為替介入の警戒水準は〇〇円!?『口先介入』にご用心
止まらない物価の上昇、そして円安・・・。
ニュースなどで、円相場の下落が騒がれ続ける中、2023年7月初旬には1米ドル145円に迫る勢いで円安が進行しました。
本動画作成時点(2023年7月)、138円台まで米ドル円は下落していますが、止まらない円安に歯止めをかける為、日本銀行が為替介入をおこなうのでは?との声も高まっています。
為替介入は、為替レート、つまり通貨の価格が短期間で大きく変動することを避けるため、大きな力を持つ中央銀行が相場で実際に円を売買することで、為替レートの安定化を目指す政策です。
しかし、為替介入は値動きへのインパクトが大きいため、実際に介入がおこなわれた場合、円相場が急変動する可能性もあります。
- 米ドル円の今後の見通しはどうなるの?
- 円安は、いつまで続くの?
そんな疑問を抱いている方も多いと思います。
本日は為替介入の基本と、気になる疑問を解消していきましょう。
為替介入とは
為替介入は、正式には「外国為替平衡操作」と呼ばれています。
冒頭でもお話しましたが、為替相場に急激な変動があった場合、その通貨価値を安定させることを目的に各国の政府や中央銀行が為替市場で売買をおこないます。
日本では、中央銀行の日銀が財務省の指示を受けて為替介入を行います。
では、為替介入の目的とは何でしょうか?
それは、為替レートの安定化を図ること、そして、望ましくない方向へ過度に為替相場が動くのを抑制することです。
あまりにも早いスピードで為替相場が動いてしまった場合、反対方向に為替介入を行うことで、通貨価値を安定化させることを目的としています。
日本では、これまで円高を抑制するために為替介入がおこなわれるケースが多かったのですが、2022年は、24年ぶりに円安に対抗するための為替介入がおこなわれました。
▼為替介入の詳細はこちらをチェック▼
https://youtu.be/SIjxf3VbeaI
過去の為替介入実施レートに迫る米ドル円
それでは、円安に対抗するために2022年に行われた為替介入を振り返ってみましょう。
当時、米国を中心とする世界経済は新型コロナウイルス感染拡大による経済的打撃から立ち直りつつあり、米ドル相場の上昇が進んでいました。
そこで、米国は経済が回復してきたため金融引き締めを目的に利上げを実施しました。
利上げが行われた結果、米ドルを保有して受け取れる利息が増えることになり、通貨としての魅力が高まるため、米ドルの通貨高につながったのです。
しかし、日本では、日本経済の回復は不十分と判断されたことから、日本の金利は低く据え置かれたままです。
その為、日本円に対して米ドルの魅力が相対的に高くなり、円安米ドル高が急速に進んでいきました。
日銀は、このまま市場に任せていては円安が止まらないと考え、2022年9月22日、1米ドルが145円を超えた水準で1度目の為替介入を行いました。
日本が円買い・ドル売りの為替介入をおこなうのは、なんと24年ぶりのことでした。
1米ドルが145円を超えたことが、為替介入実施の1つの大きなトリガーになったと考えられます。
その後も、1米ドル150円の水準を超えた同年10月21日、10月24日に、それぞれ2回目と3回目の為替介入が行われました。
為替介入は、為替レートに直接影響を与える目的で実施されるうえ、その主体は政府なので、実際のレートへのインパクトも非常に大きなものです。
9月22日におこなわれた約3兆円の為替介入では、円安方向から円高方向へのトレンド転換までは引き起こせませんでしたが、145.89円で推移していた米ドル円がその日のうちに140.34の安値を記録するなど、めったにみられない大変動となりました。
その後も円安が進みますが、それを阻止するため10月21日には5兆円を上回る為替介入がおこなわれ、翌22日にも1兆円弱の介入があったことで、円安トレンドにいったん終止符が打たれました。
このように、為替介入は価格への影響が一目瞭然です。
話を現在に戻すと、2023年7月初旬に米ドル円は、1米ドル144円を超えました。
22年に日銀が為替介入を実施した為替レートに再び差し掛かるほど円安が進んでいることから、為替介入は、いつ行われても不思議でない状況といった声が上がっているのかも知れません。
日銀の為替介入のタイミング
それでは、日銀が次に為替介入を行うタイミングはいつなのでしょう?
もちろん、私たちが為替介入を知ることができるのは、介入後となり、事前に完璧なタイミングを知ることはできません。
しかし、為替介入は、望ましくない方向へ過度に為替レートが変動する事を抑制する目的で行われる為、レートが一定の範囲から大きく逸脱するほど、介入の可能性が高くなるともいえます。
FXトレーダーや投資家の間では、2022年に為替介入がおこなわれた1米ドル145円から、節目の1米ドル150円の水準に到達すると、高い確率で為替介入が実施されるのではないかとされています。
また、為替介入のタイミングを知るために、あわせて知っておきたいのが、政府の口先介入です。
口先介入とは、実際に市場に資金を投入することなく為替介入の可能性を会見などでちらつかせることで為替レートの値動きを牽制するために行われます。
そして、言葉による影響力をいくら駆使してもレートの動きをコントロールできなかった場合、最終的に為替介入が行われるのです。
口先介入には、暗に介入が行われるまでの5段階のレベルがあり、レベル1から上がるにしたがって介入の可能性が高まると言われています。
- レベル1「いい面もある」など価格変動を許容する発言
- レベル2「市場を注視している」などという言い回し
- レベル3「ファンダメンタルズを反映していない」などレートに関する発言
- レベル4「必要なら断固とした措置をとる」などレートが投機的にゆがめられていることを示唆する発言
- レベル5「海外当局とも密接に連携を取っている」という発言、もしくはそれに準ずる旨が公表されると、いつ為替介入が行われてもおかしくない状況
為替介入のタイミングを予想することはできませんが、過去の事例から目安となるレートや、口先介入の存在を知っておくだけでも、為替介入を警戒することができるようになりますね。
本日のまとめ
今回は、「為替介入はいつ実施されるのか」をテーマにお話ししました。
最後にまとめると、本記事作成時点(2023年7月)、米ドル円の為替レートは22年に為替介入が実施された際のレートに迫る円安水準となりました。
為替介入は、通貨の価値を安定させることを目的に政府や中央銀行が直接市場で通貨を売買する政策です。
為替介入がいつ行われるのかはわかりませんが、このまま円安が進行した場合、介入がおこなわれる可能性が高まってきます。
ぜひ今後は今回ご紹介した内容を参考に経済ニュースなどをチェックしてみてくださいね。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
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