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順張りは人によって定義が異なるため、簡単そうに見えて難しいものです【鹿子木健】
トレードは順張りの方が良いのか、逆張りの方が良いのかは永遠の論争です。順張りの方が利益を伸ばしやすいという人もいれば、逆張りの方が勝ちやすいという人もいます。
トレードの目的は利益を出すことなので、自分が勝ちやすい方でトレードをすれば良いのではないでしょうか。
一方で、「初心者には順張りがおすすめ」と主張する人がいます。単に順張りと言っても人によって定義が異なるため、初心者は混乱しやすい部分があると思います。
今回は、順張りの定義は人によって異なるということについて解説していきます。
1.順張り・逆張り論争
順張りと逆張りの論争はトレードをやっている人なら必ず聞いたことがあるのではないでしょうか。
よく「プロは順張りを好み、素人は逆張りを好む」という意見を耳にします。トレードにおける順張りは「トレンドの方向にポジションを持つ」という単純なイメージを持っている人は多いと思います。
トレンドの方向と聞くと、何となく想像できると思います。一般的にチャートのローソク足が右肩上がりに上昇していれば上昇トレンド、右肩下がりに下落していれば下落トレンドと判断します。
しかし、それは後から見たチャートだからこそ判断できるのです。リアルタイムで動いているチャートで上昇トレンドなのか下落トレンドなのか、現在の価格はトレンドのどの位置なのかを判断するのは難しく、高度な技術が必要です。
順張りは「トレンドの方向にポジションを持つ」と一言で説明しても初心者には難しく、間違ったトレードをしてしまうことに繋がるので注意が必要です。
2.「トレンドの方向にポジションを持つ」とは?
私は順張りや逆張りという言葉はなるべく避けた方が良いと思います。それは順張りと逆張りの定義が曖昧だからです。
例えば、どこが底か分からない下落相場の中で買いエントリーすることを逆張りと定義している人が「逆張りは良くない」と主張するなら私も同感です。
一方で、下落から上昇に反転しそうな局面での買いを逆張りと判断している人が「逆張りは良くない」と主張するなら私は反対します。
順張りと逆張りは定義されていない言葉の典型なので、初心者は特に注意しておきましょう。
3.人によって順張りの定義が異なる
FXでは「エントリーは簡単だが、エグジットは難しい」とよく言われます。エントリーはいつでも行うことが可能です。買いか売りの注文を出し、約定すればポジションを保有できるので、非常に簡単です。
一方で、エグジットには人間の心理が影響します。損切りであれば「ここから反転してプラスになるかもしれない」、利食いなら「さらに利益が大きくなるかもしれない」、無条件に撤退の場合は「粘っていればプラスになるかもしれない」、継続保有も「ここで切った方が利益で終われるかもしれない」などと考えてしまい、相場から出られなくなる、もしくは想定とは全く異なる出口から出てしまうことは、トレードをしていれば経験したことはあると思います。
だからこそ、エントリーの前に出口戦略を決めておくことが重要なのです。そして、決めた出口戦略は必ず守りましょう。
人間は弱いものです。出口を決めても欲や恐怖に負けてしまい、当初の戦略とは全く異なる行動を取ってしまいがちです。
まずは出口戦略を決め、エントリーしてポジションを保有したら、戦略通りの出口を目指しましょう。出口を出て利益が出たのなら「これで良い」、損失を出したのなら「次は頑張ろう」と、一回のトレードで一喜一憂せず、トレードごとに気持ちを切り替えていくのが大切です。
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