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2022/07/01
シストレ活用事例

【2022年最新版】メキシコペソ/円の今後の見通しと運用戦略を解説【鈴木拓也】

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こんにちは、元メガバンク為替ディーラーの鈴木拓也です。

以前、2021年後半から2022年にかけてのメキシコペソ/円の見通しとして、6.0円をブレイクするのは時間の問題だとお伝えしましたが、2022年3月早々に6.0円をブレイク、その後も順調に上昇トレンドを継続し、6月下旬の時点で6.8円まで伸ばしています。今回はその背景と共に、今後の見通し、メキシコペソ/円で稼ぐための運用戦略についてお伝えしていきます。

【今回の記事でわかること】
メキシコペソ/円上昇トレンドの要因

2022年7月以降にメキシコペソ/円で稼ぐための戦略

1.メキシコペソ/円上昇トレンドの要因

米ドル/円が象徴的ですが、過去20年間類を見ないような強力な円安トレンドが長く続いています。アメリカと経済的に結びつきが強いメキシコに対しても、やはり円の売り圧力が強く、メキシコペソ/円は上昇の一途です。月足チャートを見てみると1月こそ短い陰線がありましたが、あと5本はすべて陽線で、かなり堅調であることがわかります。

原油高によるメキシコ経済への追い風

資源国でもあるメキシコは、重要な産油国です。ロシアのウクライナ侵攻という大事件も未だ解決までの道のりは不透明で、世界的な原油高は大きな問題となっています。もともと原油高の傾向にあったのが、一大産油国であるロシアが戦争の当事者になってしまい需要と供給のバランスが大きく乱れています。産油国であるメキシコにとっては、「原油高=メキシコペソ高」という関連性になりますから、世界経済はメキシコに追い風の状態です。?

現状では1バレル111ドルで高止まりの傾向ですので、ここからさらに原油高は継続するのか、それとも原油安に転換して1バレル100ドルを割り込むようになるのか、その行方によってメキシコペソが買われるのか、売られるのか大きな分かれ目になりそうです。

インフレ率と政策金利

新興国については高い政策金利が投資家サイドにとって魅力的です。メキシコも2021年は4.0%ほどの政策金利でしたが、2022年に入り段階的に利上げを行い、メキシコ中央銀行は6月21日には25bp引き上げ、7.75とすると発表しました。アメリカの利上げに追随する動きです。ただし、メキシコは2022年に入って7%を超えるインフレ率を継続しています。5月のインフレ率は7.65%ですから、実質金利は0.1%のプラス金利という状態です。

これに対し、日本銀行は利上げどころか金融緩和を続ける動きを示しており、この金利差が円安・メキシコペソ高に最も大きな影響力をもたらしています。およそ2年間に渡ってメキシコペソ/円は上昇トレンドを続けていますが、日本の金融政策が転換期を迎えない限り、まだまだメキシコペソ/円の上昇は続きそうです。なお、アメリカ経済に牽引され、メキシコの2022年のGDP成長率の予測値は5月26日、1.1%から1.8%へ引き上げられました(大手格付け機関:ムーディーズ)。メキシコ経済はこの先も好調な見通しです。

メキシコペソ/円上昇トレンドの要因のポイント!

  • アメリカ経済の好調ぶり、原油高がメキシコ経済に追い風。
  • 日本との政策金利差は広がる一方で、メキシコペソに資金が移っている。



2.2022年7月以降にメキシコペソ/円で稼ぐための戦略

このまま上昇トレンドに乗って為替差益とスワップポイントを稼いでいくというのが、メキシコペソ/円の場合の常套手段となるでしょう。ただし注意点がないわけではありません。

反発して下落した際は押し目買いが狙い目

あまりにも一方的に上昇していますので、何らかの要因で利益確定、メキシコペソが一斉に売られ、大きく下落するタイミングがやってくるかもしれません。2022年1月から3月にかけてオミクロン株による感染拡大が心配されました。こちらはその後のワクチン接種が順調で経済的な損失は最小限に抑えられています。

転換期の目安となるのは、6.0円です。ここを割り込んでブレイクスルーすると急落となるので、手持ちのロングポジションは手仕舞いしてしまったほうが良いでしょう。現状から考えると、6.0円近辺までの下落であれば、買い足すチャンスです。押し目買いで保有する建玉を増やしていくのが効果的です。米ドルのロングと比較するとプラススワップは安いものの、40万通貨ほど保有すれば1日500円前後の利息を受け取ることができます。?

ただし、建玉が多くなりすぎると、急落した際に為替差損の被害も大きくなりますので、リスクを考えて対応できる範囲で建玉を管理するようにしてください。余剰資金のことを考えず、保有できるだけ保有すると証拠金維持率が低下した際にすぐに強制ロスカットになってしまいます。また、この調子でメキシコペソ/円がどこまで上昇するのかという見通しですが、2015年に8円をブレイクしていますので、そこまでは充分に考える余地はあるでしょう。

上昇トレンドの中で取引量を増やしてさらに稼ぐ

上昇トレンドといっても下落と上昇を繰り返していますので、下がったら買い、上がったら売るという細かい取引を増やしていくことで、さらにメキシコペソ/円で稼ぐことは可能です。スキャルピングのようにチャートを見ながら取引していると膨大な時間が必要になりますし、本業などにも差し支えます。ですから、ここは自動売買取引を採用するのがお勧めです。自動売買取引が不慣れな場合でも、アイネット証券の「ループイフダン」であれば設定がわかりやすく、簡単なので初心者でも無理なく操作できます。

ループイフダンのメキシコペソ/円で買いを選択し、後は値幅と建玉量を設定してしまえば、24時間取引を繰り返してくれます。これだと本業や家事で忙しくても為替差益を積み上げていくことができるのです。もちろんスワップポイントも付与されますので、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を期待できます。?

ただし、トレンドが転換期を迎え、下落トレンドになった場合は設定をすぐに変更しましょう。6.0円を割り込んでくるのがそのサインと考えられます。日本銀行の金融政策が大きく転換した場合は円買い圧力が一気に強まるので、そういったヘッドラインには敏感になっておく必要があります。取引自体はループイフダンに一任するものの、経済・政治・地政学についての情報収集はしっかりと取り組んでいくことが重要です。

2022年7月以降にメキシコペソ/円で稼ぐための戦略のポイント!

  • ロングで為替差益とプラススワップ狙い。下落しても6.0円までは押し目買い。
  • さらに取引量を増やして効果的に稼ぐのであれば、ループイフダンで自動売買取引をするのがお勧め。



3.メキシコペソ/円の今後の見通しと運用戦略を解説のまとめ

高いインフレ率を抑えるために、メキシコ中央銀行は利上げをさらに行っていく可能性もあります。他の新興国通貨よりもアメリカ経済と密接に結びついている点がメキシコの大きな強みです。半導体不足が解消されていけば、自動車の製造についても回復していきます。さらにメキシコペソ/円が上昇する要因がありますので、このチャンスを逃さずに、他の通貨ペアを扱っているトレーダーもリスクヘッジとしてメキシコペソ/円を取引しておくことをお勧めさせていただきます。

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著者プロフィール
鈴木 拓也
鈴木 拓也

公益社団法人 日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)

メガバンクの本店・香港支店で為替ディーラー業務を経験 ・東京工業大学大学院修士課程修了