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2018/05/16
FX投資

為替レートの変動を読むために注目したい指標とは?

#FX
#経済指標・ニュース解説

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為替レートの変動を読むために注目したい指標とは?

FXは、各国の通貨の交換レートである為替をベースとした金融商品であるため、金利や国内の失業率、GDPなどの経済指標が特に価格を動かす要因となり、こうした指標が発表される前後では特に価格が変動しやすくなります。

また、長期的なトレンドの転換点にもなることがありますし、各国の経済・政治の状況から今後のシナリオを描いて投資していく「ファンダメンタルズ分析」を行うためにも、大きなポイントだけでもよいので押さえておく必要があります。

為替に影響するのは金利や経済指標

まず、金利や経済指標によって通貨が変動する理由について考えてみましょう。

為替は交換レートであるため、例えば米ドル/円の交換レートであれば「米ドルを円に交換したい人」「円を米ドルに交換したい人」が全体のどれくらいの割合なのかで、その価格が決まります。

仮に円を米ドルに交換したい人が全体の割合の中で多くなると、米ドルの価値が上がることになり、相対的に円の価値が下がります。この状態のことを「円安/ドル高」と呼びます。反対に円を米ドルに交換したい人の割合が少なくなると、米ドルの価値が下がることになり、相対的に円の価値が上がります。この状態が「円高/ドル安」です。

それではなぜ、こうした「交換したい人のバランス」が崩れるのでしょうか。その要因のひとつとして、その国の「金利」が挙げられます。

例えば、日本円の金利が上がると、円に交換したい人が増えます。というのも、世界の投資家の目線に立ってみると、その国の金利が高くなればなるほど、その国の銀行に預金をしたりすることで得られる利益が多くなるためです。そのため、米ドル/円の交換レートでみると、「米ドルを円に交換したい人」が多くなるため、円高/ドル安傾向になります。
反対に、金利が低くなると日本の銀行に預けてもうまみがないため、円を他の通貨に交換しようとする人が多くなります。そのため米ドル/円の交換レートでは円安/ドル高となるのです。

また、その国の「経済が良くなるのか・悪くなるのか」も、交換レートのバランスを変化させる要因になります。というのも、例えば今後アメリカの経済が上向くとするのであれば、株価や不動産株価が上昇するため、世界の投資家目線では投資するうまみが発生します。とすれば、日本の投資家は日本円を米ドルに交換し、交換した米ドルで株や不動産を購入する動きが多くなります。そうなると、米ドル/円の交換レートで言えば円安/ドル高となります。

反対にアメリカの経済が悪化する場合は、株や不動産に投資するうまみがなくなり、別の国に投資しようとする動きが増えるため、米ドル/円の交換レートで言えば円高/ドル安となるのです。

また、最近は有事の円買いと言われ、市場に不安が生まれた場合、リスク回避の手段として、比較的変動リスクの少ない円に逃げる傾向が見られます。

相場が動きやすくなるイベントのスケジュールを押さえる

為替レートが変動する理由がわかったところで、実際に金利や経済に影響を与える例を見ていきましょう。
金利に最も影響を与えるのは各国の中央銀行です。アメリカであればFRB(連邦準備制度理事会)、日本であれば日本銀行、ユーロ圏であればECB(欧州中央銀行)など、各国には中央銀行があり、金利や発行量を調整する役割を持っています。

それぞれの中央銀行でスケジュールは異なりますが、

  • アメリカの金融政策を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)は年8回開催
  • 円を中心とした通貨ペアに影響を与えやすい、日銀金融政策決定会合は年8回

というように、定期的に「政策金利を上げるか・下げるか」を検討する会議が行われています。こうした会議の結果が発表されたり、中央銀行総裁の会見時にはマーケットが大きく反応することもあります。

また、経済面では各国の失業率などの雇用情勢やGDPの成長率などが注目されます。数ある経済指標の中で最も影響力があるのが、「米国雇用統計」です。この指標は米国労働省が、米国内の企業などに調査を行い、失業率などを含む10数項目の統計を毎月第1週目の金曜に発表するものです。

特に、米ドルはあらゆる通貨レートの基軸となるため、アメリカの景気関連の経済指標が発表されると、マーケットに大きく影響します。その中でも雇用に関する統計は今後のアメリカ経済の動向を知るうえで最も重要な指標となるため、その分注目度も高まり、時には発表直後に米ドル円が数分で数円動くということもあります。

初心者はイベント前後は参加しない方がベター

こうしたFOMCや米国雇用統計の発表時にはレートが短期的に大きく変動することがあるため、その値幅を狙って利益を狙った市場参加者の注目が集まります。SNSなどでは「お祭り」のように盛り上がりますが、初心者がこうしたイベントに参加するのはあまりおススメしません。

というのも、こうしたイベント時の値動きは、一方向というよりも、一瞬で数円単位の上下をすることがあり、スプレッドも広がる可能性がありますし、適切な損切りラインの設定ができないとただのギャンブルになってしまうからです。

また、発表時だけではなくその前後もいつもと違った相場になりやすいため、イベント前にはポジションを手じまいするなどして、マーケットの反応を観察してみるとよいでしょう。

 

まとめ

通貨レートは各国の経済や金利によって変動します。ファンダメンタルズ分析ではこうした変動要因を把握して今後のシナリオを予想するため、経済や金利を動かす指標が発表されるタイミングなどは押さえておきましょう。ただし、こうしたイベント時には短時間でマーケットが動くため、慣れないうちは手を出さない方がベターです。

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