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2018/01/26
資産運用全般

知らないと失敗する競走馬ファンド

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知らないと失敗する競走馬ファンド

競走馬ファンドとはいわゆる一口馬主のことです。本来非常に高額な競走馬の購入金額を小口に分割して、一般の消費者にも購入できるようにしたものです。これを購入することで、非常にハードルの高い馬主資格を持っていなくても、間接的に馬主になれるシステムです。

実際競馬に興味のある人以外は聞いたこともないものだとは思うのですが、れっきとした金融商品ですし、最近芸能人を採用したCMなどで話題になっているものもありますので、こちらのコラムで取り上げたいと思います。

競走馬ファンドの仕組み

競走馬ファンドを購入するには、ファンドを運営するクラブの会員になる必要があります。

クラブは愛馬会法人とクラブ法人からなっているのですが、そこらへんの難しい話は割愛します。

クラブは一般的に1頭の馬を40から500口位に分割して、会員に提供します。

競走馬の値段は1000万円位から億を超える馬も珍しくないので、一口数万円から百万円を超える場合もあります。

会員はその競走馬の購入費用と維持費(えさ代、厩舎・牧場費用、保険料など)、クラブ会費を負担します。

例:競走馬2000万円 口数400口の場合

一口あたり

購入代金 50,000円(2000万円÷400口)

維持費 月1,000円(40万円÷400口)

クラブ会費 月2,000円

初回費用 50,000円 月額費用 3,000円

もちろんクラブによって会費などは変わってきますので、一概には言えませんが、上記の例で大まかなイメージはあっていると思います。

もちろんレースに出走しますので、そこで獲得した賞金は口数に応じて、分配されます。

分配前に賞金は馬主だけのものではありませんので、関係者に配分されます。

馬主80%、調教師10%、騎手5%、厩務員5%

といった感じで配分された賞金が会員に分配されます。

まあ調教師や騎手がいないとレースに出られませんので、これはしょうがないですね。

一回勝つのは大変だ

レースに勝って活躍してくれれば、すぐに投資した金額も回収できて、利益を得ることができますが、なかなかそう簡単にはいきません。

大体毎年約7000頭のサラブレッドが誕生しますが、デビューまでたどり着けるのは6000頭ぐらいといわれています。またデビューできたとしても、レースに勝たなくてはいけません。中央競馬では3歳9月末までに1勝できなければ、中央競馬に出られなくなってしまいます。未勝利の馬が出ることのできるレースは年間約1500レースですので、1500頭以外は引退するか、地方競馬に移籍しなくてはいけません。

引退してしまえば、そこでファンドは終了ですので、およそ4分の3は損失確定でエンドです。

ここで注意してもらいたいのは、競走馬ファンドに元本保証は無いということです。

未勝利のまま引退して、投資金額を回収できなくても、ましてやデビューすらできなくても、何の保証もないということです。(クラブによっては次回購入時の割引がある場合も)

金融商品としては非常にリスキーな商品といわざるを得ません。

賞金稼ぐのは大変だ

やっとのことで一勝できたとしても、投資金額の回収には、まだ先は長いです。未勝利戦の一着賞金は500万円ですので、前述の例ですと、まだ1500万円足りません。これまでとこれからの維持費もありますので、どんどん活躍しなくてはいけません。

しかし中央競馬にはクラス分けが導入されており、一勝した馬は、一勝した馬同士のレースしか出走することはできません。もちろん勝ち上がってきた馬たち同士のレースですので、上位に食い込むには相当な力が必要です。

一般的な金額の馬で、投資した金額を回収するには2勝して「1000万下条件」でそこそこの活躍を一定期間する必要があると言われています。

また今まではクラスが上がって活躍できなくなった馬(頭打ち)は、一定期間を超えるとクラスが下がって(降級)、また活躍する場を得られたのですが、2019年夏から降級制度がなくなるとのことなので、ますます過酷な条件になってきています。

競走馬ファンドは夢を買う商品だ

筆者の所感ですが、おそらく投資した金額を回収できる確率は10%にも満たないのではないかと思います。(あくまでも筆者の所感です。)

こう書いてきますと、否定的なことばかりなのですが、筆者は決して競走馬ファンド自体を否定している訳ではございません。

うすうすお気づきかと思いますが、筆者も数口持っております。。。

馬主として参加できない人間も、分割することでオーナー気分を味わうことができる。

競馬好きにはとても素晴らしい商品だと思います。

ただ金融商品としてはリスクだらけなのでご注意頂きたいということをお伝えしたかったのです。

クラブにも良し悪し、選択にはご注意を

そのような性格の商品ですから、競馬を知っている人間しか興味がわかないと思っていたのですが、最近、大々的にCMなどで広告宣伝しているファンドが出てきており、その中身が従来ファンドと比べ、顧客にとても不利な条件となっているので、警鐘を鳴らします。

そちらのファンドの一番の特徴が、分割口数10,000口というところ。前述のように従来の競走馬ファンドはせいぜい500口が分割の最高でした。確かに購入代金を細かく分割すれば、それだけ一口の価格が下がりますので、顧客からすればメリットになります。

ただしそれは馬の購入代金がそのまま1万分の1になった場合です。こちらの場合はなぜか1億6000万円の購入代金の馬が一口32,000円で提供されています。差額の16,000円が単純に従来ファンドと比べ不利になっています。

また維持費がかからないと歌い文句になっていますが、前述の維持費を例にすると月額40万円の1万分の1です。月額40円です。それがかからないと言われても実際の金額を聞いたら、誰しも疑問に思うのではないでしょうか?

口数が1万分の1ということは、分配される賞金も1万分の1です。未勝利戦の賞金500万円の分配金は400円です。32,000円を回収できるのはいつになるのでしょうか?

まとめ

競走馬ファンドは確かにリスクだらけで、利益を得られる確率は残念ながら、とても低いと言わざるを得ません。それでも競走馬のオーナーになれるという体験はなにものにも変え難いと思う人もいます。出資をご検討の方は、是非、複数の競走馬ファンドと比較し、内容を良く理解することをお勧めします。

また資産運用であれば「シストレちゃんねる」はシステムトレードを始めに、様々な投資をご紹介しておりますので、ご参考あれ。

引用

・一口馬主(ウィキペディア)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E5%8F%A3%E9%A6%AC%E4%B8%BB

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