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2026/06/23
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「恋は盲目」は投資にも起こる?高値掴みを招く確証バイアス

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はじめに

好きになった相手と、買いたくなった銘柄の不安材料は見えにくい

人は、好きになった相手と、買いたくなった銘柄の不安材料を見なくなります。

「この人だけは、ほかの人と違う」

「この銘柄だけは、きっと上がる」

そう思った瞬間から、私たちは少しずつ、自分に都合の良い情報だけを集め始めます。
一方で、違和感や不安材料は見えにくくなります。

「たまたま機嫌が悪かっただけ」

「一時的に株価が下がっているだけ」

こうして、冷静に見れば気づけたはずのサインを見落としてしまう。
この心のクセが、確証バイアスです。

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今回は、確証バイアスの仕組みを、恋愛と投資の身近な例から解説します。
その上で、感情に流されすぎず、事実に基づいてお金の判断をする考え方を紹介します。

1. 確証バイアスとは?

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ポイント

確証バイアスとは、自分の考えを正しいと思わせてくれる情報を重視し、それに反する情報を軽く見てしまう心理のことです。

確証バイアスとは、簡単にいうと、自分の考えを正しいと思わせてくれる情報を重視し、それに反する情報を軽く見てしまう心理のことです。

たとえば、好きな人に対して「この人は誠実だ」と思っているとします。
すると、約束を守ってくれた、優しい言葉をかけてくれた、記念日を大切にしてくれた。そういう良い面は強く印象に残ります。

一方で、店員さんへの態度が少し横柄だった。
お金の使い方が荒かった。
話し合いになると感情的になりやすかった。

そんな気になる点があっても、「疲れていただけかも」「自分には優しいから大丈夫」と考えてしまうことがあります。

投資でも同じです。
ある銘柄を買いたいと思うと、その会社の良いニュース、強気な株価予想、SNSでの前向きな意見が目に入りやすくなります。

逆に、利益率の悪化、株価の割高感、競合の台頭といった情報は、「一時的な問題だろう」と軽く見てしまう。

つまり私たちは、自分では冷静に調べているつもりでも、実際には“自分が安心できる材料”を探しているだけのことがあるのです。
これが、確証バイアスの怖いところです。

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投資でいえば、「買うかどうか」を判断しているつもりで、実は「買っても大丈夫だと思える理由」を探している状態です。
この順番が逆になると、判断は一気に偏りやすくなります。

2. 恋愛の「盲目」と投資の「高値掴み」

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ポイント

恋愛で「この人なら大丈夫」と思い込むのと、投資で「この銘柄は将来性がある」と良い面ばかりを見て高値掴みをする心理は共通しています。

恋愛で相手を好きになると、良いところが何倍にも大きく見えることがあります。

  • 優しい。
  • 話が合う。
  • 見た目が好み。
  • 仕事を頑張っている。
  • 条件も悪くない。

そうしたプラス材料が重なると、「この人なら大丈夫」と思いたくなります。

もちろん、人を好きになる気持ちは大切です。恋愛に冷静さだけを求めても、つまらないものになってしまいます。
ただ、結婚や長く一緒に暮らすことを考えるなら、好きという気持ちとは別に、生活の現実も見なければいけません。

  • お金の使い方は合うか。
  • 家事や仕事への考え方は近いか。
  • トラブルが起きたときに話し合えるか。
  • 周りの人への態度に違和感はないか。

こうした部分を見ないまま進むと、あとから「こんなはずじゃなかった」と感じる原因になります。

最高裁判所「令和6年司法統計年報 家事編」第19表では、家庭裁判所で扱われた婚姻関係事件について、申立人が挙げた主な申立て動機が集計されています。

この統計では、妻側の申立て動機として「性格が合わない」のほか、「生活費を渡さない」「精神的に虐待する」「暴力を振るう」なども多く挙げられています。

ただし、ここでいう婚姻関係事件は、離婚だけでなく、夫婦同居・協力扶助、婚姻費用分担、夫婦関係調整など、婚姻中の夫婦間の紛争を含む統計です。また、申立ての動機は主なものを3個まで挙げる重複集計のため、単純な「離婚理由ランキング」ではありません。

それでも、夫婦関係では、性格の不一致だけでなく、お金・生活・話し合い方のズレが大きな問題になりやすいことはうかがえます。

そして投資でも、同じようなことが起こります。
「この会社は将来性がある」と思った瞬間から、その銘柄の良い面ばかりを見たくなる。
SNSで同じ銘柄を持っている人の投稿を読み、「やっぱり自分の判断は間違っていない」と安心する。
株価が上がっていると、「もっと上がる」と思い、すでに割高になっていても買ってしまう。

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その結果、いわゆる高値掴みにつながることがあります。

恋愛で「この人だけは違う」と思うのと、投資で「この銘柄だけは上がる」と思うのは、形を変えた同じ思い込みかもしれません。

好きになるほど、疑う力が必要になる。
買いたくなるほど、見送る理由を探す必要がある。

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3. 損切りが遅れる心理的な原因

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ポイント

株価が下がったときに「長期投資だから」と都合よく考えるのは、自分の過去の判断(失敗)を守るための行動になっている可能性があります。

確証バイアスは、買うときだけでなく、売るときにも影響します。
株価が下がったとき、本来なら「自分の想定が外れていないか」を確認する必要があります。
ところが、実際にはこう考えがちです。

  • 「これは一時的な調整だ」
  • 「長期で見れば大丈夫」
  • 「今売ったら損が確定してしまう」
  • 「むしろ安く買えるチャンスかもしれない」

もちろん、長期投資そのものが悪いと言っているわけではありません。
ナンピン買いも、事前に資金管理や投資方針を決めたうえで行うなら、戦略の一つになり得ます。

問題なのは、最初のルールを忘れて、自分の失敗を認めたくない気持ちを“長期投資”という言葉で正当化してしまうことです。

  • 最初は短期のつもりだったのに、下がった途端に長期投資に切り替える。
  • 決算内容を見て買ったはずなのに、業績が悪化しても「そのうち戻る」と考える。
  • 資金管理を決めていなかったのに、「安くなったから」と買い増してしまう。

これは、投資判断というより、自分の過去の判断を守るための行動になっている可能性があります。

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投資で大切なのは、すべての予想を当てることではありません。
予想が外れたときに、資産を守る行動ができることです。
そのためには、買った後に都合よく理由を変えるのではなく、買う前に「どうなったら見直すか」を決めておく必要があります。

4. 確証バイアスに負けないための3つのコツ

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ポイント

確証バイアスを防ぐには、気合いで冷静になる!ではなく、買う前にルールを決め、あえて反対意見を探す仕組みを作ることが重要です。

確証バイアスは、誰にでもあります。
だから、「自分は大丈夫」と思うこと自体が、少し危ないのかもしれません。
大切なのは、気合いで冷静になることではなく、冷静になれる仕組みを先に作っておくことです。

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投資で買いたい銘柄があるときは、買う理由だけでなく、あえて「買わない方がいい理由」も探してみましょう。

投資なら・・・
  • この会社の弱点は何か
  • 株価が下がるとしたら、どんな理由か
  • すでに期待が株価に織り込まれていないか
  • SNSの空気に流されていないか
  • 自分は本当に事業内容を理解しているか
恋愛なら・・・
  • この人と生活して苦労しそうな点はどこか
  • お金の価値観は合っているか
  • 話し合いができる相手か
  • 周りの人が心配している点はないか

反対意見を見ることは、ネガティブになることではありません。
むしろ、悪い材料を見てもなお納得できるなら、その判断はより強くなります。

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投資では、買った後に冷静でいるのは簡単ではありません。
実際にお金を入れた瞬間から、「上がってほしい」という気持ちが生まれます。すると、どうしても自分に都合よく情報を見たくなります。
だからこそ、買う前にルールを決めておくことが大切です。

  • いくらまで下がったら見直すか
  • どんな悪材料が出たら売るか
  • 1つの銘柄に資金を集中させすぎていないか
  • PERやPBR、業績、財務状況を確認したか
  • 短期なのか長期なのか、目的は明確か

こうしたルールがないまま買うと、下がったときに判断がブレやすくなります。
投資で大切なのは、上がる銘柄を当て続けることではありません。
自分の思い込みに気づき、間違えたときに資産を守れる判断軸を持つことです。

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確証バイアスを弱めるには、自分と違う意見を聞くことも大切です。
投資であれば、同じ銘柄を持っている人たちの投稿だけを見ていると、前向きな情報に偏ります。
もちろん、SNSや掲示板がすべて悪いわけではありません。ただ、そこだけを見ていると、「みんなも買っているから大丈夫」と思いやすくなります。

できれば、決算資料、有価証券報告書、企業の業績推移、同業他社との比較など、少し距離を置いた情報なども確認したいところです。

恋愛や結婚でも、信頼できる友人や家族の意見は参考になります。
もちろん、周りの意見が必ず正しいわけではありません。最後に決めるのは自分です。
ただ、自分をよく知っている人が何人も同じ違和感を口にするなら、一度立ち止まる価値はあります。
自分が見たくないものほど、周りには見えていることがあるからです。

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5. 信じる力と疑う力

まとめ

恋愛も投資も、人生を前向きにしてくれるものです。
人を好きになることも、将来に期待して投資をすることも、決して悪いことではありません。
むしろ、何かを信じる気持ちがあるからこそ、人生は動いていきます。

ただし、その気持ちが強くなりすぎると、人は見たいものだけを見るようになります。

「この人だけは違う」

「この銘柄だけは上がる」

そう思ったときほど、一度だけ反対側から見てみることが大切です。

  • 本当に大丈夫か。
  • 都合の悪い情報を無視していないか。
  • 好きだから、買いたいから、正しいと思い込んでいないか。

確証バイアスを完全になくすことはできません。
でも、反対意見を見る。数字で確認する。第三者の視点を入れる。
この3つを習慣にするだけで、大きな失敗は避けやすくなります。

感情を持つことは悪いことではありません。
大切なのは、感情だけで決めないことです。
恋愛でも投資でも、後悔を減らす人は、信じる力だけでなく、疑う力も持っています。

好きになるほど、疑う力が必要になる。
買いたくなるほど、見送る理由を探す必要がある。

その冷静さが、長く続く関係と、無理のない資産形成を支えてくれるはずです。

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確証バイアスに関するQ&A

Q1. 確証バイアスとは、わかりやすくいうと何ですか?

A. 確証バイアスとは、自分の考えや願望を正しいと思わせてくれる情報を重視し、それに反する情報を軽く見てしまう心理のことです。

恋愛、投資、仕事、人間関係など、さまざまな場面で起こります。
投資では、「この銘柄は上がるはず」と思ったあとに、上がる理由ばかりを探してしまう状態が代表例です。

Q2. 確証バイアスは投資でどんな失敗につながりますか?

A.買いたい銘柄の良い情報ばかりを集めてしまい、高値掴みや損切り遅れにつながることがあります。

また、株価が下がったときに「一時的な調整だ」と都合よく考え、当初の投資ルールを変えてしまうこともあります。
投資では、買う理由だけでなく、買わない理由や撤退条件も事前に確認することが大切です。

Q3. 投資で確証バイアスを防ぐにはどうすればいいですか?

A.買う前に、買う理由だけでなく「買わない方がいい理由」も書き出すことが有効です。

また、株価が下がったときの対応、損切りライン、資金配分、保有期間などを事前に決めておくと、感情に流されにくくなります。
SNSや掲示板の意見だけで判断せず、決算資料や企業情報、同業他社との比較など、少し距離を置いた情報も確認しましょう。


 

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著者プロフィール
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飲食から金融まで多彩な現場を渡り歩く、猪突猛進なアイネット証券の社員。データと歴史から知恵を拾い集め、難しい投資話を「面白く、深く」紐解くことをモットーとする。

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