、自動・継続的に利益を積み上げることです。
そのため、購入したらなるべくその通貨は売らず、継続的に入金してポジションを大きくしていき、得られるスワップポイントを大きくしていくようにした方が良いです。
5.まとめ
今回の記事では、新型コロナウィルス禍におけるスワップポイント狙いの投資について紹介していきました。
結論、スワップポイント狙いの投資をしていくのであれば
- メキシコペソ
- 南アフリカランド
- ロシアルーブル?
の3つがおすすめです。
今回の記事では触れませんでしたが、スワップポイントだけで見ると、最も高金利な通貨はトルコリラです。
しかし、トルコリラは2008年のリーマンショック以降継続して下落トレンドにあり、2021年6月時点では歴史的最安値水準にあります。
その中で、今後トルコリラが上昇するような明るいニュースもありません。
スワップポイント分の利益が為替による損失ですべてなくなってしまう可能性が高いため、今回は紹介しませんでした。
スワップポイント狙いの投資において大切なのは、
- 上昇トレンドにある通貨を、
- 中長期的に、頻繁に売買せず
- 保有し続ける
ことです。
もちろん、投資シナリオが変わって、下落トレンドになってしまったら、ポジションを清算した方が良いです。
しかし、長期的なシナリオが崩れていないのであれば、なるべく売らずに持って置き、継続的に利益を積み重ねていくことをおすすめします。
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