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2018/05/10
シストレ活用事例

シストレの戦略を選ぶときに注意すべき「ドローダウン」とは

#FX
#自動売買・シストレ

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シストレの戦略を選ぶときに注意すべき「ドローダウン」とは

シストレ(システムトレード・自動売買)を使って資産運用をする際、最も重視しなければならないのが、「この戦略は利益が出せるのか?」という点です。これを知る指標として損失を利益で割って算出するプロフィット・ファクター(PF)という考え方があり、この数値が1を超えると利益を出せている戦略ということがわかります。

基本的にはこのPFを中心に戦略を選んでいけばいいのですが、1点注意しておきたい点があります。それが「ドローダウン」です。

長期で投資すると、必ずドローダウンは発生する

FX各社が提供しているものや、ネットで販売されているシストレは商品紹介時に「この戦略は○○の期間で□□%の利益が期待できます」といったように、運用した際のプラス面が語られることがほとんどです。

シストレを運用する場合、それぞれの戦略によって差異はありますが、概ね数週間〜数カ月の中長期間で稼働させることが多いでしょう。仮にPFが1以上あり、最終的に利益が出る戦略を採用したとしても、勝率が100%でなければ、運用の途中では損失が発生しますし、資産の落ち込みが発生します。

この一時的な資産の落ち込みを%で表したものが「ドローダウン」です。また、一定期間運用したなかで、初期資金から運用終了までの間、最も資産が落ち込んだ度合いのことを「最大ドローダウン」といいます。

最大ドローダウンの許容度で戦略が変わる

ドローダウンは、含み損がある状態はもちろん、含み益がある状態の落ち込みに関しても当てはまります。そしてその最大ドローダウンがどの程度許容できるかによって、とる戦略が変わってきます。

基本的な考え方として、最大ドローダウンの割合を大きくとればとるほどリスク(資産の振れ幅)もとることができ、そのぶんリターンが期待できる戦略をとることができます。反対に、リターンは比較的少なくなりますが、リスクを抑えた運用をしたい場合は最大ドローダウンが低く収まるような戦略を選ぶと良いでしょう。

ただし、仮に1年で資産が10倍になるような戦略があったとしても、最大ドローダウンが60%になるような戦略では実際の運用で使い物になりません。

というのも、最大ドローダウンは運用していくなかで更新されていきます。そのため検証の結果、最大ドローダウンが60%だったとしても、実際はこの%を超えたドローダウンになる可能性もあります。そのため、目安としては出た%の2倍程度を許容のラインとしておく必要があります。

したがって60%の最大ドローダウンの場合は120%となり、もし実際にこうした落ち込みがあれば、資産が尽き退場してしまいます。

このことからも、現実的な最大ドローダウンは上限が10%程度でしょう。仮に2倍となっても資産の20%程度となるため、支障なく運用していくことが可能です。

運用のスタート時点でドローダウンの幅を想定しておく

上記の理由から、シストレの運用には最大ドローダウンの考え方が必須となるため、実際の運用前に過去のチャートに照らし併せて、何%が発生するのか検証する必要があります。

シストレが売買を自動化してくれるとはいえ、システムを稼働する・終了させるといった判断は投資家に委ねられています。そのため、いくら優秀な戦略でも途中で含み損を抱えることはありますし、その含み損が精神的に耐えられない場合、最終的に利益が出る前に運用を止めてしまうといった事態も考えられます。

そうしたケースを避けるためにも、事前に最大ドローダウンが統計的にどの程度ありうるかを想定しておくことで、含み損が発生しても想定内で推移していれば精神的な安定が保てますし、戦略を信じて運用を続けられることができます。事前に最大ドローダウンを想定しておくメリットはこの点にあります。

まとめ

シストレ運用する際には途中で必ず含み損が発生するタイミングがあります。ドローダウンがどの程度発生するかを検証で把握し、最大ドローダウンを10%以内に収まるように調整しておけば、一時的な含み損にメンタルを左右されることなく利益を出していくことができます。

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