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2020/05/22
資産運用全般

【新型コロナ】モデルナ社のワクチン成功期待でダウ急上昇!今後の見通しは?【Yuki】

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先日5/18には、ダウが大きく上昇し、前日終値比で900ドル超の上昇幅という、ここ最近の相場では珍しいレベルの大きな上げとなりました。

 
 

【ダウ 時間足チャート】

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その背景には、アメリカのモデルナという企業が開発した新型コロナウィルスのワクチン候補の治験で参加者全員が抗体を獲得したという報道があり、これが好感されての上げというのがあります。

 

また、それ以外にも昨日は

  • パウエル議長が「弾切れはない。必要ならさらに行動できる」という発言
  • 中国の原油消費量が経済再開の結果コロナ前の水準に戻ったという報道

というように、次から次へと好材料が出てきていた印象でした。

 

ただ、やはり今の相場の最大のテーマは「いかに新型コロナウィルスと向き合うか」なので、今回はこのモデルナのワクチン報道についてどう考えるべきか、そして今後の相場の見通しはどうなるのか、ということについて書いていきたいと思います。

モデルナ社のワクチン成功報道についての振り返り

今回の報道のポイントをまとめると、

  • 少人数を対象にした第一相試験である
  • 特に目立った危険な兆候は見られなかった
  • 治験者全員に抗体の獲得が見られ、新型コロナから回復した人と同水準以上の抗体価が確認された

というところです。

 

まず、1つめについては、これは第一段階の試験であるため、少人数を対象としているのは当然の話であり、ここには異常性はありません。

 

また、2つめの目立った危険な兆候が見られなかったというのも、これも少人数対象とはいえ良い話であることは間違いありません。ただし、当たり前ですが少人数対象である以上、実際に大人数に投与すれば予想外の副反応が起こることはありえます(そしてこれは、ある程度大規模に行った治験段階では出ていなかったものが、実際に投与されるようになって発覚することも割とあります。ただ、これは薬というものはそういうこともあるものとしか言いようがない面もあります)

 

問題は3つめの「抗体ができた」という点で、これについては、現時点で「おそらく悪い話ではないだろう」とは言えるものの、ここからワクチンができるまでの間には、それなりに距離のある事象であるということを認識する必要があります。

 

まず、そもそも抗体というのは何かと言うと、ウィルスや細菌に感染すると、そのウィルスや細菌に特化した物質を免疫システムが作ったものです。そのため、抗体ができれば、いわゆる「免疫ができた」状態になって、その病気にはかからなくなる(orかかりづらい、かかっても重症化しづらくなる)ものです(例えばはしか、おたふく風邪等では基本的に二度とかからなくなり、他の病気でも「重症化しづらくなる」というようなものは多くあります)

 

ただし、抗体の全てがウィルス撃退に役立つとも限らないのがポイントで、また、仮に有効でも持続時間という問題もあり、さらに言えば、頻度として多くはないものの、抗体があることで全体的には逆に危険になるようなものもある点には注意が必要です。

 

1つめについては、新型コロナウィルスについては免疫反応の全てが分かっているわけではなく、今見ている抗体が「回復した理由なのか」という点については、実は必ずしも分かっていないという面があります。もし「回復した理由ではない」抗体が上がっていたところで何の意味もないため、本当に有効な抗体なのかどうかを確かめる必要がありますが、それについては、今時点では確認されていません。

 

また、2つめの持続時間については、例えばインフルエンザのワクチン等は毎年打つ必要がある(その年に流行すると予想される株が違うこともありますが、それ以前に有効抗体水準自体が数か月で下がることが分かっています)ように、「1回打てばそれで終わりか」というと必ずしもそうでもないという点があります。

 

新型コロナについても、かなり変異をしやすそうとか、抗体が長続きしなさそうだという話もあり、インフルエンザのように「何回もワクチンを打たないと意味がない」というような可能性もそれなりにありそうです。

 

そして、インフルエンザであれば、流行シーズンはほぼ冬だという特徴がありますが、この新型コロナについては、高温多湿なエリアでの流行も確認されていることから、季節性なのかどうかもいまいち分かっておらず、抗体の持続期間が短い場合、実際にはあまり使い物にならない・・・・という可能性もありえます

 

最後の抗体があることで逆効果というのは、例えばデング熱ではウィルスの種類が4つあり、1つに抗体ができると残り3つに対して脆弱になることが分かっていたり、あるいはネココロナウィルスでも抗体ができたネコが再感染すると重症化するとの研究報告もあるように、抗体を持つことが必ずしもいいこととも限らないという点もあります。

 

こうした点から、今のモデルナのワクチンの治験結果については、「今時点では良かったね」とは思うものの、ここからワクチンが完成できるのかというと、まだかなり遠いということが分かります。

 

では、その上で相場への今後の影響を考えたいと思います。



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ダウ等の株価の今後の見通しはどうなる?(2020年5月時点)

これだけ「ワクチンにはまだ遠い」と言った後ですが、実は株価については、今時点では短期的には一旦強気になる可能性もあるのではないかと見ております。

 

その理由としては、

  • 一度ヘッドアンドショルダーを完成させると見せかけてからの上げであり、売りで入ってしまった人も多そう
  • 上で書いたように、中国の原油需要の話、モデルナの今時点のワクチン期待等、かなり不確実なソースに反応して上げている
  • パウエル議長も弾切れはないというけん制発言をしている

という点で、短期的には上げたそうな気配を感じるところで、あまりショートで入ると危ないかなという印象が強いです(私も一旦売りをロスカットしました)

 

そして、その後の展開を予想するのは実はかなり困難な面があり、

  • 普通に考えれば、経済再開も恐々としかできず、どの国もほぼ鎖国状態はしばらく維持されると考えられるので、景気が戻ってくるとは思えない
  • また今回の件で経営層にとって「固定費は悪」という考えが残り、今後設備投資や人の雇い入れ等に慎重になる可能性が高い(特に日本のように解雇規制の強い国でその傾向は強そう)
  • いつ感染再爆発での再ロックダウンがあってもおかしくない

という点から、ベースとしては悲観シナリオなのかなと思っております。

 

ただし、一方でそうでないパターンのシナリオとして、「ワクチンや治療薬が完成したということにする」という可能性も実はありえるのではないかと思っており、こうなった場合、意外なほど速く株価が戻す可能性もあります。

 

今のこの経済環境・社会情勢を見て、「元に戻したい」というのは、おそらくほとんどの人がそうで、また、国家財政や経済状態を考えてもそうせざるをえないですが、そうなってくると、「否が応でも再開するしかない」という状態にならざるをえず(今既にそうなっているような気もする)、完全に社会を元に戻すためには何か大義名分が必要で、そこでワクチンや治療薬、あるいは抗体検査の結果等が「科学的な妥当性を置いておいてでも」使われる可能性もそれなりにありそうだと見ております。

 

これは「本当に完璧な効果があるかどうか」はそこまで重要ではなく、「社会的に許容されるリスクである」とするためのある種の儀式であり、例えば交通事故はあるけど車がある、インフルエンザがあるけど普通に生活する・・・・等々、「他のリスクと同様に、社会的に受け入れてもいいよね」と言えるようになれば良いというのがポイントです。

 

これをどのタイミングで、どういう形でやってくるかまではまだ分からないと見ておりますが、少なくとも年内にはこういう話は出てくるのだろうなあと思っており、その中で、株価もジリジリと戻していって、ショートが厳しくなるという展開も想像できます。

 

そのため、今この状況はあまり大きくは手を出さない方が良いと見ており、相場に大きな動きが出た後に資金を入れられるようにしておこうと考えております。

 

為替についても同様の見方で、基本的には二番底からの円買い(クロス円のショート)を狙う人が多そうですが、今時点ではそこまでポジションを偏らせずにいた方がいいかなというのが正直な印象です。

 

私は今は「二番底が来るかどうか」があまり関係ない通貨ペアである豪ドル/NZドルを中心にトレードしており、これでかなりうまく行っているので、もし今「為替相場が難しいなあ」と思っている人がいれば、豪ドル/NZドルをやってみるのもおすすめします。

 
 

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著者プロフィール
Yuki
Yuki

FX歴10年超のファンダメンタルズ派トレーダー。主に短期から中期でのトレードを得意としており、最近は自動売買やスワップ投資も行っております。 2010年より為替研究所を運営。相場の見通しや、FXでのおすすめの投資方法などを分かりやすく解説しております。 ループイフダンでは、豪ドル/NZドルやトルコリラ等を運用中。