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2020/11/04
シストレ活用事例

FXに欠かせない経済指標とは?【お金マン】

#FX
#経済指標・ニュース解説
#株

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投資においてファンダメンタルズ分析を考える場合、株であれば企業の財務諸表や業界全体の市況が参考になります。
不動産投資であれば周辺の人口や再開発の状況が参考となるでしょう。
一方でFXのファンダメンタルズ分析はイメージしづらく、多くの方がテクニカル分析で投資しているようです。
しかし、FXでもファンダメンタルズ分析は重要で、通貨の場合はその国の経済・財政状況自体が判断材料になります。
FXのファンダメンタルズ分析に欠かせない経済指標を見ていきましょう。



米雇用統計

ドルは世界の基軸通貨であるため、ドルの値動きが他の通貨にも大きく影響を与えます。
例えば日本円と南アフリカランドなどの新興国通貨の間で取引されるFXの場合、ドル需要が高まっている間は新興国通貨に資金が流入しにくくなり、円高となる傾向があります。
そのためドルの売買を考えていなくても、その値動きを把握しておく必要があります。
ドルに最も大きな影響を与える因子が米雇用統計です。
これはアメリカの労働省が毎月第1金曜日の朝8時半(日本時間の夜9時半or10時半)に公表するもので、十数項目の経済指標から構成されます。
平均時給などの前月の雇用状態を示す指標が含まれますが、この中でもFX投資家は失業率と業種別の就業者数を重視します。

前月の失業率がなぜドルの値動きを決めるのでしょうか?
アメリカのGDPの約70%は個人消費であり、これは約50%の日本・ドイツ・フランスに比べかなり高い数字です。
企業や政府による消費よりも個人による消費が国の景気に影響を与えます。
前月の失業率上昇によって個人収入が減ってしまった場合、今月の個人消費が減少し、国全体の景気が悪化することは容易に想像がつきます。
そのため失業率の公表によって予め今月の景気が悪いと予想できるならば、皆がアメリカへの投資を控えるため資金流入が減少し、ドル安となってしまうのです。

・過去の実例

【お金マン】10月2記事目pic①.png

ドル/円チャートを使って過去の実例を見ていきましょう。
赤い部分は2019年3月8日の深夜で、2月度の米雇用統計が発表された時間帯です。
このとき発表された失業率は3.8%と、その前の1月の4.0%から下回りました。
失業率自体は改善されたものの、同時に公表された非農業部門の雇用者数が18万人増の予想に対し2万人しか増えなかったため、景気回復の兆しは見えないと判断されたようです。
この結果、ドル安が進行しました。



中央銀行の財政政策

・明確な値ではなく「発言」

中央銀行の目的は国の経済・通貨の安定化です。
過剰なインフレはバブルやモノの供給不安をもたらす一方で、物価が下がり続けるデフレは投資のみならず景気全体の冷え込みをもたらします。
そのため中央銀行は安定的に資金を供給すべく、状況によって引き締めや緩和政策を行います。
政策の手段として国債・債券購入による通貨流通量の減少(買いオペ・売りオペ)や政策金利の変動がありますが、FXに影響を与えるのが政策金利の変動です。

政策金利は中央銀行が市中銀行に資金を融資する際の金利のことです。
銀行が利益を出すためには中央銀行から借りている際の金利より高い金利で個人や法人に貸し出さなければなりません。
そのため政策金利が引き上げられた場合、それにつられて個人が借りる際の金利も高くなり、借り控えが発生します。
借り控えによって市中に通貨が流通しなくなることから、政策金利の引き上げは引き締め政策として使われます。
反対に政策金利が下げられると資金流通量が増えます。

金利の高い国と低い国がある場合、投資家は金利の高い国で資金を運用した方が利益をあげられます。
これは金利の高い国の方が高い利率で貸出し・投資できるからです。
そのためある国の金利が高めに設定されるニュースが報道されると、その国の通貨に投機的な資金が流入し、通貨高となる傾向になります。
しかしここで重要なのは必ず相関し続けるわけではないという事です。
政策金利の値に沿って通貨が変動し続けるのではなく、例えば中央銀行総裁など要人の発言によって急激に変動することもあります。
明確な数値ではなくニュースに注目しましょう。

・過去の実例

【お金マン】10月2記事目pic②.png

長期的には政策金利とFXの値動きが関連するような動きをするため、ここでは短期的な動きについてみていきましょう。
ドル円チャートの赤色部分は2019年6月20日です。
1日で1円以上も変動する急激な動きを示していますが、このときに起きたのがFRBによる政策金利の利下げを示唆するような発言です。
正式な利下げ発表でないにも関わらず、単純な示唆だけでこれだけ動いています。
利下げが実際に実施された場合、その国の通貨を持ち続けることは損をし続けることと同じです。
FX投資家は政策金利の動きに敏感であるということを、このチャートは示しています。



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株式指数

・長期投資では相関する

FXで長期投資を考えるのであれば、株式指数に注目すべきでしょう。
日本の株式市場で「円安株高」や「円高株安」がよく聞かれるのは、実際にそのような相関がみられるからです。
日本の企業は製造業の割合が高く、特に経済の根幹となる自動車産業は輸出型産業です。
輸出に依存する産業構造であるため、円高が進行してしまうと製品を安く売れなくなってしまい、日本企業は利益を上げにくくなってしまいます。
株式市場は企業全体の利益に影響されるため株安が進行し、円高株安となるのです。
長期的にはこういった関係がありますが、短期の場合に通貨の動きが変動するのは株価の変動に伴った投機的な動きが原因です。

新興国の場合は事情が異なります。
日本のように株価と通貨の価値が反対の動きをするのではなく、一致した動きをするのです。
輸出型産業が整っていない新興国ではその国のインフラやIT関連企業など、内需に依存する企業が投資を集めます。
例えばその国の景気が悪化してしまった場合、国内企業への投資は魅力的でなくなるため、海外からの投資が集まらなくなります。
海外から新興国に投資する際は、ドルや円などを一旦その国の通貨に替えてから現地に投資する仕組みですので、新興国への投資が集まらない状況ではその国の通貨自体も人気が無くなり、通貨安が進行します。
このように、株価が下落し続ける局面で現地通貨を購入してしまうと、損し続けることになりかねないので注意が必要です。

・どの程度相関するか

【お金マン】10月2記事目pic③.png

株式指数とFXは完全に相関するわけではありませんが、新興国経済の停滞局面で一致した動きを見せます。
急激な発展を続けるインドネシアは2018年初まで投資を集め、株式指数であるジャカルタ総合指数が上昇を続けていました。
しかし米中貿易紛争や主要輸出品である資源の価格下落により景気が低迷し、2018年全体で株式指数の伸びが見られませんでした。
1月の時点で6500インドネシアルピアだった総合指数は年末には6000を下回る勢いを見せました。
株価の下落は外資流入の減少を示しているため現地通貨の需要は減少し、チャートのように対ドルで通貨安をもたらしています。



地政学リスク

FXのリスクは経済的なリスクだけではありません。
投資先となる国の治安や紛争状態もリスクとなります。
それに災害も影響を及ぼす場合があります。
地政学リスクと聞くと中東やアフリカなどに注目しがちですが先進国も例外ではありません。
例えばウクライナ情勢が不安となった2014年にはユーロが対円・ドルで下落したほか、2001年の9.11同時多発テロ以降には円高ドル安が進行しました。
FXで取引する際は最低限、通貨を取引している対象国の現地状況についてこまめに情報収集しておきましょう。



まとめ

FXはテクニカル分析で取引するものという印象がありますが、ファンダメンタルズ分析も有効です。
米雇用統計は対ドルで重要な働きをもつほか、各国の株式市場の値動きは現地通貨の動きに連動します。
そして政策金利に関する情報は短期的な動きをもたらし、地政学リスクは通貨安をもたらします。
FXの場合、株のようにファンダメンタルズが占めるウェイトは高くありませんが、一部考慮しながら取引をすることで損をするリスクを低減できるのではないでしょうか。

また、ファンダメンタル分析をし、それに基づいた設定をして自動で長期投資をするのも1つの手です。
詳しくは「ループイフダンについて」の記事をご参考ください。
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著者プロフィール
お金マン
お金マン

2017年の仮想通貨バブルで投資の世界に参入。資産運用のためスワップポイント、自動売買に惹かれFXを開始。現在はスワップポイント等に限らず、レバレッジ取引、自動売買botの自作など、幅広くFXをしています。