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2018/05/03
シストレ活用事例

シストレは「プロフィット・ファクター」が重要

#FX

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シストレは「プロフィット・ファクター」が重要

シストレ(システムトレード・自動売買)を使って運用を始めてみたはいいが、「どうにも利益が出ないな……」と悩んでいる人も多いと思います。そんな人は、売買戦略を選ぶ際に「勝率」に注目しているのかもしれません。「勝率」はトレードにおいて重要な要素ではありますが、利益を積み重ねる運用を行うためには別の視点が重要です。

FXは9勝1敗でも利益が出ないことがある

「FX シストレ」で検索をかけると、各FX会社をはじめ、個人が作成したMT4で使えるシステムが売られていたりと、世の中には様々な売買戦略が出回っています。

売る側も同業者と差別化したいため、例えば「勝率90%!」というように、いろいろとキャッチコピーをつけて、購入意欲を煽ります。一見、勝率90%と言われると、売るか買うかの選択肢しかないFXにおいては、かなりの利益を得られそうな気持になってしまいますが、一度ここで立ち止まって、考えてみる必要があります。

例えば、10回の取引のうち、9回が1万円ずつ利益を出せたとします。しかし最後の1回のトレードで負け、10万円の損失が出た場合、勝率は90%ですが、資産はマイナスになってしまいます。極端かもしれませんが、こうしたケースは含み損が出た場合の許容度次第で、シストレだけに限らず、裁量トレードでも起こりうることですし、こうした戦略ではあまり機能しません。

いくら勝率が高くても最終的な結果が損になる可能性がある、ということは、ネットにあふれている勝率を重視したうたい文句が、シストレにおいてあまり重視すべき要素ではないことを示しています。

勝率よりもプロフィット・ファクターが重要

では、シストレの戦略を選んでいくうえで重要なポイントはどこにあるのでしょうか。それは簡単にいうと、「最終的に資産が増えるか否か」であり、それを確かめるための指標として使えるのが「プロフィット・ファクター(以下PF)」です。

指標というと一見難しく聞こえますが、PFの考え方は非常にシンプルで、シストレを使って得られた総利益を総損失で割るだけで算出できます。そして、この計算式で得られた値が1を超えるようであれば、「利益を出せる戦略」、1を割るようであれば「利益を出せない戦略」ということになります。

例えば、上記9勝1敗の戦略のPFを計算してみましょう。9勝で得られた利益は9万円、1敗で10万円の損失でしたので、総利益(9万円)÷総損失(10万円)=0.9となり、PFは1を超えていないため有効な戦略とはいえません。

一方で、10回のトレードのうち、9回は1万円ずつ損失になりますが、1回は10万円の利益が出る戦略のPFを算出してみます。総利益(10万円)÷総損失(9万円)=1.11となり、PFが1を超えているため、勝率が低くても利益の出せる戦略といえるでしょう。

検証してよりPFが高い戦略を見つける

勉強やスポーツでもそうですが、試験や大会に何も準備せずに参加して結果を出すことが難しいように、シストレでも「この戦略を運用して利益を出せるかどうか」を十分に検証したうえで、資金を投入する必要があります。そのために最もシンプルかつ有効な指標がPFですが、PFを算出するためには、一定期間運用し利益と損失を出す必要があります。

MT4などで稼働させるシストレについては、過去のチャートに戦略を当てはめて仮の利益・損失を出すことができるので、そうした機能を活用してみましょう。

一方、FX会社から提供されるシストレは、そうした機能が使えないことが多いです。ただし、ほとんどの会社でバーチャルの資金を使って仮の運用を行うデモトレードができます。時間はかかりますが、現在進行形の値動きに戦略を当てはめることができるので、十分に検証を行ったうえで資金を投入しましょう。

また、前述の9勝1敗でPFが0.9の戦略も、損切りラインの設定を調整することで劇的にPFが向上することはよくあります。自分でそうしたパラメーターの調整が可能であれば、調整→検証を重ねてみるとよいでしょう

まとめ

シストレの運用を始めたばかりの人にとって勝率は非常に重要だと思われがちですが、勝率90%の戦略でも損失になることがあるように、実際にはあまり重要な要素ではありません。本当に相場で機能する戦略を見つけるためにはPFを重視し、1以上になるものを調整しつつ運用していく必要があります。

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