このエリアにHTML要素を追加する
出口戦略はエントリーよりも重要です【鹿子木健】
FXで利益を出すためには、利確や損切りなどの出口をどこに設定するのかが重要です。しかし、出口の決め方には「損をしたくない」、「利益を大きくしたい」という人間の心理が関わってくるため非常に難しく、悩んでいるトレーダーも多いと思います。
今回は出口戦略の重要性について解説していきます。
1.出口を先に決めましょう
FXで勝つためには、エントリーしてポジションを持つ前に出口戦略を決めることが何よりも重要です。これは言い換えると、出口戦略がないのにポジションを持ってはいけないということです。
出口戦略とは「事前シミュレーション」「損切り」「利食い」「撤退のシナリオ」です。要するに、どこまで動いたら利食いをするのか、どこまで逆行したら損切りをするのか、相場がどうなったらポジションを解消するのかというシナリオをあらかじめ考えておくことです。
出口戦略がないと、「少し利益が出たから利確しよう」「少し逆行したから損切りしよう」と、何の根拠もない感覚的なトレードになってしまいます。それはギャンブルと同じです。
これはFXだけではありません。株式、投資信託、先物、不動産など、あらゆる投資において、最初に出口戦略を決めておくことは重要です。
2.FXの出口は4種類ある
FXの出口には以下の4種類があります。
①損切り
②利食い
③無条件に撤退
④継続保有
①損切り
損切りは「ここまで逆行したら仕切り直しにしよう」という価格に逆指値注文を設定しておけば、自動的に約定してくれます。一方で、急変時には逆指値注文が間に合わない可能性もあります。そのため、自動の損切りだけでなく、手動で損切りするための判断基準を作っておくことが大切です。
②利食い
利食いは以下の2つの側面から考えることができます。
1.どこまで値幅が動いたら利食いするか
2.どのくらい時間が経過したら利食いするか
注意点は、利食いを行ったあとにさらに利益が伸びてしまい、「もっと保有しておけば良かった」と後悔してしまうことです。
相場の動きは誰にも分かりません。もし利食いをしなかったら損失になっていた可能性もあります。「もっと保有しておけば良かった」ではなく、「利益になって良かった」とその時の判断が正しかったと考えましょう。
③無条件に撤退
利食いや損切りに関係なく、ポジションを解消する出口です。これはポジションを持つ理由がなくなった時に行うため、ポジションを持つ理由をエントリー前に明確にしておきましょう。利益になるか損失になるかは結果次第です。
④継続保有
ポジションを保有し続けることも出口の一種です。「いつ利食いをするか分からない」「いつポジションを解消するか分からない」ということも長期的なトレードをする場合にはありがちです。
ただし、相場は生き物であり、急変がいつ起きるかは分かりません。そのため、相場に合わせて逆指値注文を調整していくトレール注文を設定するなどのリスク管理が大切になります。
3.エントリーは簡単、エグジットは難しい
FXでは「エントリーは簡単だが、エグジットは難しい」とよく言われます。エントリーはいつでも行うことが可能です。買いか売りの注文を出し、約定すればポジションを保有できるので、非常に簡単です。
一方で、エグジットには人間の心理が影響します。損切りであれば「ここから反転してプラスになるかもしれない」、利食いなら「さらに利益が大きくなるかもしれない」、無条件に撤退の場合は「粘っていればプラスになるかもしれない」、継続保有も「ここで切った方が利益で終われるかもしれない」などと考えてしまい、相場から出られなくなる、もしくは想定とは全く異なる出口から出てしまうことは、トレードをしていれば経験したことはあると思います。
だからこそ、エントリーの前に出口戦略を決めておくことが重要なのです。そして、決めた出口戦略は必ず守りましょう。
人間は弱いものです。出口を決めても欲や恐怖に負けてしまい、当初の戦略とは全く異なる行動を取ってしまいがちです。
まずは出口戦略を決め、エントリーしてポジションを保有したら、戦略通りの出口を目指しましょう。出口を出て利益が出たのなら「これで良い」、損失を出したのなら「次は頑張ろう」と、一回のトレードで一喜一憂せず、トレードごとに気持ちを切り替えていくのが大切です。
【注意事項】
- 本レポートは筆者の主観及び経験に基づき執筆されており、内容の正確性や完全性を保証するものではありません。筆者及び株式会社アイネット証券は、本レポートの利用あるいは取引により生ずるいかなる損害の責任を負うものではありません。
- 本レポートはあくまでも参考情報であり、筆者及び株式会社アイネット証券は、為替やいかなる金融商品の売買を勧めるものではありません。取引を行う際はリスクを熟知した上、完全なる自己責任において行ってください。
- 当コラムにてループイフダンの実績を紹介する際に使われている「年利」は元金に対する年間の利益率を指しており、金利や利息を指すものではありません。
- 筆者及び株式会社アイネット証券の許可無く当レポートの全部もしくは一部の転送、複製、転用、検索可能システムへの保存はご遠慮ください。