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2018/03/13
シストレ活用事例

金融ジャーナリスト 川口一晃氏に聞く『ペンタゴンチャート』の要点

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近年、MT4に代わってFX自動売買の盛り上がりを支えているのがリピート系の自動売買。そのリピート系でも人気を博しているシステムのひとつが『ループイフダン』です。

来週より、金融ジャーナリストの川口一晃氏が毎週1通貨ペアを取り上げ、今後の相場予測とループイフダン戦略についてシストレちゃんねるで公開します。

川口一晃氏が得意とするのが『ペンタゴンチャート』を駆使した分析です。今回は同氏にペンタゴンチャートの要点について伺ってきましたので、今後のレポートに備えて予習しておきましょう。

---(以下、川口一晃氏による執筆)---

ペンタゴンチャートとは

?ペンタゴンチャートとは正五角形であるペンタゴンをローソク足などのチャートの上に重ねることで、上値や下値の節目を分析することはもちろん、それぞれの銘柄の変化日をも分析するものである。

正五角形は「黄金分割比」から構成されている。黄金分割比の基本は「1:0.618」の比率で、古代より建築関係および美術関係に使われており「美しさの法則」と言われていた。つまり、バランスが取れ、人々が違和感なく美しいと受け入れることのできる形というのは黄金比で出来ている、というのである。例えば、ピラミッドの建設、パルテノン神殿の柱、ミロのヴィーナス、モナリザそして葛飾北斎の富岳三十六景にも使われている。

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では、なぜ黄金比がマーケットで使われているのかというと、以下の理由からである。テクニカル分析においてはマーケットにおける価格には森羅万象あらゆる情報が織り込まれていると考えられている。したがって、価格の動き自体も自然界の美の法則である黄金分割比に従い、美しい形になっていく、と考えられているからだ。

なお、この黄金分割比はペンタゴンチャートが登場する以前より、マーケットでは使われていた。その一つが価格の黄金比分割比である。価格が高値から下落する際ないしは底値から上昇する際に「3分の1押し」「3分の2戻り」といった言葉が古くから使われている。これらの水準がその後の値動きの節目となる水準を表しているとされているからだ。これと同様、黄金分割比を使い「高値から0,618押し」「底値から0.618戻り」という水準も価格の節目になるとされている。

そして、もう一つ。時間の黄金分割比がある。例えば、安値から戻り高値までが21日の時間を費やしたのであれば、21日の1.618倍の34日、つまり安値から34日目が変化日となりマーケットの流れが変わることが多いのである。黄金分割比を使った日柄の分析となる。実はこれら2つの分析はペンタゴンチャートがマーケットの世界でデビューする以前より使われていた手法であり、それぞれ別々に使われていた。

ところが、上述したように、ペンタゴンはすべて黄金分割比で出来上がっている。つまり、ローソク足の上にペンタゴンを重ねることで、価格の分析と時間の分析の両方を同時に行うことが出来るのがその特徴である。

ペンタゴンチャートの見方

基本的な見方として2点を押さえていただきたい。一つは、ペンタゴンの各辺(対角線も含む)が上値抵抗線や下値支持線になりやすい。もう一つは、ペンタゴンの頂点および対角線の交点の位置が変化日になることが多い。

ペンタゴンが描かれていることで、これから到来する交点が変化日となり流れが変わるのか否かを意識すると共に、その近くに存在する上値抵抗線および下値支持線に対してどのように実際の価格が推移していくのかを観察することで、マーケットの動きが読みやすくなると考えている。

著者プロフィール
川口一晃
川口一晃
投資教育家。オフィスKAZ代表取締役。1986年、銀行系証券会社入社。その後、銀行系投資顧問会社、国内投信会社にて11年間ファンドマネージャーを務める。その後、ブルームバーグLP外資系証券会社を経て独立、2004年にオフィスKAZ設立。相場の世界ではチャートの鉄人として、特にペンタゴンチャートの第一人者として知られる。著書に『FX ペンタゴンチャート最強の黄金分割』(実業之日本社)、『「株」と「為替」をチャートで読む』(明日香出版)、「神秘の株価予測法 ペンタゴンチャート入門」(東洋経済新報社)、「なぜか投資で損する人の6つの理由」(青春新書インテリジェンス)など。