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FX初心者のための初めてのファンダメンタルズ分析【西本豪】
FXを始めたばかりの初心者の皆様にとって、興味があるけれどなかなか手をつけることができない相場分析方法として『ファンダメンタルズ分析』というものがあります。
そこでここでは、ファンダメンタルズ分析に触れてみたいという皆様のために、その初歩の初歩、初めてのファンダメンタルズ分析について詳しくご紹介させていただきたいと思います。
1.ファンダメンタルズ分析とは?
「そもそもファンダメンタルズ分析って何?」という方も多いと思いますので、最初に「ファンダメンタルズ分析とはいったいどのようなものなのか?」というお話をさせて頂きたいと思います。
ファンダメンタルズ分析とは、英語でファンダメンタルズ(Fundamentals:経済用語で『基礎的事項』)と記載し、雇用統計や失業率、それにGDPや政策金利といった、政府や企業が発表している各種の経済指標や経済状況などを分析することにより、将来の為替相場を予想する相場分析手法のことです。
正直言って、何を言っているのか全く理解できないと思いますので、こちらを噛み砕いて説明すると、ファンダメンタルズ分析とは、『ニュースや経済のデータを分析して相場を予想する方法』だとお考えいただけたらと思います。
■ファンダメンタルズ分析が難しい?
ただ、このファンダメンタルズ分析という相場分析の方法は、一般的な相場分析方法と比較して、その学習対象となる知識の幅があまりにも広く、毎日のように、世界各地で発表される新しいニュースや経済データを分析に取り入れる必要があるため、「初心者投資家にとって難易度が高い相場分析方法だ!」と言われています。
特に、ニュースの分析については、数値化されていないケースがほとんどなので、ニュースが「好材料なのか?」または「悪材料なのか?」を過去の歴史と照らし合わせながら分析する必要があるケースもあるため、『一朝一夕では身に付かない』というのが本音です。
そのため、FXや投資初心者の皆様からすると、最も縁遠い相場分析方法になってしまっていたりします。
2.ファンダ分析のはじめの一歩
FX初心者や投資初心者にとって非常に難易度の高いファンダメンタルズ分析ですが、更に初心者を困惑させるのが「いったいどこから手をつければ良いのか?」と言うはじめの一歩だったりします。
というのも、先に紹介させていただきました通り、頭に入れなければいけない知識の量が『完全に1年や2年で覚え切れるような量ではない』ため、その学びの入り口がどこなのか全く分からないためです。
■日本は世界の中心ではない?
そこで、こちらにいらっしゃるFX初心者の皆様は、是非、「日本は世界の中心ではない!」ということからファンダメンタルズ分析を学び始めていただければと思います。
日本で生まれ育つと、どうしても日本を中心として経済を考えてしまったり、日本や日本人を対象としたニュースばかりを読んでしまう傾向にあります。
しかしながら、そうした状況では、どうしてもファンダメンタルズ分析の中に『誰かの先入観』と呼ばれるものが入ってしまうため、相場分析の精度が落ちてしまう傾向にあります。
「それでは、どのようにすると日本で生まれ育った皆様が、日本を中心に考えることをやめることができるのでしょう?」その答えは、ニュースを客観的に見ることで可能になります。
■外国から見た日本の姿を想定する
例えば、次のニュースをご覧になってみてください。
「国税庁調べによると日本の平均年収は461万円(男性567万円、女性280万円)ということが分かった」
皆様は上記のニュースを読まれたとき、「え!日本の平均年収がそんなに高いはずがない!」とか「私は平均より上だ(下だ)!」などという感想を持たれたのでは無いでしょうか?
これが日本を中心とした考え方になります。
しかしファンダメンタルズ分析では、ニュースを読んで「私は平均より上だ(下だ)!」と言った感情を持った日本人を、外国から見つめているイメージを持って頂く必要があります。
例えば、アメリカ人になったつもりで、アメリカから日本政府の発表に対して反応している日本人を見つめているイメージです。
それがファンダメンタルズ分析の世界へと入って行きやすい、最もはじめの一歩になります。
3.ファンダメンタルズ分析を実践する
それでは実際に、ここまでご紹介した内容を踏まえてファンダメンタルズ分析を使ったトレードの実践方法について紹介させていただきたいと思います。
例えば、次のようなニュースが発表されたとします。
「日本政府は、現在の日本の景気動向はかなり悪く、今年の経済成長は大幅にマイナスとなることを発表した」
上記は架空のニュースとなりますが、上記のようなニュースが発表されると、日本経済に対するあまりにも悲観的な内容に、多くの日本人は「日本ヤバいのでは?」や「もしかしたらボーナスカットとかある?」という風に考えることになるでしょう。
そして、目の前の相場を見ると、案の定、株式相場を筆頭にした、日本経済の先行き不安感から大きな売りが出ました。
最後に、この状況を、当事者でありながらも、アメリカから見ているようなイメージで取引を行います。
■日本政府がパニックを鎮めるはず!
海外から騒いでいる日本人の人たちを見ているイメージが持てるようになりますと、「不景気だ!」と騒ぎ立てるメディアを鎮めようとする日本政府の姿を、冷静に想像することができるようになります。
それは、国民に対して何か大きなショックとなる出来事が起きた場合には、必ずその国の政府は動くという過去の歴史からの推察によります。
そして、今回のようなケースでは、日本政府が新しい経済刺激策を発表したり、何かしらの企業に救済措置を行う方向(株価の上昇予想)でポジションを取るタイミングを待つことになります。
■注意すべき円相場が難しい時
日本は、『日本株売られた→円買い、日本株買われた→円売り』という、世界各国と比較して株と為替の関係が特殊な形(逆)となっている珍しい国です。
しかし、最近の相場は世界の動きと同様に『日本株売られた→円売り、日本株買われた→円買い』という動きを見せるようになっていたり、反応が全くないこともあるので、前後の相場状況を見ながら立ち回ることも忘れないようにしてください。
4.まとめ
今回は初心者の皆様にとって非常に難しいと言われるファンダメンタルズ分析について、『自分の目線ではないところから相場を見る』と言う話を交えながらお話させていただきましたがいかがでしたでしょうか?
ファンダメンタルズ分析はなかなか一筋縄ではいかないことが多いのですが、毎日の相場状況とニュースを照らし合わせながら見ていただけますと、少しずつ理解ができるようになってきます。
ただし、必ず自分の視点を外において、ニュースを客観的に見ないと判断を見誤ることが多々ありますので、注意をして頂ければと思います。
今回も西本の長い話に最後までお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。
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