新型コロナ拡大の中ドル円112円突破。日本売りの円安は本当?為替相場への影響【Yuki】
こんにちは。為替研究所のYuki(@kawaselab)です。
先週の為替相場と言えば、何と言ってもかなり急に円安が進み、ドル円は110円で上値が重かったところから一気に111円、112円と節目を突破し、最大112.2円まで上昇しました。
【ドル円日足チャート(2/24の23時ごろの執筆時点)】
2/24には大きく戻しておりますが、とはいえ現時点(2/24の23時)ではまだドルは111円近辺にあり、少し前から比べるとかなりの円安・ドル高と言えます。
この円安について、明確にこれと言った理由が見当たらないため、「コロナウィルスなどで感染拡大している日本が売られての円安ではないか」といった説も見るようになったので、今回は私なりに先週の円安ドル高の理由を考察し、今後の相場のリスクについても考えたいと思います。
以下の順番で書いていきます。
ドル円112円突破は「日本売りの円安」という説は本当?
先週の急激なドル円の上昇の原因については、
- 円ロングが焼かれた
- セブンの米企業の2兆円買収のヘッドラインの影響
- 日銀やGPIFの介入
- 日本売りの円安
等、様々な説がありますが、「全員一致でこれが原因」と分かるものが見当たらず、皆かなり困惑している印象を受けます。
その中で、「日本売りの円安」というのは、エコノミストの方や著名なトレーダーの方でもそうおっしゃる方が多く、「そろそろ本当に日本が危ないのではないか」というような声も聞くようになりました。
しかし、個人的にはこの説については、かなり懐疑的で、原因としては、日銀・GPIF等の介入によるもの+円ロングが焼かれたということではないかと考えております。
まず、ドル円以外のクロス円や、株価指数、VIX、金価格などを、2/18終値(急激なドル円上昇前)を1として、その後の終値の上昇割合をプロットした表をご覧ください。
(エクセルで作ったので2/22と2/23も勝手に直線でプロットされてますが気にしないでください)
VIXがあまりに伸びすぎてて見づらいですが(笑)、VIX、金、各種通貨ペア(クロス円)、株価指数という順番になっております。
そこで、VIXと金を除いた表をお見せすると、以下のようになります。
このように、執筆時点ではユーロ>ドル>カナダドル>ポンド>ランド>円>豪ドル>ダウ>日経平均
というようになっております。このようにVIX>金>クロス円>株価という並びは、典型的なリスクオフの時の並びであり、ただ、その中で円安が進むというかなり奇妙な展開になっており、そのため「リスクオフなのに円が売られた」「これは今までと流れが変わって、日本売りの円安ではないか」といった声が出たのだと思われます。
しかし、ドル円が急上昇した2/19,2/20については、むしろダウが下がる中で日経平均が上昇しており、また、2/24に下がったとはいえ、ほぼ同じレベルでダウも下がっているという点に注目してください。
もし「日本売りの円安」という説を取る場合、日経平均が2/19、20の間にむしろ上がり、24に落ちたとはいえダウと同じレベルであること、ついでに2/24には株安の中でやはり円高方向に進んでいることと整合するような説明がなかなか難しいのではないかと思っております。
また、2011年の東日本大震災の時は、日本という国は今以上に危険な状態であり、さらに「世界の中で、特に日本だけが危ない」という状態であったにも関わらず震災後は円高が進行したことを考えると、「リスクオフの円買い」というのはかなり強いルールであり、今のように「日本だけが危険なのではなく、世界全体でリスクが高まる」という状況でそう簡単に変わるものではないだろうとも考えております。
ドル円急上昇の前から、GPIFによるヘッジ無しの外債買いの噂が市場であったことなどを考えると、日銀かGPIFの動きがメインで、それに円ロング勢の焼き上げが重なっての上昇ではないかと個人的には思っており、「今後リスクオフなら円が売られる」という考えは採用しづらいなと今時点では思っております(もちろん、今後もこの傾向が続き、日経平均が他の株価指数などと比べてけた違いに落ちたりした場合には説を改めますが、あくまで現時点での考えとしては)
この説であれば、リスクオフの中で円売り・日経買いという動きとも整合性が取れ、上記のような価格の動きについて説明も付くのではないかと思います。
新型コロナウィルス拡大の中での相場へのリスク
では、上で書いたように「日本売りの円安」という説を取らないとして、今後この新型コロナウィルス相場はどうなるかを考えたいと思います。
実は、少し前までは「新型コロナウィルスについては、次第に話題としての新鮮さを失ってきて、相場的には収束するのではないか(感染が収束するかどうかとは全く別の話)と思っておりましたが、最近は相場の雲行きがかなり怪しくなってきたなと思うようになりました。
それは、
- 少し前までは中国と日本だけが危ないみたいな論調であったのが、イタリアや韓国、イラン等でも拡大している
- インドネシアでも日本人の入国拒否があったように、それ以外でも日本人入国拒否が広がる可能性があること
- 厚労省の幹部職員の方が感染したように、場合によっては大臣クラスの感染の可能性も出てきたこと
- 最近は特に日本国内世論としてコロナ問題を巡っての政府・官僚機構への不信感が高まっており、状況次第で安倍政権へのクリティカルな打撃となりかねないこと
- さらにはオリンピックの中止ないし延期もある程度現実味を持って話されるようになってきたこと
等々、これまでは「コロナウィルスの拡大→日本や中国経済活動の停滞」という感じの見方であったのが、世界規模になり、さらにそこからの派生で政権リスクや、オリンピックの中止・延期等まである程度現実的にリスクとして見なければいけなくなったためです。
また、世界的に景気減速見通しが強まってきた中での今回の新型コロナウィルス問題であり、これが最後の引き金となって大幅な景気後退期に移行する可能性も全く否定できないと考えており、今後としては、「リスクが高まる」という方向で考えざるを得なくなってきたかなと思っております。
もしこういうリスクが現実化した場合、まず日本株にとっては大きなマイナス材料であることは間違いなく、「リスクオフの円買い」が今後も続くのであれば、ドル円はここ数年の下値目途である105円割れで止まるとは思えず、100円割れ、リーマン後の80円割れといった水準も警戒しながらの投資が必要になると考えられます。
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こういう状況下でのおすすめの投資法
もし既にクロス円通貨ペアの買いポジションを持っている場合は、「ロスカット水準」を決めておくことがまず何より重要です。
上で書いたように、今の相場で想定されるシナリオは、かなりシャレにならないレベルでの下落を引き起こす可能性のあるものもあり、そのリスクが顕在化した場合には、「どこまでも付いて行く」というのができない可能性もあり、「ここで切る」というラインを、今一度考え直しておく必要があると思います。
また、これから新しくポジションを持つ場合は、短期トレードならともかく、中長期投資であれば、かなり下値に余裕を見ての買い下がり戦略がおすすめです。
その理由としては、
- 投資のポートフォリオという点で言えば、日本円を預金として持っている日本人であれば、リスク分散の観点から外貨を持つべきである(中長期のショートポジションは、外貨を売って円を買うということで、預金が円であることを考えると、どこまで円に一極投資するんだという話になります)
- また、スワップポイント(金利)の観点からも外貨買いの方が有利で、中長期投資であればやはり外貨買いが良い
- 一方で、今後下がるリスクもあるので、今一気に買うのではなく、ゆっくりと買い下がれるように設定するのが大事
というものがあげられます。
つまり、今の状況では
- 下値を広く考えて、今は低レバレッジで投資する
- ゆっくりと長期で買い下がる
- 長期での買い下がりである以上、スワップポイントが高いところでポジションを持つのが望ましい
ということだと言えて、具体的には、ドル円であればリーマンショック時の75円くらいには耐えられて、豪ドル円であれば50円くらいまでは耐えられる設定が望ましいと考えております。
では、こういう投資をどのようにやっていくかというと、自動売買を使って、自動で買い下がり&少し上がった時の利確を繰り返すパターンが、中長期投資であれば一番おすすめです。
値幅に余裕を持たせた自動売買であれば、例えばBREXITの時の乱高下や、トランプ大統領誕生の時のような乱高下が一番儲かったという人も多いように、何かリスクが顕在化して急落した時も、むしろそれがチャンスに変わります。
また、自動売買であれば24時間自動で買い下がり&利確をしてくれるので、寝ている間や仕事をしている時に相場の急変があってもそれに対応可能で、相場に張り付かずに済むという点もメリットとしてあります。
そうした点から自動売買でのトレードが有効だと考えられますが、自動売買にも色々なものがあり、そのどれがいいのか?というのが次に論点となります。
その点については、個人的にはループイフダンが一番おすすめだと考えております。
ループイフダンは、下がった時に買い、上がった時に売るというのを、はじめに設定しておけば後は全自動でやってくれるもので、具体的には以下のようなイメージです。
そしてこのループイフダンは、
- 設定が非常に簡単で、初心者でもやりやすい
- 高金利通貨について、スワップポイントが業界トップレベルに高い
- 手数料無料で、スプレッドについても自動売買の中では最狭水準で、取引コストが低い
- 1,000通貨単位の取引も手数料無料なので、少額からでも投資可能
という点で、こういう状況では最適だと考えてます。
実際に、自動売買のできるFX会社のスペックを比較すると、以下のように、取引コストでもスワップでもループイフダンが一番良い条件となっております。
手数料(※2) |
ドル円スプレッド(※1) | 取引コスト合計 (1万通貨) |
ドル円スワップ(※4) | 取引単位 | |
ループイフダン | 無料 | 2 | 200 | 57 | 千 |
トラリピ | 無料 | 2〜3 | 200〜300 | 5 | 千 |
トライオートFX | 無料 | 2.3(※3) | 230 | 50 | 千 |
iサイクル注文 | 400 | 1 | 500 | 35 | 千 |
トラッキングトレード | 400 | 0.3 | 430 | 39 | 千 |
※1 スプレッドは全て単位は銭で、レンジで示していないものは原則固定
※2 手数料は1万通貨取引の場合の手数料を記載
※3 トライオートFXのスプレッドは、1万通貨〜10万通貨のもの
※4 1万通貨あたり、2020年2月24日時点のスワップを記載
特に買い方向での長期のトレードであれば、ある程度長くポジションを持つことになるので、スワップポイントは非常に重要な要素であり、その条件が一番良く、その上取引コストも最安値であるという点で、ループイフダンが一番おすすめです。
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口座開設は、
からできます。
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